1.「ひばり・チエミの弥次喜多道中」(7点)の姉妹編ですが、こちらの方が面白かった。言ってみれば、美空ひばり版「ローマの休日」。当時の東映時代劇の飲めや唄えや踊れ的ノー天気で派手派手な賑やかさが、ここでも画面に巧く出ています。観ているこっちも、本当にわくわくしてきます。三人娘シリーズ他現代ものでは、女優として決定的な欠陥ともいうべきプロポーションの悪さが観ていて気になって仕方がない、ひばり、チエミのご両人。時代劇では、ズラと着物の似合う事似合う事!現代劇に出ている時よりも、お二人ともよっぽど生き生きして輝いているのが良いです。特にどうこう言うべきものでもない、とかく見過ごしされがちなプログラムピクチャーの中にも、面白いものはまだまだあるんじゃないかってこれを観て改めて思いました。それにつけても、どの出演映画でも「生命力と陽性のかたまり」みたいだった、江利チエミという人の早逝がにわかには信じがたいですね。