41.《ネタバレ》 低評価の理由に納得した。 実話であるなら事実を淡々と客観的に描けばよいのに、 ヒーローもの、青春ものの要素を恥ずかしげもなくぶっこみ、 プロパガンダたっぷりの美談に仕上げてしまったこと。 後半は失速し、米軍のトモダチ作戦に、関係者家族のドラマを流す厚顔無恥っぷりで要るか、これ? そうなると事実と映画が分離され、余計に集中できなくなる。 震災によって得するのは他でもなく利権を貪る政治屋であり、 東京オリンピックと称した「パンとサーカス」で批判から目を逸らそうとしているわけだから、 吐しゃ物の臭いしかしない。 コロナ禍によって、化けの皮は完全に剝がされたけどね。 さらなる甚大な被害を食い止めようと奔走した現場関係者には頭が下がるが、 こんな形で利用されたら本当にいたたまれない。 ただただ後味が悪い。 【Cinecdocke】さん [地上波(邦画)] 2点(2021-03-20 00:42:18) (良:3票) |
40.原作は門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。当時の経緯を詳しく知りたいのであれば原作を読んだ方がいいだろうし(読みやすく書かれてるしね)、より冷静かつ俯瞰的に知りたければ、船橋洋一の『カウントダウン・メルトダウン』を読むのもよいでしょうし、NHKスペシャル『メルトダウン』取材班の『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』などは、誰が良いの悪いのというのとは別として、事故の経緯に対する印象を一変させるかもしれません。あるいは別角度の視点として、高嶋哲夫の『福島第二原発の奇蹟』とか。 とは言っても、この『Fukushima 50』という映画は、原作本の内容をただ映像に置き換えて再現してみました、という訳ではなく、やはり、映画ならではの訴えるパワーをもった新たな作品として、しかしあくまで実話に沿ったノンフィクションとして、作られたものなんでしょう。 であれば、ウソを織り交ぜろとは言わないけれども、何かもう少し、「事実の再現」以外に、映画らしい演出があってもバチは当たらない気がするんですけどね。悲惨で絶望的な光景ばかりではなく、そういった光景に囲まれる中でふと目を上げれば、そこにはかつての美しい空があったり、自由に宙を舞う鳥がいたり。ってのはさすがにベタかもしれませんけれど、要は、対比、ですよね。 主人公の描き方も実にストレート。原作通りっちゃあ、原作通り。確かに、本店なり首相なりの(やや誇張された)愚かしい姿との対比はあるかもしれないけれど、ここには想定内の、我々の期待に完全に応えてくれるヒーローらしいヒーロー像しかない。同じ渡辺謙がかつて『硫黄島からの手紙』で演じた栗林中将が、我々の期待をはぐらかすようにいまいちヒーローらしからぬ人物、しかし(あるいは、だからこそ)印象的な人物として描かれていたことを、ふと思い出します。 この題材を、このタイミングで映画化して、それだけでも何かと難しい面が多々あるだろうけれど、その結果、こういう作品として仕上がって、ご苦労様なのですが、つい、「無難な冒険」、と呼びたくなってしまうのです。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 4点(2022-10-23 18:08:29) (良:2票) |
39.《ネタバレ》 事実として、未曽有の放射線事故拡大防止に命を懸けた人たちがいたのは確かであり、あの想定外の大事故を映画として、真摯に極力再現して記録し、後世に記憶として残そうとする(崇高な)意図に対して、あれはどうだ、これはこうだと、安直に非難するべきではないと思います。実際に見ていてはらはらし感動したので満点評価をしたいところですが、やっぱり、映画としてみれば、佐藤浩市のやたら大仰な演技が鼻につくし、その娘がどうのこうのはどうでもいいことと思いますので、1点減点して9点と評価しました。 【黒部の太陽】さん [地上波(邦画)] 9点(2021-03-18 15:35:45) (良:2票) |
38.最初から最後まで全体のトーンが同じで、抑揚もクライマックスもなく、最後は「この責任は自然の脅威」でまとめてしまっています。出演者たちもどこかで見た様な人ばかりで新鮮味がありませんでした。それに、ところどころ挿入される米軍のシーンは本当に必要だったのでしょうか?そもそも「Fukushima50」という単語は普段の生活の中で耳にしたことがありません。映画としてはつまらなかったです。。。 【みるちゃん】さん [インターネット(邦画)] 3点(2022-05-05 08:42:57) (良:1票) |
37.原発事故対応で日本中が凍りついたが、その時の様子をよく描けてると思う。映画でドキュメンタリーみたいだが。東日本大震災の悲劇を日本人として忘れてはならない、こんな悲劇があったよと後世に受け継がなければならない思う。津波被害は甚大だったが東電原発の問題は未来永劫日本の大問題である。日本人が忘れない様にこのような作品を作ったことは大いに評価出来るし、いいことだと思う。 【SUPISUTA】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-08-07 08:10:08) (良:1票) |
36.ある種のドキュメンタリーとして堪能させてもらいました。その後の報道などを見聞きするかぎり、おそらく本当にこんな感じだったのでしょう。その意味で、家族だの回想だののシーンは邪魔でした。急に弛緩するというか、エンストされた気分になるというか。全部カットしてほしかった。 それにしても、見ているとだんだん暗澹たる気分になります。10年前の話ではなく、リアルタイムのコロナ対応やオリパラ対応とあまりにも重なるので。さすがに怒鳴り散らすしか能がないトップは今はいないと思いますが、責任をたらい回しにしたり、現場を知らなかったり、なかなか方針を打ち出せなかったりする上層部がいる一方、現場では常に危険な作業を強いられるあたりは瓜二つな感じ。 つまり、日本の組織の問題は10年前、もっと言えば太平洋戦争後から可視化されていたのに、結局何一つ改善されないまま今日に至っているわけで。それも平時なら適当にごまかせますが、有事になると一気に顕在化します。 さらに言えば、今の〝国難〟の現場に「吉田所長」はいるのだろうかと。傍から見ているかぎりは不在のようで、ますます不安になります。 ただ、ちょっとだけ登場した自衛隊員のセリフ「民間人ががんばっているのに、我々が撤収するわけには行かない」には、ベタと知りつつグッと来てしまいました。 【眉山】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-07-23 02:08:06) (良:1票) |
35.東日本大震災と、福島第一原発事故。 日本人が忘れてはならない、語り継ぐべき内容。 映画というよりは、映像作品(記録)かな。 教科書的な価値があると思います。 飾り言葉ではなく、本当に「命懸け」の現場の人たち。 これで感動しなかったら、日本人に非ずと言ってもいいのでは。 と、個人的に思います。自分も現場寄りの人間だからですかね。 怖いくらいの渡辺謙の熱さは流石でした。 「事故は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」 会社の上層部や、時の政権などの風刺も垣間見えるけど、 現場が主役としての内容だけに仕方ないかなと。 幹部や政府なんてのは、あくまで脇役です。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-28 20:35:32) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 日本の危機、世界人類の危機を守るために尽力された現場の方々には感謝の念を贈り賛辞したく思います。 作品としても、彼らの奮闘シーンをメインとし、地震・津波・爆発映像に特化せず、過剰な演出を見せなかった点は良き点だったかなと思えます。 ただ余計な見方として、どうしても気になってしまったのが内閣総理大臣:佐野史郎のキャスティング。当時の総理大臣:菅直人の容姿と雰囲気からしたら今回、官房長官役をやっていた金田明夫のほうが適任だったのではないかと思えます。そもそも異質な俳優:佐野史郎をなぜ日本のトップに置き据えた? ミスキャストじゃないかな。 どうしてもそこが気になって。 ただそれを考え出すと、現実世界で、もしも、この震災当時の首相が菅直人以前の鳩山由紀夫の時だったらもっとヤバかったんじゃないか、もしくは菅直人以後の野田佳彦の時だったら、更にヤバかったんではないか 東日本はどうなっていたのだろうか はたして日本は大丈夫だったのか?とか、この時たまたま民主党政権化の時に起きてしまった緊急事態だっただけに、はたしてこれが自民党政権化の時だったとしたらどう対処されていたのだろうか とかいろいろ今さらながらにして派生的な考えが巡らされてしまいましたね。 そんな意味では、あの日あの時の福島で起きていた事態の回顧、その後事態はまだ収拾していなく、解決する気配すらまだないわけでありますが、十年経った今、今一度この時の危機状況を思い起こしてみるという良いタイミングだったのではないかと思えます。 緊急時に断を下すトップの存在、まともな存在であってほしいものです。でもそんなことを考えてみると、やはり、日本のトップ役が佐野史郎とはこれいかに。 でもこの作品を後に目にした当事者の菅直人さんは本作の出来について、リアリティがあっていいんじゃないかと満更でもない様子で公式の会見で述べていらっしゃったようですね。だからなにってわけではないですが。 【3737】さん [地上波(邦画)] 7点(2021-04-19 23:45:37) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 東日本が誰も住めない死の街になったかもしれない。それを避けるために命をかけて闘った人たちの記録。 下手をすれば死に至る放射線レベルの場所に身を投じる責任感と勇気。 部下に危険な任務を命じる苦渋の選択。 吉田所長をはじめ、福島第一原発で、日本の未来のために責任を全うした現場の人々には頭が下がる。 あれからもう10年だけど、廃炉への道のりは果てしなく遠い。 【roadster316】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-03-22 21:08:44) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 どこまで脚色されているのかわからないが、実際にフクシマで何が起きたのかを知るのであれば『88時間の危機』を見た方がよいし、その後も様々な事実や知見が出されているのでそれらを確認した方がよくて、これを見て事実と勘違いして素直に信じたり感動するのは問題があるだろう。なら、エンタテイメント的なパニック映画として割り切って見る事が可能かというと、実際に起きた危機がベースになっているのでそういうわけにもいかない。現場と政府のパニック対応系なら『シンゴジラ』を見る方がいいわけで。という意味で「帯に短し襷に長し」というか、今更原発事故を映画化するなんてなんだか製作意図がよくわからない作品だなあと思っていたのだが、最後の最後でオリンピックの宣伝が出てきて、ようやく理解。つまり、このような危機を乗り越えて復興五輪を行う日本を賛美するのが目的なんだろう。よって、政府のプロパガンダ的要素が強い作品であり、その辺は十分に留意してみる必要はある。ただし、コロナ危機が起こってしまい、それに未だ「打ち勝つ」事ができない政府はプロパガンダの目的を達成できていないというオチになったのは皮肉ではある。とは言え、原発作業員と同じように医療現場で危機に対応している人がいるという想像力は必要だろう。 【東京50km圏道路地図】さん [地上波(邦画)] 4点(2021-03-14 13:20:38) (良:1票) |
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31.《ネタバレ》 ~Fukushima 50~海外メディアで報道された呼称で、ワイドショーでも紹介された。でも日本の報道では、当時彼らがこう呼ばれて応援された記憶はない。直近にチリ鉱山の33人全員生還があった。 当時の生々しい記憶が蘇る。今でも3月11日には、その時その時会っている人と「わたしあの時ちょうど〇〇をやっていて…」なんて話題になる。 これは「俺、あの時ちょうどフクイチで…」日本を命掛けで守った人々の物語だ。 俳優陣は豪華で原発の再現もお金も掛かっていて、内容も真面目に撮っている。けど、決して上手に出来た映画だとは思えない。こんな失礼な点数で良いのかもわからないが。 「2014年・春」の実際の映像でついに涙が溢れた。映画の内容ではなく自分の記憶に泣けた。 地震発生から多くの人が作業をしていて、命掛けの手動ベント、屋外作業、海水注入などは選抜50人が残る以前の出来事で、50人が残って以降、映画のタイトルになるような、彼らのドラマチックな(新たな)作業は描かれていない。 未曾有の危機に対応できない日本政府、現場に押し付けるだけの東電本店、邪魔しかしない菅直人首相。日本の対応に不満なアメリカ。2号炉の圧力が下がったのはパネル落下の偶然では… 日本がコロナに打ち勝ってオリンピックを開催しよう!って頑張っている今、災害に対応できない政府、現場任せの上層部、無能なリーダー、偶然の結果を映画で見せつける意味は何だろう。 原発以外の被害。10万人の自衛隊出動や多くのボランティアの救助作戦などをほとんど入れずに、トモダチ作戦だけ入れるのは、どうだろう? 海外の動きを入れるなら、地震から僅か一週間で多くの国から救援隊が来て活動していた。台湾からはとんでもない額の義援金を頂いた。規模の大小で言えばアメリカが一番かもしれないけど、東京オリンピックが復興五輪、世界の祭典と言うなら、あの時は世界中に助けてもらったって伝えたほうが… あの原発事故を映画というカタチで残すことは大変意味のあることだと思うし、まだ震災から9年で、色々な制限や描けない描写が沢山あることは十分理解しています。この映画以降、あの震災と正面から向き合う真面目な映画が出来ていくと思います。 そして残った50人の方に限らず、あの時世界で一番居たくない場所、福島第一原子力発電所で作業をしてくれた全ての方に、感謝の気持ちと敬意を表します。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 3点(2021-03-14 12:00:05) (良:1票) |
30.《ネタバレ》 これだけのオールスター・キャストで気合が入っているにもかかわらず、残念な映画。実際の東電原発事故をモデルに、名前もほぼ実名という設定にもかかわらず、首相や東電本店を一方的に悪者扱いしているところからしてひどい。これじゃ観た人が官邸や本店クソだと思っても致し方ないよ。 NHKで放送されていた「88時間の危機」のほうがよっぽどリアルティがあるし、何よりYouTubeでも東電テレビ会議の実際の公開映像と音声があるのだから、まずはそちらを見るべき。この映画でも出てくる、吉田所長の英断とされた1号機への海水注入「中断のふり」も、実際はパイプからの水漏れで効果がほとんどなかったことが指摘されている。現実を知れば見方もまた変わってくるということだ。 それと印象的なのは、日本の組織の欠点でもある場当たり的な対応を再認識させられたこと。新型コロナ禍によってもあぶり出されたものだが、危機に弱い。最悪の事態を想定せず、臭いものには蓋しとけ的な対応の積み重ねが人災となる。自然の猛威には人知はとうてい及ばない。あの事故が、東日本壊滅という悪夢の一歩手前までいっていたのだということを広く世に知らしめたという点では評価したい。 【mhiro】さん [地上波(邦画)] 5点(2021-03-13 18:04:43) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 原発の意義等議論はあると思いますが、現実として存在し運営されている中で、想定外の事故に対し決死の思いで頑張っている人たちの存在は否定することはできません。そういった意味で非常に貴重な映像作品であると思います。 【TM】さん [地上波(邦画)] 7点(2021-03-12 23:57:25) (良:1票) |
28.何年位前だったか。NHKで放送された当時の再現ドラマを見たことがありました。 吉田所長役は亡くなられた大杉漣さんだった。 両作品ともに切迫した状況の福島第一原発内部で様々な専門用語や数値が飛び交う。 それらに説明の字幕があったNHKのドラマの方が、事実を捉えるという意味では分かりやすかったと言える。 一方本作は最悪の場合東日本壊滅という危機に命懸けで立ち向かった人々の人間ドラマにある程度絞った構成になっており、 改めて彼らの命がけの戦いに感謝の気持ちでいっぱいになった。それだけでも見て良かったと思える映画でした。 【とらや】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-01-07 21:11:33) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 ■全国民が固唾をのんで見守った、あの日、あそこで起こっていたこと。とても知りたい気持ちはある。しかしそれは、こんな風に脚色された、センチメンタルなのではなく、硬派な事実だけを知りたいんだ。■あの事故のことを描くのであるなら、事故以前の原子力政策と、事故後の世論の日和見を描かないと、50人の壮絶な絶望は伝わらないんじゃないだろうか?■あの事故は、終わっていない。■復興五輪のためのプロパガンダとして作られた作品が、コロナ禍により早々にその役割を終えた。見ていて、悲しくなりました。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 2点(2020-12-04 10:46:31) (良:1票) |
26.序盤から最後まで、だれることなく緊張した状態で楽しめました。 避難所にて、作業服を脱ぐように促しているシーンは、心が痛くなりました・・・。 最後まで現場で任務を遂行していた人たちがいたことを忘れてはいけないと思います。。 【へまち】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-24 17:43:16) (良:1票) |
25.《ネタバレ》 残念ながら映画としては「微妙」の一言です。決死隊の作業まではいいのですが、その後のアクシデント(水素爆発)が、登場人物たちの活躍または失敗と(劇中では)関連性がないものであり、因果関係不明な状況で「よく頑張った!さすがだ!」とも「くやしい」とも思えず。これでは感情移入もハラハラもできません。セットの出来の良さと悪夢菅直人の再現以外に、褒めるところがないような。。。最後の米軍推しもよくわかりません。海外テレビ中継の演出も、「Fukushima50」の最後での説明も、安っぽい邦画感を感じるばかりです。 【wetb】さん [映画館(邦画)] 4点(2020-07-18 13:30:47) (良:1票) |
24.人物描写がとてもシンプル。激情にまかせて怒鳴ってばかりですし、政府や本社を悪役一辺倒に、イチエフの現場の人たちを英雄として美化して描き過ぎに思いました。事故の描写も断片的で何が起こってるのか分かりづらい。この作品は、歴史上も類を見ない大事故を正しく伝えようという客観的な視点が不足していて、原発事故や「フクシマ50」と呼ばれた人たちを後世に伝える映画には成り得ないと私は思います。残念な気持ちが残りました。 追記; 当時、私は関東にいて、テレビ画面越しに津波やイチエフの状況を見ていましたが、度重なる余震や、頻繁に鳴る緊急地震速報に心が乱される中、「ただちに影響は無い」と繰り返す政府の発表に安心など出来ず、極度の不安の中でネットで情報を漁ったことを覚えています。イチエフの現場にいた方々が直面していた現実は想像を絶しますし、自分と同じただの会社員に過ぎない彼らが、国のために自らを犠牲にせざるを得ない(かもしれない)状況に置かれた理不尽さを思うと申し訳なさで言葉もありません。それだけに美談として単純化して描いているこの作品には違和感を覚えます。 【wayfarer】さん [映画館(邦画)] 5点(2020-06-14 02:22:45) (良:1票) |
23.《ネタバレ》 あの3.11から9回目の3月を迎えたタイミングでの公開。 10年目の方が区切りが良い気もしたが、現在のウィルス災害をふまえると意外にタイムリーだったかもしれない。 あの当時「1F」と呼称されていた「福島第一原発」の内部で、いったいどんなことが起こっていたのか、どんな戦いがあったのか…… 知られざるドラマが今回初めて映像化されたことに本作の意義がある。 そしてスクリーンに再現されるあの津波シーンには久しぶりに心が痛んだ。 本作は当事者への丹念な取材を行った原作にほぼ忠実に各シーンが再現されており「真実の物語」とのキャッチフレーズはあながち誇張ではないだろう。 セットの再現力や専門用語から作業員の動きまで、関係者によく取材していることが伝わってくる。 特に緊急時対策室(緊対)でのトイレの様子や、落ち着いた時に口にする備蓄食糧といった何気ないシーンも入れているところも好印象。 また俳優陣も豪華な顔ぶれで見応え十分。 本作では東電と政府、原発内部やその家族に避難民、さらには自衛隊や米軍など様々なドラマが展開されるが、はやり一番の見どころは、電源喪失後の中央制御室で、炉心溶融(メルトダウン)による放射線漏洩という最悪の事態を防ぐために、手動にてベント作業に挑むシーンだろう。 その意味では最後に残ったと言われるfukusima50「以前」のストーリーが実はヤマ場だった本作。タイトルは若干ミスリードだったかもしれない。 ともかく、あれだけの事故で被爆による犠牲者が出なかったことに改めて驚くと共に、あの時2号機の格納容器が破裂しなかった理由も未だに謎であるなど、今回改めて知ったことも多く、観て良かったといえる作品だった。 【田吾作】さん [映画館(邦画)] 7点(2020-03-23 17:38:57) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 原作未読。 この映画を観てたときずっと涙が出てしまった。津波に飲み込まれるシーン、建屋が爆発するシーンの悪夢が蘇ったり、命を懸けてでも暴走する原発を止めようとする人たちの心意気、実はよく知らない事実を知ったとき、本当に体が震えた。 原発を止めた人たちに重点的にスポットを当てて彼らが名も無き英雄として福島のみならず数千万単位の人々を救ってた物語を事実に基づいて作られたので無駄が少なく淡々と進むけど生死の狭間にいる現場の雰囲気に観てる側も呑まれ直球で心を打った。反面に総理がここまでク〇な表現しなくてもとは思った(十二分にク〇だけど) あの時は自分たちも死ぬんだなと思ったが、生きていられたのは50人の勇気ある人々のおかげたったこと、あまり伝えられない事実を本、映画で伝えた原作者、吉田所長の本当の姿を演じてくれた渡辺謙さんに感謝。本当に感謝しかない 【ラスウェル】さん [映画館(邦画)] 9点(2020-03-08 23:15:30) (良:1票) |