1.そもそも何なんでしょう、このタイトルって一体・・・。ウケ狙いなのか、ただ単に外してしまったのかよくわかんないやと思ってたら、実は当時の流行歌のタイトルだったんですね、これ。まんまフランクなんとかの「有楽町で会いましょう」そっくり。全体的にどよ~んとしたメロディーなので、やたらとトランペットで導入部が流れてくるたんびに観てるこっちの気分まで辛気くさくなってくるんですよ、これがいわゆる当時の大映カラーって奴なのかな?小津の「晩春」や「彼岸花」あたりを混ぜて捏ね上げたようなストーリーで特に目新しい材料は全くないですね。このメロディーさえなければ、カラーだしもっとスッキリ爽やかな印象を残してもいいはずなのに、なんか厚い雲に覆われたどんよりムードの映画になってしまってます。ノリに乗ってた時期の市川作品としては凡作。「トリック」の仲間由紀恵の素っ頓狂な笑い声は、実はこの映画の若尾文子を元ネタにしてたりして・・・。