7.けっこう印象的なセリフが多い映画です。「全てから逃げている」、「想像してたよりも世界は貧弱だった」、「世の中はおかしいわ」、などなど、何かを求めつつもそれがわからないロックと、無理に大人っぽく振舞う女が告白する言葉の数々、悲しみと虚しさを象徴する言葉の連続だった。また、ロックの奥さんがロックの同僚に性的なものを求めてしまうシーンも印象的で、肉体と精神のズレみたいなものを感じてしまった。だが、所詮、現代の世の中なんてそんなもん、満たされることなんてあるのかよ?というアントニオーニの問いかけを勝手に聞いてしまった気がした。それから、ラストシーン、長回しでゆらりと撮った映像であるが、精神的な砂漠、乾いた心をを表現したシーンとして衝撃を受けた。砂漠にオアシス、つまり、心の充足を見つけ出すのはなかなか難しいものであると感じ、我々にも共通する問題だと思った。 【たましろ】さん 9点(2004-02-19 19:19:23) (良:1票) |
6.よくできた設定だし、ジャック・ニコルソンも頑張ってるし、アントニオーニらしさもうまく出ている。しかし、今一つ、つまらない作品なのは、設定とニコルソンとアントニオーニのどこかの組み合わせがうまくないのだろう。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-02 06:40:39) |
5.この邦題の「二人」って、ニコルソンともう一人誰をさすんだろう?奥さん?旅先で出会った女学生?それか武器商人のすぐ死んじゃう男のこと?それが気になって、映画を観ていた。建築を勉強している女学生が、なかなかチャーミングだなぁと思っていたら、後で彼女が「ラストタンゴインパリ」に出ているマリアシュナイダーだと知った。てことは、やはりもう一人は、有名な彼女ってことなんだろうなぁ。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-03-02 15:25:36) |
【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-03 16:15:13) |
3.ミケランジェロ・アントニオーニ、ジャック・ニコルソン、マリア・シュナイダーの異色の組み合わせです。「ラスト・タンゴ・イン・パリ」とは異なり、マリア・シュナイダーが健康的な美を披露してくれます。ストーリーは大きな盛り上がりもなく、淡々と進み、観客を一気に突き放す結末へと向かいます。クライマックスの長回しの撮影方法が物理的に説明が付かず、今でも不思議です。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-02-05 21:19:14) |
2.嘘やしがらみにまみれた希望の無い現実世界から逃避する、放浪三部作の三作目は、舞台を北アフリカから出発し、バルセロナへとさまよわせる。殺伐とした現実を伝えなければならないという職業の主人公は自らの人生をリセットするかのように、別人として生きることを選択する。そうすることによって今まで見えていなかっただけかもしれない希望を見出そうとしたのかもしれない。行きずりの女とガウディの建築物が希望を垣間見せたかに見えるも、追って来る現実からの逃避行が始まる。ラストの息を飲む長回しの後の死の意味するものはなんなのか?『欲望』『砂丘』ともが、全てが現実逃避の仮想世界ととれなくもなく、そう考えると最初の死体は実は...いや、考えすぎか。 それにしてもジャック・ニコルソンという個性の塊みたいな顔が不思議にアントニオーニの世界に馴染んでいるのには驚いた。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-07-07 18:40:59) |
1.アントニオーニ監督の真髄をよく理解しきれていないボンクラな私にとって本作は映像の静かで気だるいムードだけが突出している。モニカ・ヴィッティやレア・マッサリといった常連女優は出ておらず、当時売り出し中のニコルソンにマリア・シュナイダーという異色の組み合わせも新鮮な印象…ではある。嫌いじゃないが特に惚れ込むほどのコトも無いので7点。 【へちょちょ】さん 7点(2004-02-05 18:17:26) |