1.《ネタバレ》 月食の日に、4組の仲のいいカップルらが集うホームパーティ。
作品の大半はテーブルを囲む彼らの姿をとらえ続けるワンシチュエーションの会話劇。
再会を喜び和やかに食事が始まるも、話の展開から、みんなには秘密なんて無いよね?
今から携帯をテーブルに置いて、かかってきた電話やメールを皆に公開しようというゲームが始まったものだからさあ大変!
前半は妹や親からの当たり障りのないメールなり電話なりで始まる。その内容を肴にワインもすすみ会話も弾む。
ここでそれぞれの性格、仕事、今それぞれが抱えている問題を実に自然な形で見る者に提示していく。
徐々に電話やメールは微妙な内容に変わり始める。
この流れは予想通りではありますがコメディからシリアスな方向に、次第に和やかなホームパーティの空気を入れ替えていく。
この一連の流れがよく練られていて、ある男と娘のやりとりの挿入も実にいい。脚本がよく出来ています。
少し疲れてきたら月食を眺めてしばし気分転換。喋り続ける作品の中での間の取り方なんかも計算されています。
よく似た邦題がついている、ロマン・ポランスキーの「おとなのけんか」のテイストにも似た作品ですが、
あれだけぐっちゃぐちゃになったのに、ラストはあり得ないほどあっけらかんとしていて最後は笑顔でそれぞれの家路につく。
このあたりは実にイタリア的といったところでしょうか。日本ではこうはいきませんよね・・・。