12.《ネタバレ》 不当な弾圧と闘い自由を勝ち取る話かとの予想は嬉しい大ハズレ。しっかりとした起承転結でカラリと明るく、時に大笑いさせられ、自由に対する風刺に考えさせられる秀作です。 モダン・タイムス製作時に本作を参考にしたというのに無限へぇであると共に言われてみれば納得できます。 |
11.社長が友情に負けて、ワルガキのように晩餐会をコケにしていくあたり。あの晴れ晴れとした感じは、この時代のフランス映画で特に見られるものではないか。ラストの式典での風も素晴らしい。まだサイレントのココロが残っているのだろう。リアルである必要のなさ。リアルであらねばならないという強迫観念がなかった時代。蓄音機工場ってのが、いかにもトーキーに入った時代を示している。つい後世の我々が思ってしまうように、トーキーになったことにそう戸惑っていた訳ではなく、その時代に作れる映画をただ作ってみたらこうなった、という汽水域ならではの豊かさと見たほうが当たってそうだ。 【なんのかんの】さん [地上波(字幕)] 8点(2013-10-16 09:33:54) |
10.サイレント映画風のコメディかと思いきや要所で台詞が入るしオペレッタ風にもなる。結局はチャップリンとは違うスパイスのきいたコメディなのだろうか。お金や地位よりも恋愛よりも自由が一番とは・・・。脱獄してからとんとん拍子に社長とはあんまりという気もするが、風刺劇とみれば何のことはない。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-08-18 19:23:47) |
9.《ネタバレ》 ルネ・クレール監督と言えば『巴里祭』や『巴里の屋根の下』をイメージする私としては、本作も妙にハッピーな雰囲気のお祭り騒ぎ的な作品なのでは?と想像していた。 ところが良い意味で予想を裏切った。 本作は社会を風刺しながら、楽しさも健在で、それでいて友情に重きを置いた人間ドラマでもあった。 ルネ・クレールがこんな作品を撮っていたとは知らず、ずっと軽い監督のイメージを持っていた私としては、新たな発見をした作品にもなった。 チャップリンが『モダン・タイムス』を撮る際に参考にしたと言われるだけあって、どこかそのドタバタぶりが、チャップリン映画に通ずるところがあった。 序盤の脱獄から、最後に二人で去っていくシーンまで、見事なまでの仕上がり具合。 ルネ・クレールの最高傑作。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-05-28 22:08:14) |
8.《ネタバレ》 ようやくチャップリンの「モダン・タイムス」に大きな影響を受けたとされる本作を見ました。確かに似ているし、チャップリンがこの映画を参考にしているのがよく解る。チャップリンほどの笑いという点では面白さはないが、それでも例のベルトコンベアーでの場面は面白いし、自由を求めて脱走しようとした二人の男が一人は社長になる。もう一人は脱走に失敗し、その後、やっとの思いで脱走して自由になれたと思ったら今度は何とそのもう一人の男の経営する会社に入ってしまうというのがまるで二人の運命とでも言いますか?離れられない何かがあるように感じられる。そんな二人が金持ちになったかと思ったら風に吹かれて、全てのお金が吹っ飛んでしまい、折角の大金もパーになり、これでまた全ては初めからやり直しになるも、金が何だ?金なんて無くても俺達二人には金持ちにはない二人だけの幸せ、自由が見えるんだとばかりに陽気に歌を口ずさみながら肩を寄せて消えて行くラストシーンに彼ら二人が自由を掴んだ瞬間を見た気がする。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-12-07 20:45:00) |
7.《ネタバレ》 機械に仕事をさせ人間たちは悠々自適という素敵なラストでしたが、現実世界では機械生産は雇用問題へと発展し残念な状況になってしまいました…。がしかし、そんなことはどうあれ本作は、〝人間味〟という大事なものを謳っているのです。合理性や利潤ばかりを追い求めていたら人間おかしくなっちゃうよと。それを体現しているのが脱獄し成功者となった男の〝ウィンク〟なのです。大金持ちになった男の前に昔の刑務所仲間が訪ねてきて、追い出そうとするもケガの治療をしてやると昔を思い出し友情を取り戻すシーンで、その合図はウィンクでなされます。これは最初の刑務所のシーンで二人が度々やっていた会話のようなものですが、このウィンクの優しく美しい事と言ったらないのです。これぞ人間味であって世知辛い世の中の救いなわけです。いやぁまさか男の、しかも髭のオッサンのウィンクに感動させられるとは…やられました。 ちなみにチャップリンの「モダン・タイムス」にも影響を与えたといわれる本作はトーキーですが、おそらく台詞が無くとも概ね意味が分かるのでサイレントに近い印象を受けます。でもだからこそ、シッカリした作りになっています。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-09 18:25:47) |
|
6.発想とアイデァはスゴい、風刺も効いててギャグもいいし(あまり笑えないけど)音楽もいい、見所の多い作品。だけど全体としてあまり面白くなかったのは、登場人物に魅力を感じなかったからだろうか? 【よし坊】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-09-03 00:36:56) |
5.社会風刺も自由の意味を問う主題も私には強く響いて来るものがなく、良いという評判を先に知ってから見たので期待が大きくなりすぎてあまり心動かされる物を感じられなかったようです。笑いもなく唯一凄いと思うのはチャップリンの「モダンタイムス」以前にこれが作られていたという事くらいか。 【WEB職人】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-03-05 09:40:19) |
4.《ネタバレ》 ハリウッドの様に新技術を妄信するのでも、チャップリンの様にスタイルに固執するのでもなく、【民宿たましろなんくるないさー親善大使】さんの書かれた「サイレントとトーキーの絶妙なバランス」から、映画の中身以上に「自由」が感じられるフランスらしい古典。新技術を駆使したミュージカル・シーンや台詞もあれば、伝統的なパントマイム・コントもある。ルネ・クレールがこのスタイルを用いたのは、「あらゆる手を使って観客を楽しませる」ことに主眼を置いたからに他ならない。主な観客である当時の労働者の視点で進む話も、今観ても充分面白い。唯、オートメーションが導入された後、呑気にダンスなんか踊ってる労働者には隔世の感がありますね。現在ではこれは「自由」ではなく「失業」と呼びますよ、8点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-16 00:06:25) |
3.脱獄に成功した男が会社の社長となり、「刑務所」というべき会社を経営しているという皮肉がまずおもしろい。「自由」というものはなかなか易々と答えを見出せない言葉であるが、この映画では本当の意味での自由とは何かということを問いかけているような気がした。そういった意味で、ラスト、唄を唄いながら歩く主人公二人は刑務所から出て初めて、自由を手にしたように思えた。しかし、この自由に対する投げかけは、決して説教臭くなく、コミカルに社会を風刺しながら自由を唄っている点がなんとも気持ちよく、この映画を、ましてや、ルネ・クレールを好きになった一つの要因といえよう。サイレントとトーキーの絶妙なバランスと勇気と希望を与えてくれる音楽も大好きである。 【たましろ】さん 9点(2004-02-16 15:18:07) |
2.タイトルを直訳すれば確かに『自由を我等に』ですが、これではちとお堅いイメージが強すぎます。そこで提案。思い切って邦題を『俺たちゃリ・ベルテ♪』に変えてしまいましょう。なぜ“・”が入るかわからない不届き者は、今すぐビデオ屋へダァ~ッシュ!! |
1.感じたことは↓【おっさん】さんと同様なので省略。(あっ、予備校の先生が似ているってのは違いますよ 笑)んじゃあ、何書こうかなぁ~。歌がたくさん出てきていたね。のっぴきならない状況でも、楽観的に歌を歌う。これってディズニー映画の精神に通じるものがあるような、ないような。後味爽快。この映画をもしもリメイクするなら、主役はジョージ・クルーニーかなぁ~。でも彼にしちゃったら、未練たらしく恋人を追いかけちゃって、自由な旅に出るって感じじゃなくなっちゃうしなぁ~。難しいな。話は戻るけれど、音楽が楽しくていい雰囲気だなぁ~と思っていたら、『アンリエットの巴里祭』の音楽の人と同じだったんでビックリ。ジョルジュ・オーリックが音楽担当している映画をおっかけてみよっかな。 【元みかん】さん 8点(2003-11-23 03:54:52) |