3.《ネタバレ》 海洋アドベンチャーとしてはそれほど派手さは無く、
CGも効果的に使われているけど、最近のこの手の映画にしてはCGの挿入は控え目です。
しかし本作はそれが良かったのだと思います。
大昔の人々がたどったであろう道のりを、出来るだけ当時の仕様で1947年の彼らは挑んだ。
だからこそ、そんな彼らのフロンティアスピリットを再現する本作には、
ギラギラとした直射日光や、潮の匂いや男たちの汗の匂いがスクリーン越しに感じ取れるかのような描写がよく似合うと思います。
サメとの攻防戦を描いた緊張感。確実に筏の木が水を吸って重くなっていく不安感。
しかし、それでも南赤道海流に筏が乗ったことがわかった時の高揚感。
次第に仲間達を強く結びつけていく連帯感。
終盤の陸地に向けていくつもの大波を超えていく、彼らの最後の海との格闘は迫力満点です。
エンドロールで無謀とも思える挑戦を成し遂げた彼らのその後が紹介されています。
仲間達それぞれに、その後も冒険心にあふれた生涯を全うしていました。
同じ男として、彼らがとても羨ましく、眩しく映りました。
これは映画館で見たかったですね。