1.《ネタバレ》 友川氏とそのご子息たちとのコミュニケーションのシーンがありますが、これは仕込みでしょう。友川氏は父親としては機能しなかったのではないかと思いますよ。変な親戚のおじさんとしてなら、人生煮詰まったときに会いたいような気もしますけどね。とにかく、やっかいなヒト。たぶん一緒にいたら、相当めんどくさいですよ。日々の日常のなかで、人生の結論めいたことをポロポロ話すんでしょ(「何かに酔ってなきゃ、人間じゃないだろう。酔うために人間は何かに走るんだろう」、「(お前が敷かれているいっている人生のレールを)誰かが見たことあるのか」とかね)。うるさいよ。あんたが引き受けずにすんだ役割を、オレはどうにか引き受けてるよ、っていいたい。友川には含羞がない。あるいは、そういったものの方向性が違う。オレなら、ゲンナリしそうだよ。おつきあいしたくない。あんなヒトがいたなあって、いつか思い出したいんだけど、遠巻きにしていたいヒト。どうせ、自分のことしか考えていないんだろう。…でも、なんかやっぱり、うらやましいんですよね。ズルいよ。