1.《ネタバレ》 ひさびさに酷いプロパガンダ映画を観させられた。
別に、この映画に描かれるようなありきたりの平和主義に反対したり、反発を感じたりするわけではないんだが、
実在の北原白秋からの歪曲があまりに見苦しい。
新聞社の招待で外国旅行を行い、弟たちは出版社を経営、またみずからは国家主義的な傾向を強め、ヒトラーユーゲントを称える歌とか、紀元2600年を祝賀する交声曲の作詞を失明後行っている人物を、平和主義的な傾向を持ち、そのために不遇な死をとげたかのように描くのはどのような意図があるんだろう。
かなり違和感を持ったまま調べれば、製作に朝日新聞。さもありなんと納得はするけれど、こういう見え透いた下らないことをするから、叩かれるのでは。
平和主義、戦争反対をテーマにするんだったら、それに合った人物を選んで映画にすればいいだけの話で。
戦争がらみの話が出てくる後半までは、なかなか雰囲気がいい明るいストーリーだし、明治、大正の文壇の雰囲気にも好奇心が惹かれたんだが。
せっかく著名な詩人たちを出し、それなりのキャストをあてがっているんだから、それこそ「この道は」作詞ぐらいを、クライマックス、エンディングにもってくるくらいで、弟子たちや、友人たちとの交友を中心にした映画にした方がよほど良かったのに。
綺麗な女優さんが何人か出てくる映画だったから、よけい残念。特に松本若菜さん、いきなり冒頭に自分がよくしらない大美人がでてきて目が洗われるような思いに。こんな美人を今まで知らなかったのは不覚