1.《ネタバレ》 青春における「成長」て、結局第一には「広がってゆくコト」かなと思ってまして、またその原動力ってある面ではシンプルに種々の「好奇心」であって、んでその意味では「性的な」ソレって大概の人にゃあ全く無いってコトはほぼ無いから、結論的にはこのジャンルが掲げるべくテーマとして非常に普遍的+共感も容易な方のヤツではねーかと(ナンならいちばんポピュラーかと)。ただ、そーいう作品て今までも幾らでも在る一方で、そーいうのってまた下ネタコメディの側面が「出しゃばってる」モノが多くて、しかしながら今作は典型的なソレである一方、同時に矢鱈と「マジメ」な映画だったな…という感覚が強力にあるのですね。中身自体は思った以上に結構エロかった(特に中盤)のです、が肝心な部分はソレでもかなり真剣+シリアスなドラマでして、そしてまたそのドラマの部分に関してゆーと一点、本作の主人公は最初そのエロ方面について(すらも)「好奇心」てのがほぼ無い=メッチャクチャにボ~っと生きてる…という点でも、昨今の「草食系○○」なんかが蔓延る日本の状況と比べてもソレってモンゴルでも同じなんだなあ…な~んて思ったりもして、ですね。
重ねて、比較的マジメ…と言っても根本的には好くある「ちょいエロ青春もの」で、その主人公の成長の度合にせよ&実際の展開運びにせよシンプル・オーソドックスな方のヤツだと思います。しかしまず一点、そのマジメなドラマを語るのにまあまあ成功してるワリに(重ね重ね)エロの方がまずまず高度なのですね。で何より、その肝心な主役のコが(オーディションで発掘した新人さんらしーのですが)冒頭は芋っ子全開で出て来るのに⇒翻って中盤以降は垢抜けて・髪型変わってナンならモンゴルの堀北真希…てなレベルに超絶可愛い!というコトなのですよ。正直、珍品好みの映画マニア…てな御仁だったなら、絶対に観た方が好い!と言いたくなるヤツです。是非是非。
最後に加えておくなら、そもそもがかなり珍しいモンゴル映画でもあって、かつ現代のそのモンゴル社会の端的な雰囲気をも確実に感じ取れるという点でもユニーク(かつマジメ)な一見の価値がチャンと在ったのではねーかな、と(⇒多分に東アジア的な空気感・質感も感じられるケド、歴史的経緯からもやはりまた東欧の旧共産圏諸国っぽい寒々しさなんかも大いに感じられたかな、と)。個人的に、類似作として最初に思い起こされた『15歳 アルマの恋愛妄想』よりは、あらゆる点でコッチの方が二段階以上に好みだ…と言いたいのです。モンゴル侮るべからず、ですかね。