2.本物の《異常》が今、放たれる。
のキャッチコピーに偽りなし、この映画に出てくる殺人鬼はとにかく異常だった。ていうか殺人でまず捕まってるのにたった10年で放っちゃ駄目でしょう…。
釈放されたその瞬間にもう人を殺す事を考えて高揚感に満ち溢れている時点でもうヤバい。
殺人鬼のひたすら病的なまでの心理描写を克明に綴りながら、その凶行を延々とリアリズムたっぷりなカメラワークで映し出す。
あまりにも殺人鬼に寄り添ったその描き方により、観客はどっぷりとその“異常さ“を目の当たりにする事になり、片時も気の緩む隙を与えてくれない。
犯行の手際が悪すぎたり、被害者があまり叫ばないで無言であったり(本当に怖いと声も出ないよね)、そういう所が凄いリアルで良かった。
あと、殺人鬼がただソーセージを食べるだけでここまで気持ち悪く撮れるセンスが凄い。
それ故に観終わって、ちょっと気持ち悪くなってしまうほどだった。
とにかく凄いインパクトのある映画だった。
また、映画館のロビーにこの映画に出てくる小道具(ナイフや、入れ歯や、手袋等)が展示してあって、「これは実際に映画で使用された物です(嘘)」という貼り紙がしてあって面白かった。あと、スタッフが手作りで作ったと思われるお面や風呂などがあった。凄い気合いの入れようで素晴らしいなと思った。あと犬のぬいぐるみが置いてあって“犬は無事です!“の貼り紙。いやぁ犬も良い演技だったよね。犬が可愛いのが唯一の癒し。