1.《ネタバレ》 原作は読んでいない。千葉県船橋市の映画だが、ふなっしーは出ない(舞台挨拶には来たらしい)。監督は犬童一利という人物で、著名な犬童一心監督との関係はわからないが、池脇千鶴が主演していることからも関係ないでは済まない気がする。
物語的には何が言いたいのかわからなかったが、若い男に関していえば、最初は“恋人に死なれた立場”で心を閉ざした状態だったのが、それ以外に“友人に死なれた立場”もあることに気づき、さらには“恋人を残して死ななければならない立場”もあることを知って心が一回り大きくなったというようなことか。題名の「きらきら眼鏡」に関しては、「心にシャッター降ろす」のに使うと嘘になるのでよくないが、全てを受け入れた上でなお世界を輝かせようとするのは悪くないという意味かも知れない。
しかし地元の皆さんには大変申し訳ないが、自分としては誰にもどこにも全く共感できない映画だった。年上の女は訳あり風の妙な言動が人物の魅力につながらず、個人的に見た範囲では「潔く柔く」(2013)パターンで目新しくもない。また若い男は、何を考えているかわからない顔がバカに見えて苛立たしいだけである。さらに腹立たしいのが年上の男の「何でおれなんだよ…」という言い方で、誰が何歳で死んでも不思議でないだろうに、自分だけが特別な人間と思ってきたいわゆるリア充だとこういう発想になるということか。登場人物それぞれの人生はあるにせよ、とりあえずおれには関係ないという気分のままで終わった。
唯一面白かったのは、若い男が職場で突然脈絡ない話をしたときの女性駅員の反応だった。この場面は最近お疲れだろうから休めというところにしかつながっていないように見えたが、ほかに何か深い意味があったのか。
出演者に関しては、古畑星夏さんが非常に魅力的に見える場面があったが(きれいで可愛い)、気色悪い男に乱暴なことをされる場面が入れてあるのが気に食わない。また大変失礼だが、池脇千鶴がおばさん体型に見えたのはまずくないか(わざとなのか)。おばさん役なら仕方ないが、一応ラブストーリーのはずなので困ってしまった。
そういうことで個人的には残念な映画だったが、世間の評判はそれほど悪くないようなので、どうかそっちの方を信用していただきたい。