2.《ネタバレ》 長い。無理して全部見たが脱力して眠くなった。
アゼルバイジャンの映画ということ自体が最大の特徴であるにもかかわらず、首都バクーのユニークな曲線ビルとか世界遺産とかが見えるわけでもなくご当地感は出ていない。邦題も無味乾燥なため異国情緒で人目を引く売り方になっていないが、ちなみにゾンビ・オア・ザ・デッドだと両方同じになる。
撮影は一応同国内でしたようで、言語は英語・トルコ語・アゼルバイジャン語とされている(IMDbによる)が、吹替版を見たので誰が英語だったかわからない。映像は現代風だが物語的にはかなり退屈であり、構成要素としては虐殺~脱出の努力~ゾンビという感じだが、原題のアポリアが行き詰まりというような意味とすれば脱出が主体でゾンビは賑やかしの添え物か。
以下、作文が面倒くさいので箇条書き。
・劇中の武装組織は正体不明、実験していたゾンビ菌もどこから仕入れたのか不明だが、今はこういう勢力も生物化学兵器に手を出しつつあるという国際情勢の反映か。あるいは背後にまた別勢力がいるのか。
・溝はどう見ても人工のものだが(壁に角がついている)、これと武装組織の関係がないようで存在の必然性が感じられない。虐殺した死体を埋める目的で掘っておいたとかいうなら説明はつくが。
・主人公が苦悩する場面は取ってつけた感がある。またラストの意外な展開として設定されたらしいものに全く意外感がない。ストーリー上で何かの仕掛けがあったようにも感じられないままストレートに終わる。
・主人公のオッパイが目立つ。映画としての必要性は別として劇中の状況では目立ちすぎだ。
・「奴らはおまえの妻を犯し、お前の血を飲むだろう」という台詞があったが妻の血は飲まないのか。男は殺されるもの、女は強姦されるものという固定観念というか社会通念でもあるのか(いわばジェンダーロールとして)。
・アゼルバイジャンは2020年に隣国と戦争したばかりで、その大義がどうかは別として物騒な国という印象がある。この映画はそれより前だが、見るとやはり物騒な印象でマイナスイメージしかない。この地域の平和を祈念して点数を+1にしておく。