139.《ネタバレ》 簡単なあらすじは
昭和初期、広島の呉市に嫁いだのんびり屋でドジな主人公すずが織りなす軽いノリの日常映画。
そんな中、第二次大戦が始まってもすずの日常は続く・・・。
確かにすごい映画でした。
その時代に生きた人たちの取材や風景をとことん調べており
生活風景のシーンが沢山あるので
一緒に生活しているような新鮮な錯覚を覚えました。
思い出したのは小学生の頃学校で見せられた反戦アニメ映画。
でも描いているのはリアリティのある人間であり大人向けな気がします。
今の豊かな暮らしからはかけ離れた慎ましい暮らしをしているのに
すずはのんびり楽しく生きている。
少なくとも見た目は。
この感想を書いた後、原作の漫画を読みました。
映画を観て良かったと感じた人は原作も読んでほしいです。
映画はほぼほぼ漫画をなぞった内容でした。
一部のエピソードがカット及び変更されています。
気づいた点
・すずが子供の頃おばあちゃんからもらった着物と同じ柄の着物(継接ぎで)を座敷童子も着ている。
おばあちゃんが着物を直してくれていたという意味ですが
すずがリンと娼婦街で初顔合わせしたとき、すずはこの服を仕立て直したものを着ていてリンも
昔自分が同じ柄の服を着ていたことを思い出す。
クラウドファンディングのエンディングロールで流れるリンの過去ですが
すずの失われた右手が描いた空想でありどう捉えるかは観る手に委ねられている。
・海難事故で死んだのは水原哲の兄。
それで哲は海が嫌いになった。
・周作が本当に結婚したかったのはリン。
リンに名前を書いたメモを渡していたのは周作。
周作のノートの表紙が欠けていたのはそういう理由。
だから結婚式で周作は無言になってた。
すずと結婚したのは本当に見つかると思ってなかったからと思います。
このエピソードがあって初めてすずとの初デートの橋の上でのセリフが生きてくる。
・楠公飯はそんなにまずくない。らしい。
ただし戦時中ははやらなかった。
・リンは空爆で死んでいる可能性が高い。
・人さらいの鬼は原作がああいった表現だったため
アニメでもああいう表現となった。
実在するかすずの空想の産物かは観る手に委ねられている。
・水原哲の生死は監督のインタビューでも明言は避けている。
・すみは原爆症になった。
羅患者は死亡率が高い。
見送るか映画館で観るか悩んだけど
いやー映画館で観て本当によかった。
追記:水原哲が生きていることを原作者が明言していたようです。
水原哲を知らない刈谷さんと一緒だったこと、
もう別の人生を歩んでいることなどの理由で声をかけなかったのではないかと仰っています。