4.《ネタバレ》 こ~れは…映画として評価するのは正直言って中々難しいというか、個人的にも(どーしてこーしているのかは重々分かるとは言え)いくらなんでも暗すぎるし長すぎるし説明も不足してるし、とは思います。ただ、コレは……もし映画館で観ていたら更に凄まじかったろうと思いますし、どこかしろに共感が引っ掛かれば確かに唯一無二の「絶望感」というのを嫌と言うホド味わえる稀有な作品だと思いますね。
朝起きて、咳込んで嘔吐し、それを打ち消さんとするかの如くおもむろにコカインを吸引する…これだけでも、この人何のために生きてるんだろ、という絶望をこの上なく生々しく実感できるのですよね。抽象的な意味でなくて、正に「悪夢」の様な人生。麻薬はむしろそんな人生に少しだけでも「存在意義」というものを与えてくれる希望のよーにすら思われます。彼らが自暴自棄に陥らず、なんとかかんとか悪い意味での衆目を集めずに大人しく生活しているのも、ただ麻薬をやりたいから(=逮捕なんかされたらできなくなるし)なのだろうとも思われますし。事ここに至っては何が正義なのかももはや分からなくなる、とでも言いますか。強烈な映画であることは確かですね。
分類的にはドキュメンタリ(に非常に近いドラマ作品)ということのよーですが、質感はどちらかとゆーと普通に劇映画に近いです。前述どおりの部屋の暗さ、全く動かない置きっぱなしカメラ、音も皆無、という漢気溢れる演出方針が形づくる寒々しい雰囲気自体は、どこか荘厳な感じすら帯びているというか、中々オツな味わいを感じ取れるヤツだと言えるでしょう。ただ、DVDだとちょっと画質がイマイチなのですよね(残念)。