1.《ネタバレ》 この映画を先に観ておけば「キングダムオブヘブン」も違う目で観られ面白かったかなぁ・・
私が見たのは180分の方でおそらくは完全版だろうと思います。
なぜこの作品を観ることになったか・・
固く考えれば今の中東問題(次に観る予定は「栄光への脱出」というユダヤ人帰還作品)
柔らかく考えれば3大宗教のうちのひとつなのに日本には馴染みのないイスラム教、
誰が考えても(というのは映画として)宗教映画はユダヤ教は娯楽スペクタルであり、
キリスト教はホラーからサスペンスやハリウッド映画全般を理解するに必要。
作品も少ないし映画では有名ではないイスラム教も観てみようということで・・
まずはこの作品の音楽ですが、モーリス・ジャール が担当しています。
もうすぐにジャールだ!と思いますよ。
全く音楽の組み立てや導入部が「アラビアのロレンス」と同じなのですから。
砂漠と人しか映らないといっていいくらい世界が似ています・・
そしてこの作品の大きな特徴といたしましては、
なんといっても主人公マホメットが画面に現れないこと!
宗教上の理由で姿を現せないのですが・・これ不思議ですよ。
まあ考えれば「天地創造」や「十戒」と同じじゃないですか・・
ただしあちらはエホバは映像化できないというのはわかります。
立場的にはアブラハムと同じなんですから映さないと・・
人間ですから~足だけとか後姿だけとかあるでしょうに・・
「ベンハー」のキリストのような見せ方をしてもありがたみは伝わりますのに(苦笑)
それとスペクタルな面白さが皆無な演出ですので歴史に興味がなければ面白くないかも・・
そういうこと考えれば大きくマイナスですが、
役者もアンソニー・クィン(これまたアラビアのロレンスのアウダ役)をはじめとして、
観客には見えないマホメット相手の演技は素晴らしい。
観客に向かって質問したりする場面が多いので、
「えっ?私?」と異様さを感じてしまい笑ってしまう。
これが重なると「これ、洗脳されるよ~!?」とますます不思議。
「マホメッド、戦ってもいいか?」とこちらに聞いてくるのです。
は?なぜこちらに・・?アラブ人は好戦的だろう?と思っていると、
「わかった、さあ戦おう」みたいに・・この感じ観ないとわかりづらいかな?