1.《ネタバレ》 いちおう『魔人ドラキュラ』の極めて直接的な続篇のテイでして、5年後公開ながら前作の終了直後から話が始まるというつくりなのです。が、ルゴシ=ドラキュラ伯爵はその後復活するワケでもなく、以後の主役はなんと彼の娘!なのですね。んで、この娘とゆーのが、自らに流れる忌むべき血脈を呪いつつも⇒やはりその呪縛に抗えずに罪を犯して苦しむ…というちょっと可哀そうな感じも纏うトコロの役柄なのですわ。コレって、このユニバーサル怪奇映画シリーズ上でも、まずは先行の『フランケン』シリーズにも含まれる様な要素ではありますし、今作に続くトコロの1941年の『狼男』でもバッチリ見るコトの出来る設定だな…と思ったりもします(⇒正確には、今作の前年の1935年に『倫敦の人狼』という、コレまた似た様な要素を孕む作品が存在する様なのですが、コチラは未見で…)。更に言うなら、このシリーズでの所謂「女性的」なホラー的存在…とゆーの自体としても先行する『フランケンの花嫁』のメアリー(エルザ・ランチェスター)に次ぐモノかな…とも思われます。要は、今作での彼女のこの描き方自体とゆーのは、シリーズ的には「流れ」に乗ったモノでもある様に見えますし、かつ恐らく当時の社会情勢的にもごく「適切な」方の(まろやかな)モノだったのではないか…とゆーのが個人的な感覚ではあるトコロですね。
話を元に戻しますと、彼女以外のキャラクターとしてはヘルシング教授は(役者も変えずに)続投ですが、彼女と直接的に対峙するのは(同じ学者でも)若いイケメンな御仁に変わって居て、中盤では案の定ふたりで色恋沙汰の真似事マデやらかしてくれるのですね(⇒学者先生の元々のツレも巻き込んでちょっとラブコメ風にすら為りやがる)。しかし、終盤は女ドラキュラが逆上してそのツレを人質にしたりするモンだから、結局は…という(また)少し哀しい終い方になってゆきますです。正直、ホラーとしてはあまり怖くはない+ルゴシ先生の前作ほどに凄みもない…つーのは、ちょっと残念なトコロではあるのですね(⇒前段で散々グダグダとナニを言いたかったかとゆーと、コレです)。が重ねて、お話の要素の彩りが好くてドラマとしてはまあまあ面白かったですし、テンポも前作よりは断然好いですし、あとゆーて主演のグロリア・ホールデンさん自体についても⇒まずはかなりエキゾチックな美人でもありますし・舞台の方が本業らしいのですが立ち姿もキマってましたし・そこそこ「人外」ぽい異な雰囲気も醸せていたりして、だからその辺りは決して悪くはなかったとも思うのですよね。結論、足し引きして、前作と同じ評価としておきます。