1.《ネタバレ》 学生時代、沢木耕太郎の本を読み漁り彼の描く世界観に影響を受けたこともあり、その中でも好きな作品である「人の砂漠」の映画化と聞いて非常に期待してたんですけどね・・・・・。あまりに稚拙な解釈にがっかりしてしまいました。はっきり言って失敗作だと思います。
学生の作品なんで仕方ないといえば仕方ないんですけどね。でも、これを映画館で上映して、客から金をとったらダメでしょう。
それと、特殊な人生を送っている登場人物たちへの思いが全く感じられず、見世物的な感じで表面的に描いているのもなんだかなあという感じですね(まあ、上から目線なのはある意味原作もそうなので若者特有の「青さ」ということで理解できますけど)。この「思い」こそが沢木耕太郎の作品の肝なんですけどね・・・・・。
あと、各ストーリーでやたらと登場人物たちへ警官や地域住民、親類等が蔑視の視線や嫌悪感、憎しみをぶつけていますけれども、実はそれこそが作り手の本音なのが丸わかりで気味が悪かったですね。「屑の世界」の反対運動なんて、あんなあからさまなことをしたら大きなニュースになりますよ・・・・。
やたらとキャストが豪華なのがまた内容の拙さを強調していますね。