75.「精神」の「最後の聖域」である夢に科学が介入することの是非という科学哲学・生命倫理的なものがテーマだと思うのだが、良くも悪くも「夢と現実」が交錯するという映像表現にインパクトがあり過ぎたため、せっかくの興味深い主題がボケてしまったというかズレてしまったように思える。そういった、難しいことは考えずに映像を楽しむ作品なのかもしれないが。 |
74.《ネタバレ》 気持ち悪くて気持ちいい。 リアル系のキャラクターデザインにどこか違和感が混ざり合うように、 夢と現実との境目がなくなって、混沌が肥大化していくさまが面白くアニメでしか表現できない。 夢は言語化できないもので、その願望がまとまらないからこそ、具現化するためにもがく姿が現実とリンクする。 敦子が時田を救うために、理想の自分であるパプリカから独立して現実を勝ち取るように。 ハリウッドにも影響を与え、細田や新海を超えるだろう監督の早世が惜しまれる。 【Cinecdocke】さん [地上波(邦画)] 8点(2022-11-26 00:52:31) (良:1票) |
73.公開時は見逃したけど、ビデオで見ていつか大スクリーンで見たいと思っていた。さいわい、少し前に爆音上映があり映画館で見た。 筒井の原作と平沢進の音楽に今監督の想像力が加わり奇跡的な作品。おもちゃ箱をひっくり返したような白昼夢が画面に展開する。万人向けでなく、合わない人にはとことん合わないだろうけど(多分アニメはジブリに限るといった人など)大人向けのアニメとしては最高峰と思う。 【mtx】さん [映画館(邦画)] 10点(2021-11-13 21:38:09) (良:1票) |
72.《ネタバレ》 パプリカといえば現時点ではNHKの「2020応援ソング」が有名かと思われる。映画の前に原作を読んだところ、帯に「ヤバい方のパプリカ」と書いてあったのは上記ソングがヤバくないという判断らしいが、しかしネット上で“可愛くない”とか“気持ち悪い”といわれていたのを見たことがあり、大して変わらないのではないかと思っている。 原作では、第一部は科学技術の開発に関わる現世的な話だったが、第二部に入ると時空間の制約を越えた奔放な展開になってアニメ向きの印象だった。映画では、登場人物を集約した上で第一部も踏まえ、派手でリアルに気色悪い現代風アニメを作っている。 原作のパプリカは、オタク気質の肥満の男も50がらみの大人のオジサマも惚れさせ、かつ惚れてくれる点で魅力的なキャラクターであり、かなり男に都合のいい女性像という感じだった。このアニメでは千葉敦子とパプリカが別人格という印象を強め、現実世界の千葉敦子はオタク(一応若い)に取れられてしまったが、オジサマ連中は夢の世界のパプリカちゃんに自分の夢を託す、という形で整理をつけたらしい。その過程で「夢」に関して、本来の精神活動としての夢→将来の希望としての夢→映画などによる架空世界の夢、という形で意味を発展させ、最終的には夢の世界を創ることの意義まで訴えていたように見えた。 またその「映画」というものに関して、原作でも短編長編のたとえ話までは出ていたが、このアニメではこれを膨らませて映画志望だったオジサマの物語を作っており、最終的に夢と現実を統合させていたのはなかなか感動的だった。原作も一応は問題解決だが物寂しさも残す終幕だったのに対し、このアニメは娯楽映画らしく通俗的だが文句なしのハッピーエンドになっている。ここは大変結構でした。 ただし問題なのはキャラクターデザインであって、千葉敦子/パプリカからしてあまり可愛気を感じないが、その他の人物もみな顔が気色悪いので親近感が湧きにくく、これが最初から映画の印象を悪くしていたと思われる。もう一つ、このアニメではパプリカが忙しすぎて、途中からオジサマがパプリカ抜きで勝手にトラウマ解消をやってしまったというのが不十分な活躍ぶりではあった。 【かっぱ堰】さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2021-05-15 09:14:43) |
71.《ネタバレ》 パーフェクトブルー以上に攻めたテーマだった。それは良いのだけれど、そもそも細かい辻褄を合わせる気がないのと、精神医学的にあまりに荒唐無稽なのとで(古い作品であることを差し引いても)、なかなかきびしかった。ネットで検索してみるとユングやフロイトに絡めて解説している人がいたけど、そもそもユングやフロイトが現代精神医学の観点では荒唐無稽なのでまあ仕方ないかという気もした。 情報量の多さでは8 1/2的な感じはある。インセプションに影響を与えたというのは腑に落ちた。ハリウッドはもっと日本のアニメにクレジットを示してくれたらいいのに。 【なす】さん [インターネット(邦画)] 5点(2020-11-19 17:16:40) |
70.《ネタバレ》 最先端の医療技術「DCミニ」を使い、患者の夢の中に入り込んで治療を行うサイコセラピスト、パプリカ。ところがある日、その「DCミニ」が何者かによって奪われてしまう。そしてその日から、パプリカを取り巻く現実が歪み始めるのだった。彼女の顧客である刑事、天才科学者の同僚、彼女が所属する精神治療研究所の所長……、彼らの夢の世界がパプリカの現実へとどんどんと侵食し始め――。果たして「DCミニ」を奪ったのは誰なのか?人が見る夢をモチーフに、現実と空想との境界を行き来するサイコセラピストを描いたシュルレアリスムなアニメーション。僕のこよなく愛するクリストファー・ノーランの傑作『インセプション』に少なからぬ影響を与えたというのを聞いて今回鑑賞してみました。率直な感想を述べさせてもらうと、僕は全く合わなかったですね、これ。エキセントリックな世界観や想像力の極北を行く驚異の映像技術などは確かに凄いとは思うんですけど、肝心のストーリーの方がさっぱり嵌まれませんでした。すんごく独り善がりで観客に対して不親切すぎじゃないですか、これ。「分かる人にだけ分かってもらえればいいんだよ」みたいな唯我独尊ぶりに、見れば見るほど僕の心は離れてゆくばかり。映像も随所にかなりグロテスクなシーンがあったのも観ていて気持ちのいいもんじゃないですし、だいたい今観るとちょっと古臭い感じがするのは僕だけ?そう思うとやはり『インセプション』って偉大だなぁなんて再確認しちゃいました。 【かたゆき】さん [インターネット(邦画)] 4点(2020-07-09 15:47:03) |
69.すさまじい。イカれた映画。毛色は違うが、大友克洋氏の「童夢」を初めて読んだときのインパクトに近い。不謹慎ですが、こんな作品を作っていたら、そりゃ早死にしてしまうでしょう。傑作としか、いいようがない。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 9点(2019-09-15 21:23:54) |
68.《ネタバレ》 原作も面白いが、アニメの方も素晴らしい。夢と現実。悪夢の中の逃走劇。見ている間はワクワクした。早世が惜しまれる。ノーランの作品みたい。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 9点(2019-05-20 11:44:20) |
67.原作既読。率直な感想としては、原作を読んだ時の感動の方が大きかった。それにしても、あの凄まじい原作をよく映像化しようと思ったなあ。わかりにくいところはあるものの、見事に表現されていると感心した。あの原作のアニメ化としては十分に及第点だと思う。あと個人的には、声優陣の演技が凄まじく上手かったが、上手すぎると言うか、感情過多な声優喋りになっていて、ちょっと苦手だった。これくらい映像に力のある作品では、もっとナチュラルな喋り方をして欲しい。 【すらりん】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-04-15 13:50:31) |
66.うわ〜。最後まで観るんじゃなかった。よくわからなかったし。夢に出てきそう。 (途中で気持ち悪くて断念しようかと思ったけど、投稿のため鑑賞) 特に、デブの時田がこっちを見ている時は気持ち悪かった。 色彩は凄かった。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 3点(2018-01-28 12:00:44) |
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65.ストーリーが全然理解できませんでした。私の読解力不足かもしれません。 【Donatello】さん [DVD(邦画)] 2点(2017-07-18 21:11:35) |
64.評価が難しいですね。表現としては嫌いな部分と好きが混在している感じ。 内容としては目新しさは感じなかったかなぁ。これを実写で世界観を壊さず表現できていれば 凄いと思う事でしょうが、アニメだとどちらかと言うと少し古い印象・・・といっても もう10年以上前の作品。どちらかと言うと芸術品。芸術品の感想を言うのはどうも苦手で。 パプリカと時田君の声が超有名所の声優さんでしたが、代表作の綾波とアムロとは違うものの コナンの灰原とドラゴンボールのヤムチャの印象に近い感じで 絵と声が浮いた感じ、慣れるまでなんとも言えない違和感がありました。 【デミトリ】さん [DVD(邦画)] 5点(2017-04-16 18:19:28) |
63.《ネタバレ》 映像はすごいんだけど、夢と現実が混ざったところで「なんでもあり」になっちゃって、いまいち。PERFECT BLUEもそんな感じだった。残念。 【センブリーヌ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2017-03-02 03:40:57) |
62.《ネタバレ》 夢の中の描写がリアル過ぎて驚きました。凄い映像の連続で見る側を飽きさせません。今敏監督って、見た夢をはっきりと覚えているタイプの方だったのでしょうか?DCミニを盗み、人の夢を自在に操り悪用する輩を追っていくストーリー。ヒロインのセラピストの千葉敦子の夢には、自身の内面に潜むパプリカが現れます。パプリカは、スフィンクスやティンカーベルに変身しながら活発に行動します。物事もハッキリ言います。一方、敦子は我を内に秘める女性で常にパプリカの後ろをついて行きます。ある意味、パプリカは憧れの存在です。そんな敦子がクライマックス、パプリカの命令を無視し、我を貫き想いを寄せる時田を助けに行く姿は印象に残りました。ストーリーのわかりにくさは、夢の中のストーリーなので気になりませんでした。また、全編を通して音楽が素晴らしかったです。 【スノーモンキー】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-12-03 00:01:19) (良:1票) |
61.《ネタバレ》 なかなか良い空想の産物で音楽も個性的で良いと思いますが、パプリカが高速で空中を舞うように観ている側も終始置いてきぼりです。しょうもないデブ男が最後リア充になり、敦子さんは美人なのでしょんぼり感が倍増しました。 【DAIMETAL】さん [インターネット(字幕)] 3点(2014-09-26 02:11:24) |
60.《ネタバレ》 夢を自在に操りたい、そんな科学者の野心を描いたファンタジーアニメーション。 随所にエロティックなシーンがあったりで、大人向けのアニメ。 細かいところに、ちょっとした願望が映像化されていたりして、なんともニクイ演出の数々。 才色兼備な女性が、見た目がひどい男に惚れる。 これって現実にあることだけど、この映画では、それが一つの夢として現実化されている。 まさに夢と現実がつながっている。 色々な要素が凝縮されて表現されているので、難解なイメージも拭えない。 だけど、実はシンプルで、大人の願望、寝ている時に夢見る願望を、映像化したアニメの様な気がする。 大人が夢にみる願望を、可能な限り映像化したという点において、実に魅力的なアニメであり、アニメでしか表現できない魅力を持った作品である。 特筆すべきは、平沢進の音楽。 夢独特の浮遊感、壮大なファンタジー絵巻を実によく表現しており、耳に心地良い感触を残す、見事な楽曲だ。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-07-15 12:55:05) |
59.アニメならではの映像・演出は圧巻。ただ、ストーリー(設定)に無理があるからか、徐々に素晴らしい映像画にも飽きがきてしまう。最後の、もう何でもアリな展開も重なって、4点としましたが、作画に関しては気持ち10点以上です。 【sirou92】さん [インターネット(字幕)] 4点(2013-07-13 17:10:21) |
58.《ネタバレ》 この監督のアニメならではの表現は好き。他作品に比べたら劣るけど、これもまぁまぁ良かった。 【afoijw】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-04-16 03:02:39) |
57.ドラマが次の物語を引き起こすのではなく、ひたすらシーンが次のシーンを呼び、あるいは発散し、あるいは循環する。アニメに不可能なし、とばかり、悪乗りの極致、エネルギーの奔流にただただ圧倒される、のだけど・・・あまりに濃過ぎて、少々胸焼けが。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-28 23:07:14) (良:1票) |
56.今となっては陳腐なストーリー。迫力があるといわれる絵もどこか見慣れた感がある。それなりに楽しめたけど、筒井の原作(未読)はもっとエグいんじゃないかな? 結局、自分には敦子とパプリカの関係が理解できなかった。 【フラミンゴ】さん [地上波(邦画)] 5点(2011-03-17 16:37:55) |