1.旧約聖書のエピソードの映像化。
アブラムは旅に出た時が75歳らしいけど、妻がなんであんなに若いの?
もうこの時点で、聖人とか言われてもなんだかなぁという感じがしてしまう。
もとがもとだけに、全体的にぶっとんだストーリーで、残酷だったり
納得のいかない部分も多いのだけど、
そのぶっとび具合がこの作品の特色でもあり、現代の世界や常識とかけ離れた
あまりの異世界っぷりに、最後の頃には奇妙な覚醒感さえ得ていた。
周囲を見回しても厳しい自然しかない不毛の地で、
みな土埃にまみれてテントのような粗末な住居で、今でいう難民キャンプのような
生活をしている。これが人類の原初の姿なのか。
荒野とか砂漠が好きな人にはいいと思う。ラクダの騎士とか出てくるし。
ちなみに、邦題やジャケットから想像するような、
ソドムとゴモラの崩壊を描いたスペクタクルのようなシーンは、作中にないので注意。
ソドムはたしかに神に滅ぼされるけど、その描写は本当にショボく、ないに等しい。
ゴモラに至っては名前しか出ない。また騙された。