6.《ネタバレ》 例えば、二人の殺し屋がある男の家にやってくる。二手に分かれ男を捜す。一人が裏庭で殺す男を見つけ銃を構える。しかし、まだ撃たない。もう一人の殺し屋がやってくる。銃を構え、二人同時に撃つ。例えば、ある男がいかにも淫乱そうな女に誘惑されるが、男は仁義を重んじ手を出さない。その女の亭主がやってくる。亭主はその場の雰囲気を即座に察し、男をとがめようとはしない。 この映画にはワイヤーアクションも、CGも、爆発シーンも、派手なカメラワークも、いいテンポと称する細かなカッティングもないが、このようなかっちょいいディティールと、いかにもな顔をした傍役たち、それを生かす演出、1カットでキャラクターや物語を説明しうる技量がある。今のアクション映画にはそれがない。だからつまらない。当分の間、ハリウッド製アクションは輸入せず、70年代アクションだけをリバイバルしてはどうか。 【まぶぜたろう】さん 9点(2003-12-07 00:02:26) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 けっしてあわてないロバートデュバルが頼もしい。派手なアクションによる脳の快楽刺激物質ドパーミン頼みよりは、淡々と進行するドラマの知的な脳への刺激のほうが、自分には楽しい。この時代の娯楽映画は、今の映像頼みの演出重視の映画が忘れているものを埋め合わせてくれる。どんどんこういう映画をDVD化してほしいものだ。それにしてもジョードンベイカーがまたこういう映画によく似合う。彼は出演映画の本数が少ないのに、小生には強烈なイメージがある。悪役もいいが、こういう頼もしい味方になってくれる彼もまたいいね。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-09-18 10:16:33) |
4.《ネタバレ》 この時代の、カッコつけすぎないカッコよさというのか、その雰囲気は大好きです。いや、カッコはつけてるけど、とてもサマになっている。最近の「カッコイイ」映画って、作り手だけがドヤ顔してそうな映画が多いですからね。教会の歌声や馬の競りのかけ声がバックで流れるなかでの、マフィアとのやりとりもサスペンスフルで好きです。クライマックスの、二人がニヤリと笑みを交わしてタバコを分け合うシーンは、もはやベタかもしれなけどいいシーン。主人公の大胆不敵な行動で全編楽しめます。ただ、やはり計画が上手く行き過ぎるので、ラストの爽快感が薄まってしまった感があるのは残念です。ピンチの連続があってからのラストの対決のほうがやっぱり燃えちゃうんだよなあ(「突破口!」みたいな)。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-06-14 02:48:41) |
3.主演はロバート・デュヴァル、アクション映画のヒーローにしては、颯爽とした身のこなしがある訳でなし、精悍な顔立ちがある訳でなし、そもそも髪がある訳で無し。しかしこのヒーローらしからぬ彼が主役を演じることで、通常のヒーロー像に収まらない存在感、いわば「このヒト、何しでかすやら予想できない」という、独特の雰囲気があります。刑務所から出た彼は、謎の組織に襲われ、逆にその組織に闘いを挑んでいく、というオハナシですが、これがどんな組織で、なぜ彼を狙うのか、なんてコトはもうどうでもよくて、映画の中では一応説明されるけど、形だけの説明であって中身は無いに等しい。そもそもこの主人公が、そんなコトを気にしている気配が無いのだから。ただただ、このクセのある主人公を含めた男女3人組が、組織に立ち向かっていく姿が描かれるんですね。そこには逡巡も恐れもなく、すべてが刹那的。ワイルドでドライ。3人組の中に女性がひとり混じることによってわずかにウェットな部分が生じるのだけれど、それとてむしろ、作品全体のドライさを際立たせる役割に過ぎないかのような。とにかくシブい映画なのです。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-06-09 17:35:24) |
2.組織に果敢に攻めるハゲ頭のロバート・デュヴァルがなんかカッコイイ。こういう系の映画ってなんかリー・マーヴィンの印象が強いけど原作者は同じなのね、雰囲気が似てると思ったら納得。渋すぎる演技に派手なシーンはないものの着々と復讐を成していく姿はホント70年代~80年代の犯罪映画を凝縮したような出来の良さでハーモニカを吹いてるのかな?、BGMが映画とマッチしてるのも素晴らしい。↓でりくさんが言ってるようにやすやすと、な所は感じるけれどもカレン・ブラックが絡んできても壊れない男臭いこの雰囲気は個人的にはたまんないっす。 |
1.たしかに1シーン1シーンの人物の配置は絶妙である。そしてストーリーの根本となる強盗を初めとする過去の描写が一切無いのに十分に登場人物それぞれのバックボーンを解からせてしまう演出も巧い。しかし犯罪もの大好きな私としては非常に物足りなさを感じる。一番の原因は「組織」がしょぼすぎること。やすやすと盗られ、やすやすと逃げられ、やすやすとボスとご対面。またやすやすと盗られ、やすやすと逃げられ、やすやすと侵入。あきれてしまう。本当は凄いことをやっているのにそう思えなくなってくる。それから色々な銃器が出てくるのに全部同じ音というのも勿体無い。サイレンサー付けると全部同じになるのかもしれないけど..。ラストはびっくりするような展開ではないが、あの(アメリカンニューシネマっぽい)雰囲気からあの終わらせ方に持っていったのには参った。 【R&A】さん 6点(2004-01-23 18:51:45) |