野いちごのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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野いちご

[ノイチゴ]
Wild Strawberries
(Smultronstället)
1957年スウェーデン上映時間:91分
平均点:7.03 / 10(Review 35人) (点数分布表示)
公開開始日(1962-11-01)
ドラマモノクロ映画
新規登録(2003-05-25)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-05-15)【イニシャルK】さん
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監督イングマール・ベルイマン
キャストヴィクトル・シェストレム(男優)医師 イサク
ビビ・アンデショーン(女優)サーラ
イングリッド・チューリン(女優)エヴァルドの妻 マリアンヌ
グンナール・ビョルンストランド(男優)イサクの息子 エヴァルド
イェートルド・フリード(女優)イサクの妻 カリン
マックス・フォン・シドー(男優)ヘンリク・アケルマン
オーケ・フリーデル(男優)カリンの愛人
グンネル・リンドブロム(女優)シャルロッタ
レナ・ベルイマン(女優)
脚本イングマール・ベルイマン
音楽エリク・ノルドグレン
撮影グンナール・フィッシェル
製作アラン・エーケルンド
配給東宝東和
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12
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35.《ネタバレ》 分かりやすいが単純ではない。誰にでも分かるようで、誰にもわからない。
この単純そうな見た目と背後に流れるもののギャップに胸を抉られたような気分になった。
少なくともハリウッド映画のような、「好転して良かったね」という映画ではない。
残念ながら、そのような水準で本作を見る者は多そうだが。
浅田荷葉さん [DVD(字幕)] 6点(2019-03-27 23:40:22)(良:1票)(笑:1票)
34.老教授の栄典をめぐる1日を90分余に凝縮して描き、生と死、老い、家族観など人生の機微を散りばめた珠玉の一遍。
人との関わりを避け仕事に集中して生きてきたが、功成り名遂げても心の空洞を抱える老教授。老人の虚無感や孤独感・死への恐れといった内面が表現される。
冒頭の夢のシークエンスはドイツ表現主義を彷彿させるもので、絵画的構図が秀逸。詩的・哲学的でシュールな画づくりは主人公の心理を巧みに視覚化しており、針のない時計は特に印象的で、“死”のイメージを怖いほど漂わせる。
回想シーンは、現在の姿で過去と向き合うことにより、孤独感や後悔の念が滲み出ている。道中における若者たちの生の実感と老人の孤独感の対比も見事。
3人の若者との交流や息子夫婦との対話、心が通じ合った家政婦とのやり取りなど(ガソリンスタンド店主の感謝も重要)を通じて主人公の心理は徐々に解きほぐされる。最後に寝床でみせる表情は孤独や死の恐れからの解放を示すもので、前夜の夢(不安)と対照的な安堵があった。
主人公の内面の変化を通して人生の価値を感じさせる作品。
風小僧さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-16 13:47:05)(良:2票)
33.名声を得た老医師が式典へ向かうまでのロードムービーと自身を振り返り自らを罰する追憶のロードムービー、この二つのロードムービーの絡みぐあいがホントにお見事。同乗する若者たちの屈託無く感情を表に出す姿にそれまでの孤独な生き方に人生の虚無を感じてゆく。そして夢を通して、これまで人との距離を置き大人の対応をしてきたがそこに愛は無くまわりの人たちを傷つけてきた自分を心の深層から引っ張り出す。現実のシーンが無駄無く夢に投影され、夢が現実に影響してゆく。で、その夢のシーンがまた素晴らしい。人生を振り返るきっかけとなる死への不安を意味する冒頭の夢も衝撃的だが、昔住んでいた家に寄り、当時を回想するシーンでその回想されたシーンに現在の自分がいるという斬新な作りにもびっくり。W・アレンよりはるか以前にやってたんですね、凄い!
R&Aさん 8点(2004-12-24 12:08:48)(良:2票)
32.《ネタバレ》 BSで録画して鑑賞。車で行く、と決めた場面で気になったので鑑賞を一時停止して調べてみた。ストックホルムからルンドまでは直線距離で約500Km。500Kmというのは、東京から岡山の手前、もしくは東京から八戸の手前くらいである。道路が直線のハズがないから、走行距離で600Kmくらいだろう。ワーゲンとニアミスした場面でわかるように、高速道路ではなく一般道を走っている。となると、12時間くらいかかりそうだ。映画では、この12時間の間の出会い・出来事と白昼夢を交差させ、主人公に人生を後悔させる。しかし最後で少し救いの手を差し出している。途中、モノクロ時代の黒澤映画を観ているような感覚に陥った。筋とは全然関係ないが、映画の冒頭で二都市間の距離を調べてしまったので、途中で母親にあったり水浴びしたり白昼夢観ている余裕があるのか、式典に間に合うのか、と、へんなところが気になってしまった。
la_spagnaさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-04 00:12:09)(良:1票)
31.自分に厳しく他者にも厳しく。他者の弱さを受け入れられない。他者の為に尽力することが出来ない。過去を顧みて後悔に苛まれるのは老境に入り「死」の恐怖を自覚したから。身につまされるものがありました。どんなに遅くとも後悔したからには残された時間をどう生きるのか、救われるラストシーンに励まされます。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 8点(2013-08-31 00:05:30)(良:1票)
30.「お前のベストワン映画は何か?」と尋ねられたら「いろんな方向でのベストワンが十数本はあり、とうてい1本に絞れない」と答える。しかしそこで出刃包丁を突きつけられて「これでも選べない?」と畳み込まれたら、たぶんさして迷わず本作を挙げるだろう(でも決して人生の最後に観たい映画ではない、最後に観るならMGMミュージカルかキートン)。初めて観たのが若い多感なときだったせいか、こころにじっくり沁み込んだ作品。その沁み込み具合は、半端じゃなかった。作品中で主人公イサクが、サラに鏡を突きつけられるシーンがあるが、まるでスクリーンが鏡となってこちらに突きつけてきたような映画であった。人の世のわずらわしさから逃げようとしたものの受ける罰。前半の回想で、サラがイサクへの想いを語っているのを、心地よい回想として眺める階段の場の老イサク、しかし中盤の夢で、彼はサラに裁かれる。サラ夫婦の家庭を窓越しに眺めるイサクの孤独。バッハの平均率の変ホ短調のフーガ。サラたちのように生きたい、しかしそう思う人間はそうは成り得ない、という絶対の壁がこの窓にはある。そして重ねて裁きが続く。イサクの孤独は、彼がそうしか成り得ない人間であったということじゃないか。そういう厳しい認識の果てに、ラストの回想が来る。この釣りの図の見事なこと。これは一人称の映画であり、登場する人々は主人公と照らし合わされるためにのみ存在している。そういう厚みを持てない構造が生かされ、その構造によって深くえぐりこめた作品だろう。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 10点(2010-08-13 09:56:54)(良:1票)
29. いかにも、このサイトでしか高評価されない映画だと思います。アマゾンのカスタマーレビューも読んでみましたが、たぶん同じ人が書いているのでしょう。文脈がほとんど同じです。名誉博士の授与を受け取りに行く老人が美女達と一緒に、過去の幻想に追われながら一泊二日の旅をする、こじんまりとした映画です。
 私が、このサイトで探し求めている映画と言いたいところですが、何せ主人公が、片足を棺桶に漬かった老人なので、この映画の素晴らしさを実感できるのは、当分先のことだと思います。
 90分で終わるので疲れませんが、若い人には向いてません。年寄り向きです。
 数十年後にもう一度観たいけど、ディスクが存在してるか心配です。
 野いちごを出すシーンなど、シャレードが多すぎて、ちょっと疲れる映画です。
クロエさん [地上波(字幕)] 5点(2010-03-10 03:29:21)(良:1票)
28.《ネタバレ》 名誉博士の学位を受けることになり授与式の地に向かう、ある老医師の一日が、色々な人との交流と、幻想的な夢や回想とを交え、綴られます。一日の終わりに、老医師は、「今日の出来事は何かつながりがありそう」と気づきますが、観てるワタシも「ちぇっ気づきやがったか、私も何かつながりがあると思うんだけどね、それがはっきりせんのよ」(笑)。ま、しかし、言葉でスラスラ説明できるような厳密な論理構成でエピソードが配列されてたりしたら、そんな露骨に人工的なものに感動もへったくれもないわけで、やはり、メタファーによる映像詩ともいうべきこの映画の魅力は、一味も二味も三味も違うもの。息子との関係、息子の嫁との関係、年老いた母との関係。亡き妻。もはや熟年夫婦同然にツーカーの関係の家政婦。中には自分を慕ってくれるガソリンスタンドの店主などもいる。そして、旅に同行することになった、3人の若者(女性は二人の男性のどちらを選ぶか、“アッケラカンと”迷っている)。一方で、夫婦喧嘩ばかりする、とある夫婦。なーんとなく、「夫婦関係」とか「死」とかいうテーマが見えてくるのだけど、その印象を圧倒的に強くするのが、主人公の幻想的な夢と回想の夢。生者は溶け去り、棺桶の死者が手を伸ばす。医学の基本すらわかっていないらしい自分。あるいは過去の苦い思い出。現実世界の人物と夢の中の人物が混じりあい、夢のもつ皮肉さはいやでも強められる。そして、自分の人生のみならず息子の人生にまでも暗い影を落とす、あの出来事・・・。ワタシよりも先に何か気づいたらしい(笑)主人公の最後の幻想、そして彼の表情が、心に沁みます。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-02-03 08:59:45)(良:1票)
27.《ネタバレ》 10代の頃に映画館で見て、数十年過ぎてCSで再び見ました。年をとり地位も名声も資産も得たのに頑固さゆえに孤独な老人の気持ち、地位も名声も資産もないまま年をとっただけの自分でさえも共感しました。医師イサクは他人に対して寛容に対処してきたのに、結局それは人と関わらずにいたということでした。イサクと結婚するはずだったサーラが「彼は優しくて良い人、でも彼といると自分がとるに足らない人に思えてくる」という言葉は考えさせられます。美しいモノクロの映像が郷愁をさそいます。
omutさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-01-10 17:37:19)(良:1票)
26.50年代の作品だったのでまずは斬新な象徴的シーンにビックリ。回想中に現在のイサクを登場させる手法も今でこそ度々目にしますが当時は珍しかったのではないでしょうか。 イサクは利己的な人物であったという設定ですが、名誉や地位などとは別にガソリンスタンドがあった町の人々ように彼を慕っている者も登場させていますし、イサクの周囲の面々にも多少なり利己的な面があるように見えます。つまり誰だってイサクのようになりえるかもしれないし、事故を起こした夫婦のようになるかもしれないし、イサクの息子夫婦のようになるかもしれない。僅かな事の差で人生は変わってしまう。でも僅かだからこそ自分自身で変える事もできる。しかしその僅かな事が難しいから人間は後悔する。冷たい雰囲気の中、イサクに好人物の印象をもたせることによって決して否定的にはせず、人間には欠点があるけれどそれでも自身を見つめればそれで良いのだという温かいメッセージを感じました。
ミスター・グレイさん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-17 11:51:44)(良:1票)
25.冒頭のイサクのみる夢のシーンのなんと素晴らしい事か、いろいろ解釈できそうな展開が見る者の興味を引き続ける。そして誰もが感じるであろう、主人公イサクの孤独感、感情移入しやすい環境をすんなり夢の形で表現するあたり、さすがベルイマンといったところ。孤独感を今を生きる青年たちと対比させる手法も実にスムーズに進行する。孤独を愛すイサクが青年たちとの交流を通し、自分の生き方、考え方が次第に変化していく過程を見事に表現した傑作。
ゆたKINGさん 8点(2003-09-03 16:34:47)(良:1票)
24.《ネタバレ》 晩年の男の人生回帰を、夢のように描いた傑作。夢と幻。その映像表現が素晴らしい。歪んだ時計。針のない時計。シュールな映像。
にけさん [映画館(字幕)] 8点(2019-01-30 22:26:38)
23.《ネタバレ》 名声はあるが孤独な老人が、式典に出席するため家を出発する。
小旅行の途中で、陽気な若者たちや過去の自分自身にも出会う。
老人の人生は終盤だが、今回の小旅行で少し意識が変わる(良い意味で)。
そんな映画。

もし私が映画を10本だけ選べと言われたら、迷わずこの1本を入れる。
同時に『デッドプール』も入れるだろう。
激辛カレーライスさん [DVD(字幕)] 10点(2017-09-16 20:03:07)
22.《ネタバレ》 正直、そんなに面白い映画ではないかなと思いました。
孤独な爺様の悔恨を延々見せられてもねぇという感じ。
というか、私は爺様ではないけど、過去のことを頻繁にフラッシュバックに思い出しては
自分を悔やんだり慰めたりというのはよくあるんで、共感はするんですけどね。
若者3人組の眩しく楽しげな感じが羨ましくもあり、また嬉しくもあり。
とにかく、冒頭の夢のシーンは凄くいいです。誰もいない寂れた街。針のない時計。
馬車、棺桶と自分自身、、、、本当に夢そのものの映像という感じで魅惑的でした。
あろえりーなさん [地上波(字幕)] 6点(2016-12-31 14:07:06)
21.夢のシーンはめちゃくちゃすごかった。それ以降は退屈。
カニばさみさん [DVD(字幕)] 5点(2016-12-23 00:36:59)
20.《ネタバレ》 何か不穏な雰囲気があったけど結局普通に皆めでたしめでたしで終わったねー。途中で乗ってきた若者とか何かしでかしそうでドキドキしてた(苦笑)。思ったより地味目な展開だったかな? そんな印象でゴザイマス
Kanameさん [DVD(字幕)] 5点(2016-11-26 05:21:08)
19.《ネタバレ》 「第七の封印」に感動したので本作も観ましたが、「死」を一つのテーマとしたロードムービー的な作品であるところは良く似ているなあと。同じテーマで、異なる結末を描いてみせたという感じでしょうか。印象的な悪夢の描写から始まる不穏な出だしとは対照的に、エンディングでは不思議に暖かいホッとする雰囲気に満たされました。よくよく考えれば、主人公は夢想の中でつらい過去を追体験させられるし、何か困難を乗り越えたり問題を解決するわけでもないし、最後のシーンでは主人公がそのまま老衰で眠るように死ぬんじゃないかってくらいクタクタになってたりするのに、ラストは途轍もないハッピーエンドのように感じました。結局主人公は自分で思うほど孤独な人では無かったからでしょう。私は人生に対する肯定的なメッセージを受け取りました。
すらりんさん [地上波(字幕)] 8点(2016-10-08 13:40:25)
18.たぶん高尚な映画なんだろうけど、その意味や価値がよくわかりませんでした。イングリッド・チューリンにもこんな若いときがあったんだとびっくりしました。
チョコレクターさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-16 13:19:23)
17.《ネタバレ》 仕事を全うし、人に感謝され、功績を表彰される老人。しかし振り返ると満ち足りなく寂しさが残る人生なのは、弟との違いや女性たちの反応を見るに、気持ちを言葉や行動にするのが下手だからなんだろうなと感じました。
最後に家政婦のアグラさんとのやり取りから少しの変化が見られましたが、結局子供の頃の夢を見て自分を慰めるしかなく、時間は戻せないという暗喩を最後の最後にハッキリと突き付けられた気持ちになりました。
孤独って若い時は気にならなくても、年を取ってから特に感じるものなんでしょうかねえ。
さわきさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-15 18:01:36)
16.年老いた時の孤独は罰としてのものか。そんなテーマで過去を振り返る。
こういう映画は、セリフや意味を楽しむつもりで入り込めばそれなりに面白いとは思うが、物語自体は退屈なので、気分に大きく左右される。
simpleさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-09 11:37:06)
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【点数情報】

Review人数 35人
平均点数 7.03点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
412.86%
5720.00%
6617.14%
7514.29%
81131.43%
925.71%
1038.57%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.66点 Review3人
2 ストーリー評価 6.66点 Review3人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review3人
4 音楽評価 5.00点 Review1人
5 感泣評価 4.00点 Review1人
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【アカデミー賞 情報】

1959年 32回
脚本賞イングマール・ベルイマン候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1959年 17回
外国語映画賞 受賞 

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