1.《ネタバレ》 全編モノクロームの静謐な映像。これがストーリーの雰囲気にとてもよく馴染んでいて良かった。
修道院の誓いを立てる前に自分のルーツや外の世界を知り、恋愛も経験して修道院に戻る。
そして、毅然たる表情で前に向かって進むイーダの姿。
最後はハッピーエンドと捉えました。
至る所に印象的なシーンがあり、オープニングのキリスト像を立てるシーンや、イーダがミュージシャンと夜を共にする時の髪を下ろす姿、ヴァンダが自ら命を絶つシーンなど、象徴的でファンタジー性を感じさせるシーンが特に印象深く響いてきましたが、その一方で、人物を右下に配する構図が多用され、人物を捉える際の引き出しの少なさが垣間見れたのは減点材料。
また、音に関して言えば、部屋で聞くクラシック音楽や車の中での歌謡曲、レストランでの生演奏、静かな部屋の中で聞こえる喧噪など、BGMを流さない分、どれも非常に耳に残っていたのですが、生演奏は何回も繰り返されて若干しつこい感じがしてしまいました。
自分としては、ポーランドの歴史的背景はあまりよく知らないままで観たのですが、イーダの出生を辿りつつ歴史に触れることができたのは良かったです。