3.名優レッドフォードが本作をもって俳優を引退すると発表した作品。
その作品で演じたのは、実在した老銀行強盗。80年代初頭のお話。
銃は持っているが一度も撃ったことが無く、刃物を振り回したり脅したりすることも一切なく、
物腰柔らかく紳士的。スーツ姿でスマートに犯行を実行していく。
そんなレッドフォードの老銀行強盗の姿を見ていると、
彼が若かりし頃、「スティング」で演じたジョニー・フッカーを思い出した。
「スティング」から40年か50年後、年老いたジョニー・フッカーの今を見ているような感じでもあった。
ユーモアと品がある、ささやかに挿入されるシシー・スペイセクとのロマンスも良かった。
80過ぎという年齢を考えるとやっぱりカッコいいな。そういうことで十分の作品です。
銀行強盗モノの緊張感とは無縁、大人のおとぎ話的な作風も本作にとっては良かった。
本作をもって俳優を引退することを表明し、レッドフォードがスクリーンから去っていくことになる。
扉の向こうに消え行く後ろ姿のラストが印象的。感謝を込めて本作の邦題風に、さらば愛しきレッドフォード。