229.《ネタバレ》 急停止した車の中でアロンゾがいきなり銃をジェイクの頭に突き付けて言い放った言葉、「組織に潜入中、ヤクを断ってみろ、一発でサツだとバレてあの世行きだ。」この台詞にはぐっ、ときた。仕方がなくても認めざるを得ない、必要悪を肯定する言葉。でもこの映画のアロンゾは必要悪にすら描かれていない。自分の都合で必要悪を使い分けている、正に悪徳刑事。デンゼル・ワシントンの圧倒的な説得力でジェイク同様に観客も彼の言う羊を守る為に狼にならなきゃ駄目だ、と言う台詞、汚い現実を見せた事を謝る姿に本当にジェイクの将来を考えているんだ、と思わせた。でもその前に既にスマイリーに、「バスタブを磨いておけよ。」と笑いながら電話していたアロンゾの姿を見ると、彼のこれが普通、俺の邪魔をするヤツを消して何が悪い?というアロンゾの本質がデンゼル・ワシントンの演技で見事に表現されていて、故にイーサン・ホーク扮するジェイクは 非常にピュアに描かれていて、彼の「幻滅した、古巣に戻るよ。」と言うあの繊細かつ力強い演技は痛い程胸に伝わった。映像も美しく、日が昇るOPから、長い一日を感じさせた演出も見事。アロンゾの壮絶な死に様、皮肉を効かせたラストも良。自分の中では完璧な作品だ。 【miki】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-03-21 11:24:46) (良:3票) |
228.《ネタバレ》 悪そうな奴が最後まで本当にただの悪いやつっていうのはどうなんでしょう。 『デンゼル・ワシントン=正義』という俳優のイメージを利用して、逆に本物の悪党としたのでしょうか。 映画そのものは、長尺の割りに中身が薄く、後半は面白かったけれど前半が退屈で仕方なかった。 レイプされそうになった女の子を助けたエピソードが、大ピンチの場面で活きてくる展開なんかはありきたりですが悪くありません。 でもやっぱりね。善行が結局のところ身を助けるんですよ、ってな道徳的な話は面白いけれど、映画としてはイマイチです。 ロジャー(麻薬の売人兼情報屋)を殺して金品を強奪した件についても、アロンゾ以外のチームのメンバーは結局そのまま放置。なんともすっきりしませんね。 『善人と悪人と極悪人がいた場合、悪人は果たしてどちらの味方をするのか。』 という問いかけに対し、それはやはり善人で、極悪人は好き勝手やっても最後はロシア人から蜂の巣にされるということが、よくわかりました。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-03-03 04:27:07) (良:1票) |
227.こいつ (アロンゾ) とレオンのスタンスフィールドを組ませろ! 最強悪徳コンビで裏社会からアメリカを制圧できるぞ (笑) 【タケノコ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-12-05 00:08:51) (笑:1票) |
226.デンゼルワシントン悪い人だったねえ。好演だ。ぼくはジェイクタイプなんでドキドキしながら観てた。ジェイクが流される奴なのかを注意深く観察、いろいろ試しながら人間性を測って、冷徹に切り捨てるアロンゾ、とても興味深かった。実はデンゼルだからほんとはいい人になるのかななんて最初観てたら、どんどん悪くなっていった。知り合いの麻薬の売人殺したとこでほんとに悪い人なんだとやっと気付く私。無駄なエピソードも放り込まれることなく流れるようにかつ緊迫感も保ちながら演出。再見したいと思うような作品ではないけど、高評価与えてもよいと思いました。 【タッチッチ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-28 18:46:18) (良:1票) |
225.《ネタバレ》 ジリジリと長い一日が過ぎる。誰にでも経験があるのだと思う。 こうなんだからしょうがないだろ、とどうしても腑に落ちない説明を受け、真似させられる。それがいつしか、真似じゃなくなる。 それが不正であったり、不法行為であったとしても、明らかに犯罪ではないだろうかという行為でも人はそこから抜けられないかもしれないと思えばだんだんと染まっていく。最初は屈従だったものが、ただの言い訳になって最後にはしょうがないだろうと同情までさせようとしてしまう。ただし、それが人間かというとそうではない。そういう人間もいる、と言う話だ。多くの人はこのような引き返すことが出来ない生き方を選んでしまうが、同時に多くの人はそんなはずないだろうと牙をむいて不軌をさらけ出す。 アロンゾとジェイクはその狭間を見て、お互いが決して選ばなかった方に歩を向けた人間だ。アロンゾは自分の言いなりになる追従者に支配者然とした圧力を当然のように掛けたが、ジェイクはそう考えていなかった。自分の人生とまるで交わらない人間であるという気持ちを確かなものにした。 マフィアを絡めた物語になっているが、根底に流れる人間の心理は誰の日常にも漂い得るものだ。恐ろしいのは、アロンゾのように抜けられないと思い込んで抜けられなくなるまで染まった人間は、自分の行為に酔っていることだ。端から見たら馬鹿じゃないのかと黙殺されるような事柄に恐怖感や閉塞感で他人を引きずり込もうとする。そうなる分かれ道に理由なんかない。人間の強さがあるかないかだ。 そういうわけでかなり骨太な映画だと思う。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-04-15 03:58:42) (良:1票) |
224.《ネタバレ》 正義の味方ではない。かといって悪人と切り捨てるのも憚られる。そんなミステリアスな悪徳麻薬捜査官という役柄に、デンゼル・ワシントンの役者としてのパーソナリティがはまります。彼が持つ善人イメージ(先入観)が、大いに観客を惑わせます。アロンゾは一体何者か?新人捜査官ジェイクと観客が抱く共通の疑問が、そのまま作品の魅力に繋がっています。何といても、デンゼルの目力!引込まれます。そして語りに説得力がある。後ろめたさがゼロだから。違法捜査も横領も、全てが彼の真実。それが詭弁だとしても、経験者の言葉には重みがあります。アメとムチを使い分ける人心掌握術も手馴れたもの。免疫の無い若者ならば、アロンゾの思想に被れても可笑しくありません。事実、ジェイクはかなりの部分“取り込まれた”。だた「人殺し」という倫理観のハードルは、予想以上に高かったということ。純な警官の正義心を見誤ったのはベテランの誤算。かつて自身も持っていたはずなのに。ジェイクが絶体絶命の危機を脱出する件がいい。たまたま助けた女の子がマフィアの従兄妹だったなんてご都合主義もいいところ。でも因果応報ならば許せるというもの。まさに『情けは人の為ならず』です。ラストのアロンゾVSジェイクでも因果のルールが採用されています。今までの悪事のツケが勝敗を分けた。ここでアロンゾの戦いぶりに注目。彼は何故ジェイクを殺さなかったのか。良心の欠片が邪魔をしたのか。あるいは百戦錬磨が故の慢心でしょうか。いずれにしても極悪人でない証。弱い人間の証です。だから哀れだと思います。一方、ジェイクの方にも心の変化が覗えます。もし彼が12時間前の彼だったら、迷わずアロンゾを確保し司法の手に委ねたはず。しかし彼はあえてアロンゾを見殺しにした。その意味は大きい。長いトレーニングデイを終えた一人の新人麻薬捜査官。再び目覚めた彼はどんな人間に生まれ変わっているのでしょうか。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-14 21:33:31) (良:1票) |
223.《ネタバレ》 この作品の一番の持ち味はやっぱりリアリティですよね。アロンゾはとんでもない悪徳警官で、後半からジェイクは彼に闘いを挑む事になるわけだけど、もしこの作品にリアリティが欠けてたら、ただの安っぽい勧善懲悪ハリウッド映画で終わっちゃってると思うのよね。だけど撮影場所も実際のロスのもの凄く治安の悪い区域で、それもギャングも本物出して撮影してる。そしてまたデンゼル・ワシントン扮するアロンゾもキャラとして嘘くさくなく、ジェイクを説得しようとするその屁理屈も、いちいち不思議な説得力があって思わず納得しちゃいそうになる。そういうリアリズムを持つ背景としてあるのは、デンゼルの俳優としての力量も勿論あるわけだけど、そういう真っ当なキャラを作るために、きちんと一人の刑事の成り立ちを考えてキャラ作りしているからに他ならない。つまりは、アロンゾ自身は、元々はジェイクと同じように、正義感溢れる真っ当な刑事だった。だけど潜入捜査をやっているうちに、自身も段々と悪に踏み込むようになってきて、そしてついには逃れられず、それが常態化してしまった。こういうプロセスは現実に、大いにあり得ることじゃないかと思うのよね。それで法を盾にして、いつしか自分が王様みたいな気持ちになってしまう。そういう人間の内面のリアルな様を、有能な俳優がリアルに演じ、リアルな場所で演じているからこそ、例えば親友殺し&金銭ネコババのあまりに理不尽な展開や、ジェイクがゴロツキに殺されそうになる時、いとこの財布を持っていたから助かるというご都合主義展開も、そういう「映画的嘘」を「映画的リアリズム」が凌駕してるから、この作品は緊迫感を持った一級のサスペンス映画として成り立ってるんだと思う。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2008-12-28 23:21:33) (良:1票) |
【くまさん】さん [地上波(吹替)] 6点(2006-12-29 04:33:07) (良:1票) |
221.目的を達成する手段としてはアロンゾのやり方も最良のうちの一つです。戦争が正にそうですが、殺し合いも大儀さえあれば正当化されてしまうものです。観客に悪とは、正義とは何かを答を出さずに問いかける映画として、なかなかの出来だと思いますが最後はやりすぎでは。観客に嫌悪感を感じさせると自ずと一方的に偏った視点に流れるでしょう。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-08-06 04:33:45) (笑:1票) |
220.《ネタバレ》 いつの間にやら「いけないこと」と「いけなくないこと」がぐちゃぐちゃになってしまった男デンゼル。もちろんこの場合のモノサシはキリスト教の神様の言ってることでありますね。「どうだ、君もモノサシに自信がなくなってきただろう」と彼はいっている。他のレビュワーさんのいう、「狼を狩るために狼になった」、秀逸な表現ですね。「ピカレスクロマン」では全然ない、というのは、この、イーサン演じる刑事の「モノサシを試す」話であるからです。女を囲って子供を生ませている、ここのところがもはや「女性の観客の同情をいっさい排除する」意思を感じます。つまり彼の「モノサシ」は完全に壊れていたというわけだ。その「婚外子」さえ彼にとってどれほどの価値を持つのか、それもデンゼルの行動で問われていますよね。デンゼルは「芸歴」としてこの役の魅力に抗し切れなかったのでありましょうが、「ジョンQ」などで「挽回」に努めて帳尻を合わせるつもりだったのでしょう。なんの「挽回」って「失われた黒人社会の父性」の。 「私の」トムベレンジャーがこんなチョイ役でご出演、本来ならこの主役でも間違いないのに、涙。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-01-08 14:31:18) (良:1票) |
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219.勤務初日に目の当たりにするアロンゾの奇行に、これがただの悪なのか、歪んだ正義なのか迷いながら行動するジェイク。デンゼル・ワシントンが今まで溜めた善人のイメージが、この迷いをより一層悩ませるのに役立っていると感じました。 【デコバン】さん [DVD(吹替)] 7点(2005-11-02 14:48:52) (良:1票) |
218.非常に陰鬱な気分に突き落とされる作品だ。 あのD・ワシントンが珍しく悪役を演じている。 それも並みの悪役ではない、嫌気が差す程の悪役っぷりには感心させられる。 物語は麻薬取締課に新人配属されたI・ホークが ベテラン刑事D・ワシントンに現場捜査のいろはを教えて貰う1日の話。 「毒を以って毒を制す」というありきたりな捜査方法に始めの内は オーソドックスな刑事ドラマなのかと思いきや、 話が進むにつれ度を越した捜査に気付き始め 次第に演じるD・ワシントンの顔が本当の悪党に見えてきた。 どこの国の警察もこんなものなのかという虚構を見せ付けられ 心の中で否定している自分(I・ホーク)がそこにいた。 この作品はアメリカという国の中の重篤な病気(貧富の偏在に対する政府の無策)は もはや手の付けられない状況にまで落ち込んでいる事実を目にする事が出来るだろう。 【sting★IGGY】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-08-29 11:19:40) (良:1票) |
217.あの悪徳黒人麻薬捜査官役の人って本当にデンゼルワシントン だったんか?????いつものキャラと180度どころか 540度くらい違ってたし、髭生やしてたし、肌の黒色が心なしか いつもより濃いめだったんで 見終わった今でも 本当に彼なのか 疑ってるくらいです。。 内容的には、暗いねえ、暗いっていうか 薄汚れすぎてる。。 警察内部の中には あんな風に甘い汁吸って堂々とまかり通ってる 奴も実際にいるんだろうね。。この作品は ネット上の男の人に 薦められて見たんだけど、 こんな腐ったキャラを 格好良いと 言って喜んで見る人の気が知れないよ全くww とことん感性が 違うんだろうなと思ったw まぁ、最後の最後、この悪徳警官( デンゼル・ワシントン)がボコボコにされて負け犬のように吠え 挙句の果ては殺し屋連中に蜂の巣にされるのを見て正直スッとしました。 ざまあ見ろって感じですww 主役のイーサンホーク(熱血漢で誤ったことを嫌う真っ直ぐな警官)は 結構 好感もてましたよ^^ それだけが救いですw 【アキト】さん 5点(2004-08-30 05:37:01) |
216.絶対的な正義とは何なのか、という問いかけ? 臨場感はすごいけれど、デンゼルがやっぱり無理してる感じが最後までぬぐえなかった。 例によって本作は息子の超・オススメ作。9点くらいかな。 でも、これについては私は息子に同調する気にはなれない。 【おばちゃん】さん 6点(2004-06-26 22:20:33) (良:1票) |
215.自分だったら躊躇なく即”チーム アロンゾ”に入ります。私は”セルピコ”なんかには一生なれない。どっちかと言わずとも長いものには巻かれろタイプなので誰にも絶対バレない足のつかない1億円をくれるとしたら100%貰う自信がある。受け取った瞬間にまずその使い道を計算し始める自信もある。そう私は善人になる自信は無いけど小悪党になる自信は大いにあります。それでもイーサン・ホークが演じた役柄はとても素晴らしく”自分の信念を貫き通し自分自身に自信を持つ”ということは人としてあるべき姿かもしれないとなんとなくは感じました。それと続編はまずありえないけどこのアロンゾがどのようにしてこの悪徳捜査官になり果てたのかというトレーニングデイ0的作品を観てみたい気もする。そしてその悪の道に誘った先輩役がモーガン・フリーマンだったらこれはもう笑うしかないほど観てみたい。 【tetsu78】さん 8点(2004-06-08 19:19:07) (笑:1票) |
214.《ネタバレ》 “スーパーできた人間”のデンゼル・ワシントンと“いつまでも未熟者”のイーサン・ホークが出ているので、若手成長日記で、原題は"days"だと思っていた。途中で見るのをやめなくて良かった。 DVDには別のラストシーンがあったが、イマイチ。イーサン・ホークが100万ドルもって、そのままラスベガスへハイウェイを走らせる映像(だんだんカメラが引いていく)で終わってほしかった。妻・赤子を捨てるイーサン・ホーク。 【つちのこ】さん 6点(2004-02-25 21:07:05) (良:1票) |
213.今作でアカデミー賞を獲得したデンゼル・ワシントンであるが、彼が演じたキャラクターの人間性がイマイチ釈然としなかった。心底悪党なのか、悪ぶってるだけなのかという微妙なスタイルが終盤まで続き、結局歯切れの悪い小悪党として終わってしまったことが、作品のテンション自体を大きく盛り下げてしまった。対するイーサン・ホークの演技は熱がこもってして良かったと思うが、そうも良い意味でも悪い意味でもデンゼル・ワシントンの存在に打ち消されてしまったように感じた。クライマックスまでの緊張感は高かっただけに、明らかに尻すぼみのラストは残念だ。 【鉄腕麗人】さん 5点(2004-01-17 04:19:27) (良:1票) |
212.ラストでがっかりしました。機関銃撃ちこまれてマフィア映画がごとく突っ立ったままそれも腕を持上げて伸ばしたままブルブル暴れるか??(笑っちゃいました)このラストの為に折角の気分が台無しになった(怒) 時間をあと15分伸ばしてデンゼルの悪徳警官への変貌ぶり、ラストは法廷とかマスメディアにデンゼルがやっつけられて欲しかった。 【BathBomb】さん 1点(2003-06-18 09:57:46) (良:1票) |
211.デンゼルおめっと。マルコムでもハリケーンでもダメで、街の悪徳警官ならOKってわけだね。かわいそうに。個人的には、「ラスト・ゲーム」のやさぐれオヤジぶりも悪くなくて好きだったよ。しかしこの「トレーニング・デイ」でオスカーとは、やっぱりひどいね。だってこの役、デルロイ・リンドがやってごらんよ・・・(笑) 【青人】さん 8点(2003-04-28 03:43:10) |
【TERU】さん [インターネット(字幕)] 5点(2024-08-10 20:31:16) |