2.《ネタバレ》 冒頭、銀行強盗のシーンが中々スピーディーで良い感じになっており(これは1より面白くなったパターンか)と期待させられた訳ですが……
結果的には、そんな期待を裏切らぬ仕上がりとなっており、嬉しかったですね。
低予算な作りなのは前作と同じだけど、血の嘘っぽさも緩和されているし、稚拙な特撮ながらも(頑張って本物っぽく見せよう)っていう、作り手側の熱意が伝わってきました。
前作で豊富だった「お色気サービスシーン」も殆ど無くなっているし、硬派で真面目に仕上げてきたって印象です。
「サメ映画かと思いきや、ワニ映画」っていう前作の構成を踏まえ「ハイジャック映画かと思いきや、ワニ映画」ってストーリー展開にしているのも、上手かったと思います。
前作はサメを全面に出す予算が無かったせいか「サメ映画と思わせるミスリード」が徹底しておらず、折角の仕掛けがイマイチ機能していなかったんですが、今作の場合は人間が演じる形で「ハイジャック映画と思わせるミスリード」が、キチンと行われていますからね。
同じ「○○かと思わせて××」展開でも、今作の方が、ずっと賢いやり方だったんじゃないかと。
ワニが本格的に出てくる前の「無力な主人公達と、銃を持ったハイジャック犯の戦い」も中々面白く仕上がっているし、ワニ映画として考えても「巨大ワニが空飛ぶヘリに食らいつく」なんて見せ場があったりして、明らかに前作よりパワーアップしてる。
「中々火が付かないライター」「沼地に充満するメタンガス」が伏線になっており、ワニを火葬にしちゃう倒し方も、派手で良かったです。
そんな訳で、前作と比較すると大幅に改善されている本作なのですが……
コレ単品で評価すると、欠点も色々目立っちゃうというのが、ちょっと困りもの。
例えば、ヘリを操縦するローランドが主人公カップルを裏切ったと見せかけて、犯人側のボスを撃つ展開は痛快で良いんですけど、その後すぐローランドがワニに襲われて死んじゃうっていうのが、ちょっとチグハグなんですよね。
これじゃあ主人公達は「ローランドは俺達を裏切った」「卑劣な男だ」って認識のままだろうし、ボスを倒した後に二人を助けに戻ろうとしてたローランドが、凄く可哀想。
こういう展開で、観客をスッキリさせてくれない脚本っていうのは、如何なものかと思います。
最後の「夢オチ」も、それ必要だったかなって思えちゃうし……
これならワニを倒した後、沼地で救援を待ちながら、キスする二人で終わらせた方が良かった気がしますね。
1→2という流れで観た為「前作より良くなってる!」という興奮を味わえたけど、単体で評価する限りでは「まぁ、それなりに面白い映画」くらいに落ち着きそうな……
そんな一品でありました。