1.《ネタバレ》 いや~コリャあ、突っ込みドコロの多い潜水艦映画だすね…フランスの弾道ミサイル潜水艦が舞台、ということで、要は名作『クリムゾン・タイド』の二番煎じに容易に為りかねないコトが最初から思いっ切り危惧されましたが、心配ご無用、実際に二番煎じでありながら「二番」というレベルにすら全く達していないという輪を掛けてのポンコツです。シナリオ・設定の質として三回り、いや四回りは劣るかと。
フランスが核報復を決断するまでの経緯は、少なからず引っ掛かるトコロはありますがまあ好しとしましょう(とは言えそもそもフランスて)。しかし、大統領命令下達後レフローヤブルが味方からの通信をも遮断する、というのは、そもそもハッキリ意味が分からんです(それこそ、こいつら『クリムゾン・タイド』すら観ないで今作撮ってるのケ?つーか)。二百歩譲ってそういう作戦運用だったとしても、その後並走する僚艦チタンが明らかに止めに入っているのに状況の確認すら全くしない、とゆーのも更に意味不明です。司令部との通信途絶のカラクリにリアリティがあった『クリムゾン・タイド』とは、この部分の展開運びだけでもクオリティの差が歴然だと言えるでしょう。
もう一つ、タイトルの『ウルフズ・コール』ですが、作中実際にこの「狼の歌」が聞かれるのは序盤に一回だけで、その後はこの設定特に登場しないんですよ(終盤、主人公のフラッシュバックシーンで無理やり挿入してるトコが一箇所ありますケドも)。何故にこーいう結局大して意味の無い(意味在りげなだけの)設定を放り込んで、それをタイトルにまでしちゃってるのでしょーか。シナリオにちゃんとした内容・アイデアが無いコトを自白しているよーなもんです。
他、突っ込みドコロは尽きませんが、取り急ぎ2点だけ言及しておきます。潜水艦映画にも(大)ハズレあり。