1.《ネタバレ》 久々の時代劇鑑賞。
原作は古典落語との事。
前半の穏やかな展開が、藤沢周平の懐かしい人情時代劇の様な心地良さ。
それが突然の来訪者が現れる後半から一転、緊張感ある復讐劇に様変わりする。
善悪だけでは語れないそれぞれの事情、いざ刀を抜いた後の武士の覚悟と非情。
主役の草彅剛さん、その娘役の清原果耶さんが演じた武家の誇り高さ。
國村隼さんの商家の懐の深さ、市村正親さんの侠客の貫禄、敵役斎藤工さんの儚さ…
画面の美しさ、空気感、余韻…
自分は碁を嗜まないが、その品格が指先、表情だけでも伝わってくる巧みな演出。
心に沁みる時代劇であった。