2.《ネタバレ》 予定通り「表」の謎は解いているが、真犯人に関していえば映像的にほとんど説明済だったため意外感は全くない。一方「表」では主人公の母親が死んだ理由も示唆されているように見えたが今回は説明がなく、これは観客向けの謎解き要素として残したということなのか、あるいは単に当方の思い違いだったのか。
今回の特徴点は、「表」で心霊現象としか思われなかった事件の謎を音響のプロが合理的観点から解明していく形になっていることである。映像面でのホラー風味は維持しながらも、謎解きの面では“この世に科学で解明できないものはない”というかのような勢いが感じられたが、しかしその説明が面倒臭くて無理やり感があり、また主人公の口調が一本調子なこともあってあまり感心できるものにはなっていない。
ただし、ラストで一つだけ合理的な説明のできない問題を残して終わっていたのは実は期待通りだった。自分としては昔の特撮番組「怪奇大作戦」(1968)を思い出したが、原作・脚本・監督の人物は1967年生まれのようで、これと直接の関係があるかどうかはわからない。
なお今回の主演女優は個人的に好きなわけでもないが、この映画では普通に清楚な正統派美女に見えるので印象は悪くなかった。