1.《ネタバレ》 「狸御殿」シリーズの第2作で、現在見られるものでは一番古いらしい。お話は「シンデレラ」の換骨奪胎ですが、それだけでは時間が足りないのか、単なる歌だけで時間を稼いだり、カチカチ山一派とぶんぶく茶釜一派でいさかいをしたりして、引き延ばしています。このいさかいはなかなか面白かった。もっとオリジナルなのは、ガラスの靴に相当するものがなく、最後がかなり変えられているということ。教訓的な終わり方は製作当時を反映しているのかもしれません。悪役の姉があっさり改心するというのは少々物足りないのですが、後味はいいです。
オペレッタということで、見どころはやはり踊りと衣装。ファッションに関しては、着物なのにイヤリングや首輪をしているのがミスマッチでおかしい。なかなか芸が細かいです。照明が非常に強いようで、顔を白く撮っているのは好みが別れるかもしれません。私はあまり高く評価しません。お芝居がちょっと学芸会的で、特に一人芝居をしているとことは見ていてつらいです。子供向けなのか大人も視点に入れているのか、そのところがよくわからなかった。とはいえ、気楽に見られるエンタテインメントです。B級映画として楽しみました。