1.日本で発売されたVHSには「香港版ネバーエンディングストーリー」などと書いてあるが、ファンタジーというだけで特にネバーエンディングストーリーには似ていないし、似せようとした形跡も見られない。
というか、そもそも香港映画じゃなく台湾の映画である。しょせんは80年代、日本の発売元もずいぶんデタラメなことをやっていたようだ。
それはさて置き内容は、一言で言うなら、子供向けに作られた低予算の冒険物。
見た目も内容もザツなのだが、「同時期のすごくザツな類の映画と比べればそれほどザツでもない」という、何とも微妙な水準のものに仕上がっている。
ちょこちょこと児童教育的なエッセンスもあったりして、かなり低年齢層を意識した作りながら、突然ナチスをギャグに絡めたり、アジア人のアメリカ人に対する偏見を逆手に取ったネタをやったりと、妙にシニカルなことをやったりもする。このあたりのシーンは一体どういう温度で作っていたのだろう。親御さん向けの笑いを挿し込んだのか、それとも思いついたことを場当たり的にやったのだろうか。今となっては判断がつかない。
まあ、「昔の台湾の子供向け作品はこんな感じだったんだなあ」と思いながらボンヤリ見る程度の価値はある。かも。ごめん、分からない。