89.“怪人”や“悪魔”という存在もロックの前では物凄くクールな題材になるんだよなぁ。なんていうか、邪悪さゆえのカリスマ性というか。現に怪人と化したウィンスローが怪人になる前よりも遥かにカッコ良くなってるし、仮面は確かに少しダサいような気がするけどその下からのぞかせている深紅の唇や銀歯、そしてエフェクトの掛った声がたまらなく良い。ロック版のファウストってのも一度聞いてみたいし、全編通して流れる楽曲もまたクール。一つの被写体を二方向から写し、画面を二分割して見せるデ・パルマ監督の手法も健在。カルト色の強い映画ではあると思うけど、だからと言ってカルトがつまらないという訳でもないし、やっぱり、評判云々よりも自分の目で確かめる事が大切なんだよな。 |
【マー君】さん [DVD(字幕)] 2点(2016-01-16 13:16:03) (笑:1票) |
87.《ネタバレ》 よくぞまあ「オペラ座の怪人」という大作のオペラを基に、90分という非常に短い時間内でストーリーを描ききったと思います。それに更に「ファウスト」と「ドリアン・グレイの肖像」まで取り入れているのには驚きの一言です。この映画では語り草でしょうが、終盤のスプリットスクリーンの嵐はデ・パルマらしい演出で圧倒されます。やや不満点を申しますと、オリジナルにあるクリスティーヌ(フェニックス)とファントムの歪曲した恋愛要素が殆ど無くなってしまっている事でしたが、これはあのすさまじい速さの展開を考えるとカットせざるを得なかったのかも知れません。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-24 22:53:43) (良:1票) |
86.《ネタバレ》 「何の取り柄もなく人にも好かれないなら/死んじまえ/悪い事は言わない/生きたところで負け犬/死ねば音楽ぐらいは残る」最後の最後で歌われるこの歌詞の、何という身も蓋もなさ!そして何という負け犬根性!けれどこの負け犬の滑稽とかなしみこそが、デ・パルマ節なのだ。出ばなから一見して挙動不審で変人丸出しの主人公ウィンスロー。けれど彼は、だからこそデ・パルマ映画の主人公たりえるとも言える。焼き払いたいほどに憎悪する屈辱のレコードの型を、よりによって自らの顔にプレスしてしまう彼の姿は、豚の血をあびる『キャリー』や『BLOW OUT』において愛するサリーを救い損ねるジャックのように本作以降もデ・パルマが繰り返し変奏していく一つの主題、つまりは非力な負け犬にまさに烙印として下される逃れられない絶望、その原型でもある。仮面とマントと人工声帯をもって暗がりにのみかろうじて存在しえるこの怪人は、自分の歌も声も顔も人生もそして存在すらも奪った男スワンと愛する女フェニックスとの閨房を、ただ天窓の外から悲しく覗き見るしかできない。雨に打たれ慟哭するその無防備な背中を監視カメラに曝して。ラスト、それでもただまっすぐに愛するフェニックスへと差し出される彼の手。狂喜乱舞する観客たちの歓声は遠のき、美しい旋律に変わり、流麗なスローモーションでカメラが捉えるのは、ステージをみじめに這いずり回りそれでもまっすぐにフェニックスへと最期まで手をのばし続けるウィンスローの姿だ。それは哀れな負け犬の無様なセンチメンタルかもしれない。目を覆うほどに醜くみっともない男の滑稽な死に様かもしれない。フェニックスの声は彼の耳にはついに届かなかったかもしれない。それでも、そう、それでも。フェニックスはようやく言うのだ。その亡骸を抱きしめて。存在を奪われ、この世から消されてしまったはずの彼の名を。ウィンスロー、と。 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-02-23 02:01:01) (良:1票) |
85.《ネタバレ》 オペラ座の怪人のロック版リメイク(?)。 原作を70年代に置き換えているのですが、その置き換え方がセンスありまくりなのです。 ほぼ原形をとどめていません。 主人公が可哀そうすぎます。 スワンは酷いことしてるのに憎めないほど素敵です。 ジェシカハーパーは美人です。 音楽と歌は最高に良いのですが、一部の曲では 視覚的に怪奇映画がモチーフになっているのが面白かったです。 怪奇とロックの融合はカッコいいです。 怪異なエンターテイメントが人々を魅了する様に僕は魅了されました。 エンターテイメントと死が結びついているところも面白いです。 起こっていることを二つの視点で見せる技法も面白かったと思います。 ロッキーホラーショーと関連してあげられていると思いますが、 制作者は違うんですね。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-11-12 00:25:24) (良:1票) |
84.とにかくセンスがいいし、かっこいいし、笑えるし、感動するし、曲もいいしでおもちゃ箱みたいな映画でした。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-04-27 13:33:07) (良:1票) |
83.《ネタバレ》 私の最も好きな作品。今見るとさすがに古臭いですが、全編に散りばめられている怪しくサイケな世界感は一度見るとクセになります。一つ一つを見ればものすごくクセがあるんだけど、それがまとまると妙な魅力を持った作品になった、という感じでしょうか。「才能はあるが華がないミュージャン」「売れるためならすぐプロデューサーと寝る女性歌手」「地位と若さのためなら悪魔に魂を売るプロデューサー」「雑音を芸術と言い張る自称天才ミュージシャン」「仕事をもらえるならプライドを捨てるバンド」「力のあるものに尻尾を振ることでおこぼれを貰っている男」そして「世論に流され何も考えていない一般大衆」。この全てをデ・パルマは掌でいいように弄んで嘲笑っているようにも思えます。ただ、私がここまで深読みしていた事すら「考えすぎ」と言われてしまいそうですが。 【なな9】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-19 21:37:08) (良:1票) |
82.すごいパワー!「ファウスト」と「オペラ座の怪人」を題材にして、ここまでの作品を作るとは!茶化しているんか真剣なのか、紙一重なところがまた良し。結局誰も幸せになれない破滅的なストーリーながら、なぜか後味も悪くない、デ・パルマの中でも最高の映画なのでは? 【ぼぎー】さん 9点(2004-10-03 01:53:06) (良:1票) |
81.登場人物の描写がディテールに凝っていて楽しい。ってそれだけで10点つけるんかいなと言われそうですがディテール命なもんで。ただ欲を言えば怪人になる前の主人公ももうちょっと細かく描いて欲しかった。ところでスワンさんに聞きたい。あんなゲテモノオカマショーみたいなのがあなたの長年の夢だったのですか・・・?音楽が素晴らしいです。サントラ買いました・・・。 【Robbie】さん 10点(2004-05-08 21:55:07) (笑:1票) |
80.ロック・ミュージックが嫌いな人を好きにしてしまう映画です。「オペラ座の怪人」のパロディーですが、オリジナルにはオペラ嫌いの人をオペラ・ファンにしてしまうだけの魅力なんかあったかな・・・?わたしはもともとのオペラ・ファンだからわかりませんが、オリジナルの「オペラ座の怪人」を見てオペラ劇場にはこんな気味の悪い怪人が住んでいるとわかり、以来オペラはビデオでしか見ないようになりました、というのは冗談です。怪人がどうして不気味な容貌になったのかというストーリーも納得いくし、ゲーテの「ファウスト」のロック・オペラ化のアイデアもグッド(実際にやれば見にいきます)。ただし怪人の気持ちの悪い顔を最後のほうで大写しにするので2点減点しました。(キツイでしょう)。私はスワンはクソババアだと思いこんでいたので最後のほうで彼女(彼)が上半身を見せてびっくり、ブロードウェーでロングランを続ける「オペラ座の怪人」の映画版よりもこのサイトでレビュー数が多いので二度びっくりしました。 【かわまり】さん 6点(2004-02-27 13:34:41) (良:1票) |
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79.コメントは高評価をつけてる皆さんと同じ。私が墓まで持っていく映画。 【モンキィボォン】さん 10点(2004-01-28 13:07:50) (良:1票) |
78.とりあえず『ものスゴイ』映画である。どこから見てもB級映画なんだけど、人を惹きつけはやまない不思議な魅力を持った作品だと思う。デ・パルマの演出、脚本、カメラワークもこの映画の良さの一部だけど、ポール・ウィリアムスの音楽、怪演も見事に合わさって最高の娯楽映画であろう。出てくるのは癖が強い人ばかりだし(特にビーフ!!)、ストーリーなども決して秀逸とは言えないけど、面白い!!欧米ロックが好きな人にはとりあえずオススメ!!『シカゴ』が好きな人も楽しめると思います。こりゃ、デ・パルマの最高傑作でしょ!!もうミュージカルは作らないのかなぁ・・・・・サイレント映画の『オペラ座の怪人』も見ましたが活弁がないせいかあんまり面白くなかったです。でもこの映画はサイコーでした!!! |
77.これほど強烈な個性の映画が存在するのは凄いし、音楽も迫力があって10点連発なのは納得なのですが、私はこの映画の不気味さには嫌悪感を覚えてしまいました。ピエロに対する恐怖のような、底からわきあがってくる居心地の悪い怖さです。 つまらないとか意味がわからないというのではなく、わかるけどセンスが合わなくて受け入れられないという、私にとっては珍しい映画。 これがラブストーリーだと思うと恐ろしい。しかもあの無声映画の「オペラ座の怪人」を元にしたものなんですよね?ちょっと複雑・・・。 【るいるい】さん 2点(2003-11-10 18:18:09) (良:1票) |
76.《ネタバレ》 ある意味一目ぼれした作品。冷静に考えれば、ウィンスローがフェニックスにあったのはほんの数分で、ほとんどストーカーにつきまとわれた歌手が最後に根負けした話にも見えるが、まぁ一目ぼれだからしょうがない。 オープニングのいんちきくさいバンドのステージから、ラストのファントムの作曲シーンのエンドロールまで、とにかくすべてが素晴らしい。文句なくデパルマの最高傑作。なぜ素晴らしいかは、口では説明出来ない。とにかく大勢の人に見てもらいたい作品です。 【ぽちょむきん】さん 10点(2003-09-11 22:53:09) (良:1票) |
75.ポール・ウィリアムズ演ずる悪魔に魂を売った作曲家兼プロデューサー・スワンが最高です。実際本作の全ての楽曲はこの人が作っているし歌っている(ジェシカ・ハーパーのところはハーパー本人が歌っている)。ジョディ・フォスターが地下酒場の歌姫を演じていた子供だけのミュージカル・ギャング映画「ダウンタウン物語(原題:バクジー・マローン)」の全ての楽曲を書いている人でもあります。マイ・フェバリット・ムービーの一本です。全体を漂ういかがわしさが堪りません。 【ぶくぶく】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-05-10 12:27:42) (良:1票) |
74.何度見ても飽きない!音楽の素晴らしさ、絢爛さに、出演者達の魅力!小柄でちょっと幼児体型?のジェシカ ハーパーが何とも可愛らしくて・・(私オンナですが)。好みが別れる映画なんだろうなあ、とは思うけど、私には本当に楽しい映画です。 【ゆきむし】さん 10点(2003-05-03 21:52:03) (良:1票) |
73.この映画のラストシーンは何度見ても胸がしめつけられる。恐ろしい愛の物語。途中の劇中劇も続きを見たい!私にはThe very best。しかし好みでない人には「変な映画」です。 【Undead】さん 10点(2003-02-18 01:34:19) (良:1票) |
【ボブ・マーラー】さん 10点(2003-02-03 02:36:33) (良:1票) |
71.当時ならともかく、今の刺激に溢れたものを見慣れた目からすればいたって凡庸な内容で、時代を超越して訴えて来るパワーも感じませんでした 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-03-16 20:07:34) |
70.《ネタバレ》 当作は盗作から倒錯へ。 圧倒的な創造力、プロデュース力に打ちのめされる。 気持ち悪い映像多出で二度と見ることはないだろうが、人には勧めがいのある名作です。 あと、女体まつりは、好き。 【ほとはら】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2022-08-12 09:59:04) |