2.これはルビッチ風のソフィスティケイティッドというよりも、なにかドタバタという趣であります。しゃっくりや二流保険詐欺師の芝居のシーン、夫を見て失神するマダム、隣室に女性がいると見せかけるダベンポートとどれもコント風。超特急という割には、前半はマダムが結婚生活の倦怠感からメレディスに惹かれていく様が描かれるのですが、どうもテンポがあまりよくありません。メレディスも、マダムを惹きつけるほどの魅力がそれほど感じられず、ピアノ音もどこか浮いた音となって響いてきます。マダムの「スイート、スイート」という台詞は、作品のことを言っているようにも聞こえ、少し甘いかなー、といったところの作品でありました。