12.本日、念願の新文芸坐へ行き、「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」を観てきた。
すると・・・
なんと、1Fまで行列が伸びているではないかっ!!
これは完全に予想を裏切られた。
いくら“キング オブ カルト”、石井輝男監督の追悼上映とはいえ、こんなにまで混んでるとは思ってもいなかったのだ。
あきらめて、列の最後尾へ。
私は時計に目を遣った。
上映時刻を間もなく過ぎようとしている。
なのに、列はちっとも前へ、いや、上へ進んでいかない。
あまりの混雑の為、上映時刻に客の入場が間に合わない状況だった。
座れるか不安になったが、何とかギリギリ座れた。
「それでは上映を開始いたします。」
のアナウンスが流れる。
後ろを見渡すと立ち見が。
最新のメジャー映画じゃあるまいし、立ち見が出るとは・・・
しかもミニシアターとかじゃなく、普通に立派な映画館だというのに、何たることだ。
どうやら私は、石井輝男人気を侮っていたようだ。
そして上映開始・・・
評判通りの“カルト”映画であった。
それにしても苦痛だったのは、隣の客が“キ○ガイ野郎”だったこと。(石井輝男監督に敬意を込めて敢えてこの表現を使わせて頂きました。)
とても笑うようなシーンでないところで笑い出すのだ。
しかも頻繁に。
99分の間じゅう、ずっとその笑い声に悩まされ、席が2列目であったこと、映画の内容自体が濃かったことと相まって、非常に疲弊した。
映画そのものも「カルト映画」だったが、隣りの客も「カルト客」だったというわけだ。
ラストの有名な「花火シーン」は確かに凄かった。
あれはやり過ぎだ。
でもこれでやっと“キング オブ カルト”、石井輝男監督の代表作『恐怖奇形人間』を観ることができたのだ。
それだけで十分満足である。