1.《ネタバレ》 まぁ、ミュージカル映画なのでストーリーの深みという点においてはそれほどではなく、素直に楽しんで観ることができると思います。
一つ一つのダンスシーンは、若干長ったらしくてクドい感じはするものの4つのダンスシーンは全て良く、1つ目の戦時中の酒場でのダンスは、嘘偽りのない本物の愛という感じがあり紆余曲折はあるにしろ最後はきっとハッピーエンドで終わってくれるんだろうなという予感を感じさせますし、犬と一緒に踊るシーンではワンちゃんの可愛らしさとお行儀の良さが見どころのほんわかとさせられるシーンです。
特に、最後の子供と遊びながら屋根の梁まで上がって踊るシーンはこの映画一番の注目ポイントで、子供目線での下からのアングルや、子供たちを背景にした上からの撮影で梁を使って体操選手のように踊る姿を捉えたりするなど、多角的に躍動感いっぱいに撮られているところに終盤のクライマックスらしい華やかさを感じました。
アステアは、どの作品を見ても同じようなダンスでそろそろ見飽きてきたところなんですが、ジーン・ケリーは彼の持っている引き出しが多いようで、飽きが来ない気がします。
この監督の作品を観るのは2作目なのですが、脚本が予想通りしっかりしていて良かったですし、ラストで、ワンちゃんが部屋を追い出される時に一度顔を出してから去っていくという一コマを見るに、彼が演出家としても良い仕事をしているなぁという印象を受けました。