1.最近、宇宙にすごく興味があって、それでアポロ計画のドキュメンタリー映画がないか探してたんです。そしたらありました。よく見ると、音楽がブライアン・イーノじゃないですか。とりあえず見てみる事に。まず最初にケネディ元大統領が演説をしてるシーンから。そうそう、この映像も見たかったんですよ。60年代までに月面に人類を送るという、この大統領の演説から始まったんですよね。そしてロケットの打ち上げから、船内の様子。さらには宇宙遊泳のシーンも。そう、これもすごく見たかったんですよ。青い地球をバックに漂う宇宙飛行士の姿は、本当に素晴らしい。なんだか体内回帰みたいなイメージを持ちますよね。アポロ17号の船長だったジーン・サーナンが書いた著書には、宇宙遊泳は華麗に見えるけど実際はすごくたいへんなんだと書かれてました。そしてついに月。光と陰が織りなすその色の乏しい世界は、まさしく純粋な美を持っています。宇宙船は月面に降り立ち、それから月面カーを操縦する映像が。いやぁ素晴らしい。月の上から見る風景がとってもいい。ドキュメンタリー映画としては、変に作り込まれてなくていい。宇宙飛行士たちのナレーションもとても興味深いです。やっぱり思うんですけど、アメリカがソ連と競争して勝った理由には、写真や映像をちゃんと記録してるところにあると思うんですよね。こういった映像や写真というものが、それを見る人に大きな影響を与える。その重要性に気づいていたんだろうと思う。アポロ計画によって初めて、地球の写真を我々は見る事が出来た。それは、フラーの「宇宙船地球号」や、または環境保護や、もしかすると「ガイア理論」なんかの概念をも生み出したんじゃないかと思うんですよ。だから、物理的な意味でもアポロ計画はすごく意義があったけど、人の考えという精神的な意味でも、すごく意義があったんだと思いますね。