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すばらしき世界

[スバラシキセカイ]
2021年上映時間:126分
平均点:7.67 / 10(Review 33人) (点数分布表示)
公開開始日(2021-02-11)
ドラマ実話もの小説の映画化
新規登録(2021-01-15)【にゃお♪】さん
タイトル情報更新(2021-01-17)【イニシャルK】さん
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監督西川美和
キャスト役所広司(男優)三上正夫
仲野太賀(男優)津乃田龍太郎(TVディレクター)
六角精児(男優)松本良介(スーパーの店長)
北村有起哉(男優)井口久俊(ケースワーカー)
白竜(男優)下稲葉組・組長
キムラ緑子(女優)下稲葉マス子
長澤まさみ(女優)吉澤遥(TVプロデューサー)
安田成美(女優)西尾久美子(元妻)
梶芽衣子(女優)庄司敦子
橋爪功(男優)庄司勉(弁護士・身元引受人)
原作佐木隆三(原案)「身分帳」(講談社文庫)
脚本西川美和
撮影笠松則通
製作川城和実
バンダイナムコアーツ(「すばらしき世界」製作委員会)
ワーナー・ブラザース(「すばらしき世界」製作委員会)
ギャガ(「すばらしき世界」製作委員会)
講談社(「すばらしき世界」製作委員会)
配給ワーナー・ブラザース
美術三ツ松けいこ
衣装小川久美子(衣裳デザイン)
編集宮島竜治
録音白取貢(音響)
北田雅也(音響効果)
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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12
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33.《ネタバレ》 すばらしき映画。
三上の狂気っぷりを役所広司が見事な演技で表現している。
喧嘩中相手にかみついて口の中血まみれにしながら笑顔で一般人の津野田を呼ぶシーンが一見暴力的とはいえ普通の人っぽかった三上が普通じゃない世界の人だと認識させられる印象的な場面。
こんな三上がカタギになれる訳もなく自然な流れで暴力団に戻っていきかける。
たまたま暴力団を離れることになり再びカタギの仕事に就いてだんだんと見て見ぬふりをする「普通」の世界に馴染み始めた矢先突然死する。
不器用だけど一生懸命に生きようとする三上に目頭が熱くなるいい映画だ。
Dry-manさん [インターネット(邦画)] 8点(2024-02-12 22:03:13)(良:1票)
32.ストーリーがすばらしい。よくある勧善懲悪ものとは明らかに一線を画し、たしかに現実にありそうな話を、ものすごく自然に、少々の毒や皮肉を込めて描いている感じ。しかも主人公はけっして特異な存在ではなく、誰もが大なり小なり似たような要素を持っていて、生きづらさみたいなものを感じているんじゃないですか、と問われているような気がします。
しかしストーリーもさることながら、私がもっともグッと来たのは、前半と中盤に1回ずつあった役所広司が泣くシーン。前半は橋爪功夫婦と食卓を囲みながら、中盤は子どもたちとサッカーに興じた後で。演出なのか演技なのかわかりませんが、大の大人が堪え切れなくなって人目も憚らずに嗚咽するというのは、まさにこんな感じだろうと。仮に前後を切り離してこのシーンだけ見たとしても、私はきっともらい泣きしたと思います。
眉山さん [インターネット(邦画)] 9点(2024-02-02 02:02:51)(良:1票)
31.《ネタバレ》 大好きな西川美和監督と大好きな俳優役所広司さんということもあって、とにかく観る前からの期待値はかなり高かったです。ただ事前にあまり情報を得なかったので、この話が実在した人物をモデルに作られていたことは鑑賞後に知りました。知って思ったのは、この話の実在した人物と西川監督の世界観がものの見事にマッチしているということ。だからこそこれだけ素晴らしい作品へと昇華されたのでしょう。

反社会に対しての社会のシステムがどんどん厳しくなっていく中で、反社会から足を洗って真っ当に生きていこうとする人間に対する社会のあり方に焦点を当てているわけなんですが、そんな中で一番強烈に印象深く残るのは、私たちは常に社会に対して何らかの不平不満を抱きながらもそれらを我慢して生きていかなきゃいけないということを、その現実を改めて思い知らされたということが、何よりもズンときました。そんな我慢なストレスを抱え込んだ人たちは自分よりも立場的に不利な人を見つけるとつい上から的な態度を取ってしまうのも、こういった社会の闇なのかもしれませんね。

この監督さんは台詞のない描写で印象的なシーンをよく見せてくれるのだが、今作では、大きなキャベツから徐々に小さなキャベツを選び直すシーンや、ちょっと高級そうなシャンプーを手に取りながら羨望の眼差しで何とも言えない表情をするシーンとか、とにかくそういった何気ないシーンが本当に良い塩梅に散りばめられていて、非常に心地よい。

コスモスの花言葉は「調和」や「謙虚」。 やっと就職してこれから「謙虚」に社会と「調和」して生きていこうとした三上への最上の表現ですね。でも私は三上は死んで良かったんじゃないかとも。なぜなら果たしてあの職場で我慢し続けられるのか、己をとことん殺してまで耐えていけるのか、甚だ疑問でもあったし、我慢し続けてもいつかストレス溜まりすぎてぶっ倒れちゃうんじゃないかとも...だから遅かれ早かれ楽になるにはああなるしかなかったのかもって...だから死んで楽になれて良かったですね、ていう感情もありました。

すばらしき世界・・・皮肉たっぷりなこのタイトルが本当に...憎たらしい...。


PS:日本語の聞き取りづらい箇所が何箇所かあるの、年配者には本当に辛いので字幕付き邦画の検討、本当にお願いします。
Dream kerokeroさん [インターネット(邦画)] 8点(2024-02-01 12:56:54)
30.《ネタバレ》 これぞ西川映画と呼べるような、ソリッドだけども多面的な描写が続く。序盤は、役所広司さん演じる三上の社会復帰への奮闘をコメディタッチの描写も含めて描く。下の階のチンピラとの喧嘩やら自動車教習所での悪戦苦闘にはブラックユーモアもたっぷりで苦笑いしながら見てきたのだけれど、後半のあの暴力沙汰から物語がピリリと引き締まり、そもそも「社会復帰とは何か」「まっとうに生きるとは何か」という深みに達していく構成は本当に見事。そのなかで、出てくる登場人物もくせ者ぞろい。身元引き受け人の弁護士夫婦、取材するテレビ局ディレクター、市役所のケースワーカー、スーパーの店主、そして元暴力団の兄貴分まで、みんな「いい人」ではあるんだけれど、でもそれぞれが必死で「まっとうに」生きるためにどこかで三上を突き放している部分を持ってる。「善良」であっても、それぞれの自分勝手な言い分やら事情のうえのことなので、タイミングが悪ければ容易に三上の「敵」にもなるだろうという、そういう危うさを常に感じるのはいい。「無償の善意」などありえないのだ。このあたりの突き放した世界観があるからこそ、一瞬心が通ったと思える瞬間が美しく「すばらしい」。ただ、本作が凄いのは、その「善意の助言」が最後は三村を追い詰めてしまうことだ。その先にあった死は、悲劇というべきなのかどうかはわからないけれど、この「すばらしき世界」の苦みを十分に描いてくれたことは間違いないと思います。余計な部分をそぎ落とした久々の西川節を堪能しました。
ころりさんさん [インターネット(邦画)] 8点(2024-01-06 09:36:13)
29.《ネタバレ》 役所広司、圧巻の演技力。物凄いです。人間味はあるが、面倒を通り越して危ない三上を、周りの人たちが支える様を絶妙に描いていると思う。みんな徐々に心を通わせるんだよね。一時、堕ちてしまってもしょうがない展開になるが、持ち直すのは正にすばらしき世界。最後はどんなオチもありえると思い読めなかった。薬は飲めなかったのか?飲まなかったのか?それとも、関係なかったか。
ラグさん [インターネット(邦画)] 8点(2023-12-17 21:08:33)
28.《ネタバレ》 生活保護担当の職員も、スーパーの店長も最初は嫌な感じと思いましたが、基本的にはいい人たちなんですね。やはりある程度その人の事を知らないとその人の事は分からないなと思いました。役所がパートで働く介護施設の若い職員らもしかり、いい面もあれば障害者を笑いにする面もあり、分からないものです。役所は介護施設で怒りに任せた行動を抑え、ようやく別の人生を歩み始めたかと思いました。ただ、怒って当然の内容だったから、それを抑えないとこの世界では普通の人としてやっていけないというのは少し悲しいと思いました。まったく前知識なしにたまたま観ましたが、良作ですし、役所広司ってすごい演技人だなと思いました。
珈琲時間さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-12-16 16:55:07)
27.《ネタバレ》 泣いた。
役所広司の声の荒げ方がヤクザ者のそれを本当によくできてて素晴らしかった。
随所に挿入されるギミックもよかった。おかげで飽きずに見れた。
原作も読んでみたい。
よこやまゆうきさん [インターネット(邦画)] 10点(2023-12-03 00:23:27)
26.《ネタバレ》 役所広司の名演技でした。激高すると止まらない迫力がありました。それぞれ善人でワルは長澤まさみだけでしたね。
東京ロッキーさん [インターネット(邦画)] 8点(2023-11-30 09:59:19)
25.《ネタバレ》 その日、殺人の罪を犯し、13年ものあいだ刑務所へと服役していた男が出所する。彼の名は、三上正夫。10代の頃から何度も罪を犯し、そのたびに刑務所へと投獄され、積み重なった前科は十犯。これまでの人生の28年間を鉄格子の内側で過ごしてきた彼の人生とはいったい何であったのか――。人生の終盤を迎えつつあるそんな三上の再出発の日々を、彼を題材にドキュメンタリーを制作しようというテレビ局のスタッフの視点を交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は、うまくいかない人生にもがく人々の苦悩を終始一貫して見つめ続ける西川美和。いかにも彼女らしい丁寧な演出は相変わらず健在で、特別なことは何も起こらないこの三上という元犯罪者の日常を淡々と描いているのに、最後まで観客を惹き付けてやまないのは見事としか言いようがない。短絡的で何かというと暴力に走るこの粗暴な男が主人公なのだが、そこまで嫌悪感を抱かせないのはやはりこの監督の慈愛にも似た優しいまなざしによる部分が大きいのだろう。不器用で身勝手で社会性が皆無に等しい元犯罪者の人生を否定も肯定もせず、ただ淡々と見つめている。やがて明らかとなる、過去にこの男が心から愛していた女性の存在、今度こそ真人間になろうと誓った経緯、そして彼を子供のころに捨てて失踪した母親……。一般的な人々からすればやくざ者で人生の落伍者である彼にも、当然、人間としての苦悩や後悔、弱い部分や魅力的な部分、そして深い愛もあるという当たり前の事実を改めて気づかさせてくれる。そんな彼をそれぞれの立場から優しく見守る周りの人々の存在も素晴らしい。弁護士やその妻をはじめ、途中で出てくる何気ないキャラクターまでちゃんと血の通った人間として描くことに成功している。特に、六角精児演じるスーパーの店長が印象的だった。ただ、意図してそうしているのだろうが、三上を取り巻く人々がどこまでも良い人ばかりというのは、自分としては少々違和感があった。三上の古い友人であるやくざの組長の妻までが主人公に献身的なまでの優しさを見せるというのはちょっとやり過ぎと言えなくもない。とは言え、それも好みの問題なのだろう。社会という枠からはみ出し、今にも溺れそうになっている人々の悲哀を掬い取ろうという今作のテーマは充分に胸を打つ。血の気の多い元やくざ者をナチュラルに演じた役所広司をはじめ、キャスト陣も皆いい仕事をしている。どんな人間でも、心の持ちようによって、この世界はいくらでも素晴らしいものになる――。そう思わせてくれる、ヒューマン・ドラマの秀作と言っていい。
かたゆきさん [DVD(邦画)] 7点(2022-08-24 05:59:27)
24.何とも皮肉なタイトルではある。
三上は直情型の性格で社会と適合できない元ヤクザ。
三上を支えてくれる支援者に対しても時に反発する。
そんな三上にも終盤希望の光がみえてくる・・・只その矢先に悲しい結末が。
何とも切ないラスト、やりきれなさが残る。
役所広司が怒りとおだやかな表情を使い分ける見事な名演技をみせる。
自分を捨てた母親を何かしら愛情のかけらを求めて探そうとする姿はほんと切ない。
受刑者の社会復帰という難しい問題を、元やくざを主人公に見事に表現した西川美和の手腕は見事である。
とれびやんさん [インターネット(邦画)] 8点(2022-06-19 12:09:54)
23.《ネタバレ》 主人公は生きにくい世の中においても純粋な善意により支えてくれる人々に恵まれ、普通に生きる道を歩もうとしていたその矢先に命を落とすことになるのだが、やはり因果応報と言わざるを得ない。それはさておき、役所広司さんの演技は素晴らしく、また仲野太賀さんも素晴らしい。じっくりと魅せる邦画の良さが発揮された作品です。
いっちぃさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-05-23 23:22:26)
22.《ネタバレ》 全体的にとても丁寧に作られているなぁという印象を持ちました。
人の優しさや醜さ、複雑さがしっかりと描かれていて感情移入ができました。
なのであのラストはずしんときましたねぇ。ここで映画的な結末にするのでなく、
こういうおわり方をすることでしっかりメッセージも伝わってきます。良作でした。
あろえりーなさん [DVD(邦画)] 7点(2022-05-15 16:27:00)
21.《ネタバレ》 世界は決してただ美しい、素晴らしいモノではないのであって、多くの不条理・不正義・不公平と残酷な運命に満ち満ちている。それは人ひとりの力で何とか出来るものばかりでは全くないのだし、そもそも人智に依っては如何ともし難いことだって今だ数多く存在する。だから残念なことに「努力は人を裏切らない」とか「人生は何度だってやり直せる」だとかいう美辞麗句というのは、言葉の使い方の問題でもあろうが確実にそこに「嘘」を孕んでいる、とも思うのだ。人生とは、この世界とは、元々全く「ままならない」ものなのだろう、と考えている。

でももし、そこにただ純粋に素晴らしいことがひとつだけ在るとしたら、人が自分の人生を少しでも、ほんの少しずつでも「前に」進めようというささやかな意志を持ったのならば、その人生はどんな時でも、ほんの少しだけはより善い・より意義深いものにきっと変わるだろうということなのだ。例え明日死ぬとしても、その明日を今日よりも少しだけ何か意味の在るものにすることはたぶん可能なのだ。それだけが、人に許されている唯一つの絶対なのだ(人生の意味とは、ただひたすらにその積み重ねでしかないのだ)。だから、それでも世界は絶対に素晴らしいのだ、と。
Yuki2Invyさん [DVD(邦画)] 9点(2022-05-10 21:27:34)(良:1票)
20.《ネタバレ》 人との繋がりがすばらしき世界なのかも。僕自身は当たり障りなく受け流してはいるけどどこかストレスを感じて避けているような気がします。良い事も悪い事もあるけどプラマイゼロではなく、ちょっとだけ良い事がプラスになるようにバランスをとって生きたいですね。リアルでオヤジが脳出血で倒れ、救急車を呼んだのでダブってしまい、ラストは胸が締め付けられる思いでした(なんとかリハビリコースに行けそうな雰囲気です、いつか一緒に映画とか観れたら、僕のすばらしき世界になるかもです)

中国嫁コメントなし(色々思うところがあったのかもしれない)映画は娯楽だけじゃないよってことが伝わったらなぁと思います。前情報無し(役所さん出演ぐらい)で観たので、知ってたら一緒に観なかったかもですw

5さんありがとね、すばらしき世界に近づけたかも。

【追記】年明け早々に、倒れてからおよそ10か月で亡くなりました。コロナで面会もままならない状況で何もしてやれなかったけど、オトンのスマホを預かってて、僕の知らないオトンの友人とお話しする機会が多々あり、外向きのオトン像を知ることができました。とある競技でMVPとったり、年度優秀選手に選出されたり(黎明期故に代表招集とか無かったのが残念)、地元草チームに加入して国体参加して、大学、実業団を食ったりと誇れる栄光の時代もあり、オトンにとってはすばらしき世界(人生?)だったと思えます。
ないとれいんさん [映画館(邦画)] 7点(2022-04-14 12:57:23)
19.普通に生きる事の厳しさが良く描かれています。弱きを助ける行為は自らの意志であり、もたらす結果に胸張っているのが素晴らしい。悪戦苦闘ぶりは孤立無援では無く、多くの人々のアシストがあった、ここが本作の素晴らしき仲間、素晴らしき世界と言えるのでは。
The Grey Heronさん [DVD(邦画)] 6点(2022-03-20 00:18:11)
18.三上は出所後多くの素晴らしい人たちと出会っていたのに、それに気づかないでヤクザの気質のままで生き続けたのがみんなにとっては不幸でした。それでも最後の方では改心できたので良かったと思います。北村有起哉の演技も良かったです。なお、長澤まさみが端役でもったいなかったです。
みるちゃんさん [DVD(邦画)] 6点(2022-03-04 12:36:24)
17.役所広司の演技は,素晴らしいと思いますが,主人公三上の短気で頭の良くないような生き方には全く共感できませんでした.
ラストシーンは,素晴らしい青空は,映画のイメージ通りですね.
あきぴー@武蔵国さん [DVD(邦画)] 6点(2022-02-28 20:52:32)
16.《ネタバレ》 元殺人犯の社会復帰物語。曲がったことが大嫌い、まっすぐで血の気の多すぎるオイラ。周囲とぶつかりながらも生活のために就活を進める。直情的で危なっかしいけれど見ていて憎めない、そんな不器用な男を役所広司が熱演。介護施設のパートとして辛抱強く働く、ちょっぴりオトナになったオイラ。世の中捨てたもんじゃねえ、すばらしき世界。良作。
獅子-平常心さん [映画館(邦画)] 7点(2022-02-21 00:01:02)
15.《ネタバレ》 ネタバレあります。未見の方はご注意ください。

自然災害、不慮の事故など、本人に責任が及ばぬ原因で終わる人生もあれば、己が生き様の帰結として迎える必然の最期もあります。後者を選択できた者は、その結果が好ましかどうかに関わらず「幸運」に違いありません。三上の最期は唐突かつ遣り切れぬものでしたが、明らかに後者と考えます。それに見方を変えれば、これほど幸せな結末もありません。生活苦もなく、辛い闘病生活も経験せず、悲しんでくれる人がいる、泣いてくれる人がいる。これ以上何を望みましょう。彼は周りの人々に恵まれました。もしかしたら人生の前半で使わなかった運を、ここで一気に使ったのかと思うほど。もちろん、身寄りのない三上が短期間で濃密な人間関係を築けたのは、彼の人間性に魅力があったからに外なりません。広い空の下で死ねたこと。彼が迎えた人生の結末は、最善でなくとも、最良のものだった気がします。
生い立ち、セーフティネット、犯罪者の社会復帰。シリアスな周辺要素を孕みながらも、物語は一人の男の日常生活を淡々と描くスタイルです。どこで終わっても成立したでしょう。それこそ後味よく希望を抱かせるエンディングを用意することも容易でした。しかし西川監督は「けじめ」に拘った気がします。それが「人生」を描く責任。西川監督の過去作を見てもわかるように、その真摯な姿勢は一貫しています。良いところも悪いところも、好都合も不都合も、全て描く。でもその視線には人間に対する絶対的な肯定感が見てとれます。それを「愛」と呼ぶのかもしれません。だから私たちは西川監督に魅了されるのだと思います。タイトル『すばらしき世界』は幾ばくかの苦みを含みつつも、皮肉ではありません。
目隠シストさん [DVD(邦画)] 9点(2022-01-01 07:30:26)(良:1票)
14.「永い言い訳」の 西川美和 監督作品..すこし期待して 鑑賞..シブくて リアルな演出&ストーリーが なかなか良かったです..若干 細かいところが気になったものの 実話を基にしているだけに 説得力があったかな..
コナンが一番さん [DVD(邦画)] 8点(2021-12-31 15:27:14)
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【点数情報】

Review人数 33人
平均点数 7.67点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
513.03%
6412.12%
7927.27%
81236.36%
9515.15%
1026.06%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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