1.《ネタバレ》 実際にはサメ映画ではなくて、言うならば奇人系のコメディですね。かつ、劇映画と言うよりは紙芝居の方に近くて、映像に合わせて抑揚の無い一人称の語り(朗読)がひたすら絶え間無く続いてゆくという相当にシュールな構造でもあります。主人公はサメを崇拝し、そして「サメに喰われて死ぬ」為にニューヨーク近郊各所のビーチを巡ってゆく…という徹頭徹尾「???」な物語でもあり、また彼女自身とてもはや自己愛性パーソナリティ障害に近いと言って好い様な強烈な自惚れ&自己中心的性向を如何無く発揮し続ける怪人物で、ある面ではも~サイコパスな…と言って好い行動までを執ってゆくという有様でもあるのですよね(オチもごく唐突なソッチ系?でして)。
しかし一方で意外にも、純粋にコメディとして笑えるか笑えないかで言えばソコは「笑える箇所も少なからず在った」とゆーのが正直なトコロなのですね。ただ他方、笑えるワケではないという箇所にも何か別の面白みが在ったかと言うとコレは決してそーでもないかな…てのがまた然りなのですよ。つまり、語り込まれるソレが文学的に何らかクオリティを帯びているというワケでもないし、その中に垣間見える種々の独善的な「理論」とゆーのにも決して何らか説得力が備わっているというワケでもない=単なる「キ○ガイの繰り言」でしかない、という状況こそが結局の落着的なトコロではあるのですよね。加えてまた決して尺が(シュール系としては不適切な迄に)短くはないコトも含め、やはり手放しで高評価!とは全くいかない作品ではあるのですが、珍品をお探しの方にならもしかしてハマるカモ…と。そーいう自覚の有る方でしたら、まずはお試し頂ければ。