143.《ネタバレ》 評判どおりの、よくできた映画だった。 サリエリは老けメイクが変だったが、回想場面ではキリッとした紳士面で「嫌らしさ」「人間くささ」を見事に演じ切り、爽快。モーツァルトは他の役者でも良かったように思うが、オペラを指揮している時は、可愛くて好きだ。コンスタンツェは美化しすぎ。 さて世の中は、「天才」と「天才ではないが天才を見抜く能力を持つ者」と「そのどちらでもない者」に分かれる。その割合はきっと、1:10:10000(変?)くらいなのだろうが、どこに入る人が一番苦しい人生を送るかというと、真ん中の人だ。 誰もが「サリエリ」かというと、全然そうではなくて、「サリエリ」になるのも大変なのである。「自分はサリエリだ」と思うのは、概ね勘違いだ。 私は、映画「アマデウス」において、サリエリ本人が思うほど、サリエリは劣っていなかったのではないか、と思っている(音楽的根拠はない)。 というのは、サリエリは、田舎者から成り上がって、皇帝のお気に入りの宮廷作曲家にまでなった男。よろしく立ち回るのが得意だったとはいえ、無能の人間にできることではない。 サリエリは、モーツァルトと出会ってその才能に打ちのめされ、「必要以上に己の才能を卑下」してしまったのだと思う。「自滅」である。あくまで映画の中のサリエリについての解釈だ。 「憎しみ」と「愛情」は近距離にあり、「愛情」の反対は「無関心」だ。サリエリは、モーツァルトを無視することすらできない。スパイを投入するほど、彼に関心があって仕方ない。これが「愛」でなくてなんであろう。滑稽である。そして悲しい。 「報酬には代償が必要である」とは、サリエリが経験から学んだ(と思っていた)玉条だったが、「代償」に対し「報酬」を期待するのは、相手が神様である場合に限っては、間違いなのである。 そしてサリエリの意地悪が無かったとしても、生きているうちにモーツァルトが認められることは無かったと思う。天才によくあるように、社会人としては行動が破綻しているからだ。モーツァルトが野たれ死ぬのは、自然の流れだった。でも、意地悪をしたサリエリには、「罪」の意識が残った。…本当は神様への一打にすらなってなく、すべてはサリエリの一人芝居、空回りであったようにも思う。 もうひとつ、人間性と、その人が作ったアートとの間には、関係がないことも、この映画は良く教える。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-04-21 14:42:17) (良:3票) |
142.長い作品だったけどそれを感じさせない作品。サリエリは音楽の才能を授かる・神から寵愛を受ける為に純潔を守り、情熱を傾け、心血を注いだ。そうやって禁欲的な生活をしている。苦しさの代償に「音楽の才能」と「社会的地位」を得たと思っているのだ。だが彼の前に、天真爛漫で下品で煩悩だらけ、しかし才能に満ち溢れたモーツァルトが現れる。彼は何にも苦労せずサリエリの欲しい物をいとも簡単に手にし、神の寵愛を受けている。これはサリエリにとって「神の裏切り」であった。正直、サリエリはモーツァルトよりも世渡り、社会常識、物腰の柔らかさ、計算するという事等優れている点が多い。ただ音楽の才能と、その才能を疑わないというある種の才能以外において、である。サリエリはモーツァルトと出会ってしまった事で、”自分の才能を傲慢な程に信じる”という芸術家にとってとても大事なポイントを永遠に失うことになる。サリエリの苦しみをみて、凡人の自分も苦しみを感じた。 一方、モーツァルトも彼にとっては望まない道を進んだ。彼はアホだ。子供のような人で、楽しいことが大好きだ。彼はただ楽しく作曲して暮らしたかったのだと思う。でも社会ではただ楽しくなんて無理な話で、嫁も子もいれば養わなければならない。周りとうまく折り合いをつけ、時には取り入らなければならない。そうしなければ価値のわかる人間へ彼の曲を披露する機会自体が得られないからだ。彼は落ちぶれても自分の才能だけは信じていた。ただ、彼の才能が「正当に評価」されない事にとても苦しんだ。とても苦しんでいたが、やはりこの点が決定的にサリエリと違う。 私が一番ぐっときたのはやはりサリエリが鎮魂歌作曲を手伝う所。モーツァルトを死に至らしめるのにふさわしいレクイエムを彼自身に作らせるという残酷な計画を練る程憎いのに、なぜ自分から手伝うなんて言ったのか?きっと彼はモーツァルト・神の音楽に携わりたかったのだ。彼の音楽に触れ、純粋にサリエリは幸せだったはず。嫁が帰るように言っても、「彼が手伝えと言っている」と帰ろうとしなかった。サリエリは二度と触れることができなくなって、何を思ったんだろうか。 もしモーツァルトをもう少し周りが救うことができれば、もっともっと素晴らしい曲を世に残すことができたのだろうか、と少し考えてしまった。 【まりんこ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-13 21:13:47) (良:2票) |
141.サリエリが真に憎んだのはモーツァルトではなく、モーツァルトに天賦の才を与えた神そのものだったんですね。本当にサリエリがモーツァルト自身を憎んでいたのなら、もっと早くにケリをつけられたはず。しかし、彼の音楽家としての本能がそれを許さなかった。そして最終的にはモーツァルトを陥れるために仕組んだはずのレクイエムを、気がつけば彼と共に作り上げようとしている。あの時のサリエリの一体どこに、モーツァルトへの憎悪など見受けられよう? サリエリは音楽家として至福の一夜を過ごしたに違いないのだ。そして迎えたあの結末…。悲しい、悲し過ぎる。神は何と残酷な仕打ちを二人に与えたのだ!? クライマックスに鳴り響くのは、レクイエムニ短調K.626「ラクリモサ」のあまりに哀しい旋律。改めてこの曲が鎮魂歌だということを強く思い知らされました。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-14 19:01:16) (良:2票) |
140.えーと、主演はトム・ハンクスか…、あれ、出てたっけ?ああ、トム・ハルスね。おっと、書き始めから、ずっこけてます。こけても、七転び八起きということで、はい、立ち上がりました。で、話は主演で止まってますね。ん~、こんなところでこけてると、書く気なくすな。よし、ここで体操でもして気分転換するか。せーの、1,2,1、2…。よーし、書くぞー。よし、音楽に絞って書こう。モーツァルトね、確かにいい作曲家ですね。皆さん、いい音楽だと評されていますね。そこで、音楽愛好家の私としましては、モーツァルトの音楽のどんな点が皆さんはいいと感じていらっしゃるのかが気になります。私が思うモーツァルトのいい点とは、①単純さと複雑さが同居している点、②明晰な楽想と奇抜な発想が混在している点、③常に正しい位置にいて、聞く者に常に正しい忠告をしてくれる点、という3点です。③は分かりづらい思うので説明しますと、私の経験談なのですが、怒っているときには「何でそんなことで怒っているの?」とモーツァルトの音楽は自分に問いかけて来てくれるんです。私は、ハッと我に帰り、「そうだ、なんてつまらないことで私は怒っていたんだ、はっはっ、馬鹿らしいや」、と冷静な目というか、とても客観的な目で自分を見直すことができました。ん~、素晴らしいですね、モーツァルトの音楽って。私思うに、モーツァルトの音楽とは、常に正しい忠告をしてくれる神の声(のようなもの)なのではないか、と勝手に解釈しています。以上、私の独断と偏見に基づく非常に勝手なモーツァルト観でした。さて、皆さんはどのように考えていらっしゃいますでしょうか? 【ooo-oooo-o】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-01-24 14:46:05) (笑:2票) |
139.天才にはどう足掻いても適わないと知ったサリエリの苦悩が痛ましい。彼自身も才能に溢れた音楽家だっただろうに。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-29 17:35:31) (良:1票) |
138.《ネタバレ》 「午前10時の~」で鑑賞。何かの本で著者が「アマデウスは間違いなく私にとって人生の№1映画」と書いているのを読んで、前回ビデオで(通常版を)観た自分に、この映画の良さが全く理解できなかったのは、『通常版だったのと映画館の大画面じゃなかったせいかも』と思い直し、重い腰をあげて朝早くからバスを乗り継いで、遠くのシネコンまで足を運んで鑑賞。その結果、やっぱり人生№1の看板を掲げた作家さんの気持ちはわからなかった。確かに世界観も音楽も素晴らしいし、時間が1時間も延びた分わかりやすく、展開も違和感なく(多少の中だるみはあったものの)夢のような3時間だった。あれほどの天才と同じ時代に生きた人々はどれだけ自分たちの幸福と愚挙を慮っただろうかと考えたが、いつの時代の天才も生前は評価されないのがデフォルトなのだ、あの愚民たちのためにモーツァルトは早世してしまった!と嘆きつつ、今ある天才に見向きもしない愚を現在進行形で犯しているであろう我々にそれを非難する資格はない。 でも、ある種醒めた視点にならざるを得なかったのは、レクイエムの作曲を依頼したのが本当は妻をなくした田舎伯爵の酔狂であってサリエリの憎悪ではなかったという説を信じているせいもあったかも。しかし、モーツァルトを食わず嫌いしていた自分の憑き物が落ちたようで、わざと遠くのバス停までの道のりをモツレクや魔笛、フィガロなんかをMP3の大音量で何度もリピートしながらひたすら歩いた。ってか明るいモーツァルトの曲が苦手なだけで、暗い曲は昔から好きだったのに「モーツァルトはちょっと苦手」というのを口癖にしていた。なんでだろ。カッコいいとでも思ってたのか自分。 【りんす】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-15 16:54:00) (笑:1票) |
137.面白いところもあったんだけど・・・・。 是非、通常版を見てみたいと思いました。 ニューシネマパラダイスでもそうだったけど、ディレクターズカット版は一種の改悪に近いものを感じます。 サリエリの苦悩や、複雑な心境の描写は素晴らしいものだったと思います。 しかし、あくまでこのディレクターズカット版を観た感想ですが、格別な面白さというものは感じませんでした。 モーツァルトを絶賛するならまだしも・・・・。 やはり無駄なシーンというものを多く感じましたし、物語の進行がのろますぎです。 どこがカットされたシーンかを大体予想できたぐらいです。 もしこのレビューを観ていて、まだ本作を未鑑賞の方がおりましたら、なんとしても通常版を観ることを勧めます。 【タックスマン4】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-14 15:07:53) (良:1票) |
136.《ネタバレ》 「才能は過信により齎される。故に慢心を改めてはならない」というのが持論。 これ系の話はきまって途上で生き様を悔い改めさせるのだが、クリエイターにとってそれは決して成長と呼べないと思う(処世術ぐらいは備えてないとまずいでしょうが)。 才能の取り扱いとドラマの処理をごちゃまぜにして万事解決としてしまうような不条理をよく見掛けますが、「才能」を扱い徹す今作にとってこの内容は理想的。 【カラバ侯爵】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-06 13:47:46) (笑:1票) |
135.人は誰しも自分こそ特別だと思っている。特に自分が一番得意とする分野であればなおさら。しかし、世間には自分より勝れた人はいるものである。その人に出会わないからこそ、人は幸せなのかもしれない。「その人」モーツァルトに出会った運命がサリエリの人生。プライド高く、幼児性の抜け切らない妻のコンスタンチェを筆頭とする宮廷人には永久に理解できないであろうモーツァルトの才能を知るゆえにサリエリは最大の理解者であり敵となってしまう…この映画は人に持つ善悪のコンプレックスを実に巧に表現している。そして多くの人にとって残酷な映画であり、「主人公」サリエリを笑い、憎める者のどんなに幸せな事か。なぜならば、その人は本当の天才か、人生の不幸を知らない人であろうから。 【クルイベル】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-09-23 12:30:03) (良:1票) |
134.凡人であるということはそんなに悪いことじゃない。凡人にしかできないこともいっぱいある。そのことが認められず、サリエリはモーツァルトを憎むという道を選んでしまった。これは彼の最大の失敗だったと思う。彼はモーツァルトの最大の理解者にして最高の友人になりえたはずなのだ。憎しみは本当にろくな連鎖を生まず、関わるものをみんな不幸にしていくなぁ。 【コダマ】さん 9点(2004-03-10 20:26:20) (良:1票) |
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133.《ネタバレ》 大好きな映画です。モーツァルトと同じ時代に生きたサリエリは悲劇の人。モーツァルトが気に入らない、でも気になる。結局一番モーツァルトを愛していたのはサリエリ。レクイエムを二人で仕上げる所のサリエリは、よこしまな気持ちはなく、ただただこの天才の生み出す音楽を形にしたい、美しい音楽に触れたい、という純粋な心であったと感じました。 【ぷー太。】さん 10点(2004-02-01 22:51:24) (良:1票) |
132.サリエリの、ひどく屈折した神への復讐計画。病床に伏すモーツァルトを追いつめていくサリエリ。しかしモーツァルトの口述筆記こそは、サリエリが神の言葉を書き綴ることを許された初めての瞬間。その至福の前では復讐心など霧散してしまう。神に選ばれし天才の前では、凡庸なる者はただ平伏すことしかできない残酷さ。それを理解する才能だけを与えられる残酷さ。憎むべき才能を愛してしまう残酷さ。20分伸びて3時間になった本作は、余りの悲しみに涙が溢れてしまう程の残酷物語に変貌。そして全編を彩る、どんな映画音楽も敵わないモーツァルトの調べ。昔は、ただ面白い映画としか感じなかったもんですが、この映画はあらゆる事が圧倒的でした。評価アップの10点献上。 【sayzin】さん 10点(2002-09-15 17:02:45) (良:1票) |
131.《ネタバレ》 サリエリがいかにモーツァルトの才能を畏れ妬みあらゆる策を弄して滅ぼすか、神父への告白を中心に展開される180分が長く感じられない作品でした。特に終盤、死が迫る中レクイエムの作曲に徹夜で助力(代筆)したサリエリに「私はあなたに嫌われていると思っていたが間違っていた、赦してください」と穏やかに語りかけたモーツァルト。その言葉になんとも言えぬ複雑な表情のサリエリ。最も印象的なシーンでした。 ただ私がやや納得できなかった点が一つ、序盤モーツァルトが皇帝に拝謁した際サリエリが作曲した「歓迎マーチ」をモーツァルトが「ヘンな曲」とけなした上即興で見事に編曲し皇帝や取り巻きを唖然とさせた。そこまで実力の差が歴然としているのにその後のオペラではサリエリの作品のほうが絶賛されるのは今一つ納得できない。他サイトの解説をみると「歓迎マーチ」のエピソードは全くのフィクションとのこと。であればそのエピソードはサリエリを過小評価させる誤解を与えるので不要ではないでしょうか。その意味で私の評価としてはマイナス1点にしました。 【yoroshiku】さん [DVD(字幕)] 9点(2023-07-29 18:30:14) |
130.《ネタバレ》 モーツアルトの才能を誰よりも認め、愛し、嫉妬し、潰そうとする宮廷のお抱え音楽家サリエリ(実在)の独白。作品そのものよりも、作中作の荘厳さ、モーツアルトの天才っぷりに感動するのですが、それを邪魔することない演出が見事ということでしょう。嫁は乳が窮屈に寄せられ上げられ少し痛々しいです。 【camuson】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-06-11 16:43:09) |
129.《ネタバレ》 中学生の頃、授業で見た時に面白かった記憶があり20年ぶりに鑑賞。 モーツァルトはこんなキャラだったのか。モーツァルトは才能溢れるがキャラがだらしないためかサリエリの嫉妬をかい不幸な結末に。 これは、モーツァルトが品行方正ならサリエリも嫉妬しなかったし、モーツァルトもサリエリに陥れられることもなかったのかな? やはりパーソナリティーは大事である。才能があるからといって何でも許されるわけじゃない。 そんなことを考えた映画だった。 私はピアノが好きで特にショパンの曲が好きだ、ショパンの映画を次はさがしてみよう。 本作は1時間半くらいにまとまってくれていたら最高に良かったな、ちょっと長い。 【ブリーバンデカンプ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-08-13 10:53:42) |
128.《ネタバレ》 人は生まれながらにして不平等である、というお話です。 サリエリは秀才。 人生の全てを音楽に捧げ、禁欲的な生活を送りつつ、 曲の一節一節が出来るごとに深々と頭を垂れ、神に感謝を捧げる。 血の滲む努力が認められ、宮廷作曲家の位置まで上り詰めた努力の人。 対してモーツァルトは天才。 下卑た馬鹿、遊び好きな小男にも関わらず、音楽に関しては真の天才。 サリエリが自らの血で描くように紡ぎ上げた音楽を、まるで遊んでいる かのように無邪気に不備な点を指摘したばかりか、あろうことかサリエリの雇い主 である皇帝の前でちょいちょいと手を加え完璧な物に仕上げてみせる。 息をするように素晴らしい音楽を紡ぎ上げる、天与の才能の持ち主。 対照的な2人の人生が交わったことが悲劇の始まり。 サリエリという秀才は、天与の才能の代わりに身につけた権謀術数を駆使し、 真の天才であるモーツァルトを陥れることで、不平等な世界を生み出した神に復讐を遂げようとする、というお話。 凡人側であることが身につまされ、しんどい気持ちになる映画でした。 【kirie】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-10-08 16:22:22) |
127.モーツァルトの波瀾万丈の生涯を、努力の人サリエリの視点から見事に描いている。いくら努力しても才能ある者には敵わない作曲家の世界。少し長いですがさすがに面白い。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-30 11:40:02) |
126.《ネタバレ》 ○午前十時の映画祭にて鑑賞。○様々な場面で贅沢に使われるモーツァルトの音楽こそ映画館で堪能すべき。○サリエリとモーツァルトの才能、嫉妬など重厚に描かれ、3時間ほぼ退屈することなく鑑賞できた。両主役とも素晴らしかった。 【TOSHI】さん [映画館(字幕)] 9点(2016-07-18 18:04:16) |
125.《ネタバレ》 ディレクターズカット版を見るのは初めてですが、やはり少々長いです。オリジナルの方が締まっていてよかったように記憶しています。こちらも長いこと見ていませんが。 話としては、前半サリエリが中心の物語だったのに、後半は完全にモーツァルトが主人公になっているところが面白い。結局サリエリは、こうした物語でもモーツァルトに食われてしまうことになるわけです。やはり根本的に、人を引きつけるものを持っているかどうかの違いなのでしょう。 オリジナル版を初めて見た時もっとも感心したのは、2人が協力して「レクイエム」を完成させようとする場面。まるで本当にこんなことがあったかのようなリアルな臨場感があり、引き込まれました。しかしそれも、そこまでの話の展開、2人の関係があってこそ説得力が出てくるものです。私にとってこの映画は「レクイエム」のシーンが全てであり、あくまでそれを生かすためにその他のエピソードが配列されています。そう考えると、神の扱いなどもサリエリの動機づけとして使われているだけのようにも思えてきます。だから神の意味するものがどういうことなのか、あまり深く追求するのも意味がないかもしれません。神がどうこうよりも、人間の関係の方が面白い映画ですし。 まあ、「レクイエム」のシーンが面白かったといっても、やはり初見時の興奮には及びません。あれがあることをあらかじめ知って見ているのでは、評価を下げざるを得ません。それでも非常に興味深い作ではありますが。ただやはり、オリジナルの長さでもいいんじゃないかと思ってしまいます。 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 7点(2016-07-15 20:57:05) |
124.演技力は素晴らし。表情、語り、引き込まれるものがあり、天才に対する狂おしい嫉妬が痛々しい程伝わってきた。 だがしかし、見終わった後に心の芯に残るものがあまりなかったので、点数はあまり高くないです。 自分の人生経験浅いのかなぁ・・・ 【ぬーとん】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-01-14 02:18:38) |