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花筐/HANAGATAMI

[ハナガタミ]
2017年上映時間:169分
平均点:8.50 / 10(Review 4人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-12-16)
ドラマ戦争もの小説の映画化
新規登録(2018-02-02)【青観】さん
タイトル情報更新(2018-02-07)【イニシャルK】さん
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監督大林宣彦
キャスト窪塚俊介(男優)榊山俊彦(僕)
矢作穂香(女優)江馬美那
常盤貴子(女優)江馬圭子
長塚圭史(男優)吉良
満島真之介(男優)鵜飼
柄本時生(男優)阿蘇
山崎紘菜(女優)あきね
門脇麦(女優)千歳
村田雄浩(男優)山内教授
武田鉄矢(男優)一条医師
入江若葉(女優)江馬家の婆や
南原清隆(男優)俊彦の父
根岸季衣(女優)娼家の女
池畑慎之介(男優)娼婦
細山田隆人(男優)憲兵
白石加代子(女優)山内の母
片岡鶴太郎(男優)文士
高嶋政宏(男優)あきねの父
品川徹(男優)唐津くんちのおじいさん
伊藤孝雄(男優)老いたる俊彦
原作檀一雄「花筐」(講談社・文芸文庫)
脚本大林宣彦(脚本/撮影台本)
桂千穂
音楽山下康介
作詞檀一雄「月地抄」
作曲山下康介「月地抄」
主題歌門脇麦「月地抄」
プロデューサー大林恭子(エグゼクティブプロデューサー)
美術竹内公一
編集大林宣彦
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4.《ネタバレ》 現役の日本の監督で最も好きな大林宣彦監督が癌に侵されている。余命宣告まで受けたと聞いて凄くショックで、そんな大林作品ももう観れなくなるのか?これが遺作になってしまう可能性がある。それなら絶対に劇場で観なくては、そう思って観てきた。これが死を目の前にしている人間の撮れる作品なのか?何という恐るべきパワーに圧倒させられた。大林宣彦監督にしか撮れない映像のマジック、白と赤がとにかく強烈です。ヒロイン役の矢作穂香という新人女優の素晴らしさ、彼女の白、そんな矢作穂香の姉を演じてる常盤貴子の赤、死を目の前にして、戦争中でもパーティーを開催したい。踊ると願う矢作穂香の白い服は人間の生命を表し、常盤貴子の着ている赤い服は人間体内を流れる血を表していると感じずにはいられない。生きる意味を問う様な物凄いメッセージが込められた死を目の前にしている大林宣彦監督だからこそ撮れる作品て気がするぐらいとにかくその目まぐるしい映像に目が離せません。作品の中で主人公の成年、窪塚俊介が放つ台詞「戦争に青春を邪魔されてたまるか」という強烈な叫びは人間が人間らしく生きることの大切さを描いている。この映画、戦争が背景にありながら戦争の場面など全く出てきません。それでいて所々で繰り広げられる祭りの場面、流れる能の音、木下恵介監督や溝口健二監督作品の様な映像に大林宣彦監督が尊敬する先輩の監督さんに対する思いがひしひし伝わってきます。大林宣彦監督、余命宣告されて尚、これ程までの作品撮るとはまだまだ新作が観たい。恐るべし!どこにこんな力があるのか?大林宣彦監督なら癌なんて吹き飛ばしてしまうのではないだろうか!まだまだ長生きしてください。今の日本映画界に貴方の力は必要です。
青観さん [映画館(邦画)] 9点(2018-02-03 22:08:52)(良:1票)
3.《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。
最晩年にこれだけ瑞々しいアマチュアリズムと実験精神を炸裂させる自由度はなかなかスゴイ。黒澤明のカラー作品のようでもあり、鈴木清順の大正シリーズのようでもあるけれど、書き割りっぽい合成映像を多用した画面やポリフォニックな音響はかなり演劇的であって、むしろ寺山修司の映画を思わせるところがある。
20才の矢作穂香から42才の長塚圭史までを「同年代の若者」とした大胆な試みにも違和感はなく、それぞれのキャラ立ちもしっかりしていて、そこには大林宣彦の俳優起用の巧さをあらためて感じます。音楽の使い方にも彼流の美学が徹底している。
戦争の予感のなかで死んでいく若者たちを描いていますが、反戦色が強いというよりも、むしろ破滅の美学のなかに陶酔しているように見える。そういう傾向も鈴木清順や寺山修司に近似しています。
まいかさん [インターネット(邦画)] 8点(2022-08-22 02:04:21)
2.《ネタバレ》 大林監督の戦争三部作の最後の作品。

「野のなななのか」よりも赤裸裸である。
自分の中に封印した「青春の悶え」みたいなものを、映像として表現されると、
何か口惜しい。
しかし、戦争とはこんな無垢の魂をいきなり晒すようなものであるのだ。

戦争の悲惨さを描くことなく、反戦映画になってる。
素晴らしい。
DVDが欲しい。  
トントさん [DVD(邦画)] 10点(2019-05-11 15:37:00)
1.《ネタバレ》 印象的な点は、窓の外の風景が雑なはめ込み合成映像であることだ。勝手にはめ込んでいるから、気に入った風景を難なく収めることができる。つまりあの背景には、監督からの強烈なメッセージが込められているに違いない。
そしてこの映画を完成させたことにもっとも貢献したのは、他ならぬ、出演者たちの演技だ。主演の窪塚のあのシワッシワの笑顔とわざとらしさをあえて感じさせる自然なせりふ回し、長塚圭史演じる高校生のあのアンニュイなかんじ、常盤貴子演じる未亡人の妖艶さ、その他チョイ役の人々も全員に濃い味わいがあり、毒がある。(裸で二人で馬に乗って浜辺を駆け抜けるあのシーンは拍手ものだ)

「唐津くんち」というお祭りが映画後半現れる。なんとも妖しげでけだるいお祭りだが、大林監督はあの夜行と戦争への出兵を重ね合わせた。重ね合わせるとはまさにそのまま、映像を合成して重ねた。CG技術が発達しまくっている現在において、遠近感とかテクスチャのずれとかお構いなく、あんなに雑に合成してスクリーンに叩きつける度胸というかセンスが大林監督ならでは。
唐津くんちと戦争を重ねることで、戦争の風景が妖しく縁どられている。それがとてもグロテスクだった。耽美的ともいえる。

映画ラストは、窪塚が本人として(背景には大林の監督イスが見切れている)我々に問いかける。「飛ぶか、飛ばぬか」みたいなことを。どういうことかというと、彼は崖から身を投げるかどうか、映画歩島で躊躇し止めている。しかし彼の周りの人達は、身を投げた。ではこの映画を観ているおまえはどうなんだ!?っていうことだと思う。
身を投げるイコール死だろうけど、大林は我々に「死ぬか、死なぬか」を問いただしているのだ。もちろん生きますけども。そして主演の彼もまた飛ばなかった。

映画が終わってロビーを出たら、有楽町はすっかり日が暮れていた。今、この街でしか見ることが出来ないこの映画を、こうしてみることが出来て、まあなんというか、貴重な経験だなと思った。
no_the_warさん [映画館(邦画)] 7点(2018-03-28 22:14:57)
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【点数情報】

Review人数 4人
平均点数 8.50点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7125.00%
8125.00%
9125.00%
10125.00%

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