2.またも香港ロケ、と聞くと、もしかして同年の作品『東京ギャング対香港ギャング』の余りフィルムで一本、でっち上げたのではないか、などと邪推をしてしまうのですが、おそらくそんなことは無くって、あのザラつきまくった映像は今回は見当たりません。
が、ロケならではの独特の雰囲気(どこかアヤしく、いかがわしさも感じさせる)、ってのは本作でもしっかり味わう事ができます。
特に今回は、香港から横浜、さらにはマカオ、という、ある意味フルコース。
主演の健さん、いかにもギャングです、という格好をした、一匹狼。まずは殺しを成功させるものの、思わぬ展開が待ち受ける。
基本、スマートでクールな役柄ではあるのですが、殴り合い取っ組み合いのシーンがなかなかに凄まじい。中国人の婆さんをシバキ上げる場面の容赦の無さ。丹波哲郎と殴り合う場面などもヒヤヒヤさせられます。終盤の乱闘の激しさもまた。
いや、この作品、カッコいいです。