1.《ネタバレ》 近未来の荒廃した都市です的な街周りの中で、婚約者を殺害された男が、ボスキャラに復讐する。となればハードボイルド&バイオレンスっぽい雰囲気を想像し、しかももしかしたらB級一直線ではないかとも予想します。しかし、この作品のポイントは、元は17世紀の舞台劇であるという点です。よって、品が良いとはおよそいえない(というか揃って頭も悪そうな)登場人物連中が、台詞だけは回りくどくて仰々しいというギャップは、存分に楽しめます。また、寝室侵入のくだりとそこからの展開とか、処刑をめぐる行き違い(!)とか、復讐は途中で成功するもののその後が、とか、展開も意外に捻っています。最後は急に詰め込みすぎで、舞台ならまだしも映画ならもうちょっとじっくり描写して欲しいと思いますが、まあ仕方ないか。というわけで、全体としては一本の筋できちんとまとまってはいますが、やはり一貫して漂うB級感+低予算感は、どうにも拭いがたいところでした。