3.《ネタバレ》 ツァイ・ミンリャンが本作の後、何本か映画を撮れたのは合点がいく。
ツァイ・ミンリャンはデビュー作で最高傑作を作ってしまったからだ。
これだけの作品を最初に発表したら、そりゃあ評価を得て次々と映画を撮る機会に恵まれるだろう。
だけどおそらくこのデビュー作を超えることは出来なかった。
それだけこの作品の出来は素晴らしい。
台湾の都会の空気。
どこか空気は澱んでいる。
そこで若者は目先の快楽をむさぼる。
そこに将来の希望なんてありゃしない。
刹那な快楽と暇つぶし。
そんな若者たちをセリフ少なく映像で表現した紛れもない傑作。
(=映画は脚本が命では決してない)