1.《ネタバレ》 オムニバスなので、まず1話ずつの感想から。【第壱話】キーアイテム、手作り詩集がなかなかの出来です。文学少女が酔狂で購入しても可笑しくない程度に体裁は整っているものの、よく見るとヤバイ雰囲気プンプン。小物のつくりが丁寧だと嬉しくなります。ストーリーは単純ですが悪くありません。ただ、結末はいけません。ポエマーの台詞が聞きとれません。衝撃的な内容ゆえ“少女の耳にはあのように聞こえた”という演出なのでしょうが、観客としてはストレスが溜まります。どんなキチ理論か是非披露を。言語明瞭・意味不明(by竹下登)でお願いします。【第弐話】本当に怖いのは、簡単に個人情報を漏らしてしまう古書店店主なのですね。わかります。【第参話】これが一番面白かったです。人物造形及び役者の演技力の勝利。【第四話】このお話から若干コミカル路線にシフトします。主人公にしてみれば洒落では済みませんが、基本的に悪ふざけという感じ。トイレットペーパーの使い方や“おーえる”表記がシュールでした。なお100均で売っているような接着剤がそんなに強力かよ!と、一応ツッコんでおきます。【第伍話】もうギャグと認定していいですかね。犯人のセンスに脱帽です。【総評】プロローグとエピローグの共通点。それは“ししゅう”と“ハートマーク”。(第壱話:主人公の制服の袖、第伍話:主人公のあそこに、小さなハートがありました)この2点は、全体に共通するテーマでもあります。ししゅう=詩集=刺繍=死臭。ハート=愛。すなわち“死の香がする歪んだ愛の物語”ということ。ジャパニーズホラーなのに血飛沫ゼロ。あまり人も死にません。四話と伍話の影響もあってか、正直あまり怖くありませんでした。タイトル自体がパロディであることを考えると、この印象は間違っていないと思うのですが、高い評価は付け難いです。