1.《ネタバレ》 舞台の映画化のせいか、映像で描かれる空間の狭苦しさが気になったかな。NHK朝の連ドラ的な空間世界。でも、その狭苦しさこそが、ここに登場する人達の生を映しているのだとも言えるのかも。
笑い、泣き、怒り、精一杯生きている人々の姿が印象的な映画。沢山の大変な思い、つらい思いをして、それでも生きてゆく、その力、その生命力。
日本人でも韓国人でもなく、在日として生きるしかない人々のそれぞれの生が響いてきて。
三姉妹が良いです。感情を抑え込んで生きる真木よう子、感情を爆発させる井上真央、器用に順応している桜庭ななみ。そんな三姉妹を取り巻く男達の滑稽さ、それを包み込む父と母の大きさ。
騒がしく、次から次へと騒動が巻き起こり、そんなやかましさを見つめる末の息子。
ひとりひとりに生があって、心があって、物語があって。
移ろいやすく、壊れやすい家族の絆。
時代の波に翻弄されながら、パワフルに生きた家族の物語に魅かれ続け、そして、色々と考えさせられて。
もっと差別について描いても良かったんじゃない?と思うけど、五月蠅い連中がいる状況ではこれが限界かもね。
十把一絡げにして「日本から出てけ!」とか言っちゃう、同じ日本人として恥ずかしい存在にはなりたくないものだわね。