1.音楽×青春×SF
現代の物語なのになんでカセットテープに録音してるんだろーと思ったらその理由がとても素晴らしいものだった。
“音楽を手の平に乗せてる感じがいいから“
“なんか温かいから“
たしかに、カセットはおろかCDすら買わなくなり、最近はダウンロードでいいかと済ませている私だけど。CDを買って聴いていた時に比べて大事に聴いていない気がするし、味気なく、音楽って無機質な物って感じになってきてる。
そういう意味ではカセットテープっていいものだなぁと思わせてくれたし、カセットテープがとても重要なアイテムとして登場するこの物語にはとても引き込まれた。
カセットテープに上書きして録音すれば前のデータはどんどん消えて失われてしまう。
しかし、その時の記憶や思い出といったものは持ち主の心にいつまでも残り続ける。
そんな“記憶“がもたらした奇跡のような物語だった。
また、音楽の持つ力が人を変え、人を惹き付ける事の凄さを十二分に感じさせてくれた。
特に良かったのは、全編映像が綺麗。
登場人物の感情の揺れ動く様がとても丁寧に描写されていた。
北村匠海の2役とも言える演じ分けが神懸かっていた。新田真剣佑との掛け合いの楽しさ。2人の歌声がとても素晴らしくて、いつまでも心に残った事。