13.《ネタバレ》 抑えたタッチで客観的に見ているのはわかるし、本作の意義も理解するが、しかしこの映画は淡々としすぎなように感じた。ただ二人組がうだうだとやっているだけで、そこからの深みが見えてこなかった。 ちなみに現在から見ると、こんな事件はまさに「ありふれた事件」と化しているようで物悲しい。これを見ていても「最悪の犯罪」とかには全く思えなかった。もっとひどい事件は実際起きてるし。だからタッチを抑えて「最悪の犯罪だ」と刑事らが騒いでもかえって冷めてしまった感はある。 【θ】さん [DVD(字幕)] 4点(2013-09-15 23:06:04) |
12.実際にあった事件を描いた作品らしく、モノクロ映像が迫力とリアル性を感じさせる。 役者さんも悪くない。鑑賞後は面白いと思ったのだが、時間が経つと記憶が徐々に薄れてくる。 登場人物たちの人間描写が不足しているのか、自分がこの程度の凶悪犯罪には慣れているのか、 事件の背景が今一つインパクトに欠け、ただその顛末記を淡々と描いたという印象も・・・。 タイトル自体が本作の妙味ではあるんだけど、ラストシーンが一番表現できていたのかも。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-02-22 01:02:03) |
11.《ネタバレ》 コンラッド・ホールの撮影が秀逸です。リチャード・ブルックスは、不条理で不幸な出来事を、乾いたタッチで見事に描き切ったと思います。後味は悪いのですが、確かに名作です。 本作は受賞なりませんでしたが、この年のアカデミー賞の各部門ノミネート作品はなかなか質が高かったと思います。 【ジャッカルの目】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-09-06 00:43:51) |
10.《ネタバレ》 タイトルから冷酷非情な犯人像を思い浮かべていたのですが。全く違いました。 逮捕に至るまでの過程は見ごたえありましたが、そこから先がグダグダで辟易しました。全うな一家はあっという間に命を絶たれたのに対し、命で償うまでの時間がかかるったらありゃしない。 |
9.《ネタバレ》 1967年の米映画でモロクロは珍しい。監督にはこだわりがあるのだろう。1954年の「雨の朝巴里に死す」 ではカラーだ。深い陰影の演出が印象的。窓を打つ雨の反射を顔に受けながら、最後の告白をする場面は特に印象的。煽情的にならずに抑えた演出は好ましい。◆刑務所仲間の二人ディックとペリーが合流して被害者の家に押し入るまでを描き、次は犯行後の場面となる。殺害の場面を謎とし、クライマックに持ってくるドラマティックな構成だ。観客は悲惨な結末を知っているので、背筋が氷るような恐怖を感じるという仕掛け。意地悪で切れやすいディックと親切で常識的なペリーならディックが発砲したのだろうと思わせておいて、実際はペリーが実行犯だったという意外さもある。徹底したリアリズムで絞首刑の瞬間までも描く骨太の映画。原作がノンフィクションだ。◆二人は囚人仲間のガセネタにより犯行に至った。本人はほんの冗談で悪気は無かったのだろうが、バタフライエフェクトで、最悪の結果がもたらされた。反省しているのだろうか、それとも懸賞金をもらってほくそ笑んでいるのだろうか。運命のはかさなを感じる。◆平和に暮らしていた被害者四人の様子、二人の殺人犯の生い立ちが丁寧に描かれている。観客は十分に共感できるだろう。二人は共に悲惨な境遇で育っている。特にペリーは酷い。母にも父にも見放され、養護施設で育ち、軍隊に入り、戦争により負傷している。死ぬ直前でも父親を憎んでいるという。愛しながらだ。彼らが犯罪に染まってもおかしくない。環境が犯罪を作るのは真実だろう。だからといって彼らを擁護は出来ない。自分の撒いた種は自分で刈らなければならない。◆テーマの一つに動機無き殺人がある。彼らは最初から殺人をする気だったのか?そうではあるまい。覆面用の黒のストッキングを探していたころからも分る。被害者の父親の言動がペリーの父親がペリーを殺そうとするフラッシュバックを生んだのが悲劇につながった。極度の緊張感と疲労で彼の精神が悲鳴を上げてしまったのだ。ほんのちょっとしたキッカケが悲劇を生む恐ろしさ。ガセネタが本当だったり、黒のストッキングが買えていれば違う展開になっていた。◆救いようのない冷血な犯罪。心根は優しい二人、死刑を下すのにも冷血にならなければならない。二重の意味で悲劇だ。命の大切さを透徹な精神で描ききった稀有な作品と思う。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-02-12 11:58:41) |
8.《ネタバレ》 最初から殺すつもりだったから、覆面もせず、事件を起こしたのでしょう。トラウマを抱えているから、殺人も時として、ためらわずできてしまう、何かそんな事を言いたげな演出でしたが、どうも同情できないです。元々刑務所で聞いたガセネタを頼りに再犯を起こすわけですから、何も刑務所で学んでないですよ。でも考えてみれば、社会に犯罪を起こす危険性のある人がいるのに、あんな広々したところにポツンと家を建てている。アメリカの家って無防備だなと思います。近所の目を気にせずに強盗に押し入れるわけですから。やはり人間はかたまって住まないと危ない気がするのは日本人だからでしょうか?アメリカって自分の生活は自分で守る、って気概の国ですからね。銃をみんな持つわけだ。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-26 23:58:17) |
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7.原作既読。内容は出来る限り原作に忠実に作られているのだが、映画版は収録時間の関係もあってか表面的な部分しか語られていない。それにより時代風化を免れない、ありふれたノンフィクション・サスペンス映画になってしまっている。改めてカポーティの鋭い切り口、深い描写力を実感させられた。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-12-28 10:32:22) |
6.殺人の犯行シーンを終盤にもってきたのがナイスでしたねえ。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-15 20:49:12) |
5.カポーティの「ノーフィクション・ノベル」がベース。 突然の凶悪化、なかなか納得は出来ない。“切れる”ということか? どこでも必ず起こる得る問題か・・。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-03-06 18:42:08) |
4.《ネタバレ》 今の時代では、日本でもこんな話がよくあるありふれた事件になってしまった。これは40年も前の映画なのだけれども、もとになった事件にしろ原作にしろ、今から思うと時代の先例だったのだろうか。人が人を恨みもなく殺すにいたる過程、逃亡過程、そして処刑の末路まで、じっくりと描いていて見ごたえがあった。こんな映画こそ一例として子供たちに見せておくのがいい。ただ、もっとうまくやれ、というメッセージにとるかもしれないが......。乾いていながら妙につやと深みのある白黒映像が秀逸だったのと、ひょっとして黒澤明『天国と地獄』の佐藤勝を参考にしたかと思わせるようなクインシー・ジョーンズの音楽が結構でした。 【goro】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-04-23 05:12:24) |
3.刑務所で仕入れたガセ情報に踊らされ、押し入った農家の家族四人を皆殺しにしてしまった無軌道な二人の犯罪者の顛末。本作は原作の「ノンフィクション・ノベル」の雰囲気そのままに、抑えに抑えた演出と陰影の利いた映像で仕上げた実録映画になってます。昔の記憶では「怖い映画」という印象だけが残ってましたが、再見して、社会の底辺で「犯罪者」となっていく人間の浅はかさと、「動機なき殺人者」の「動機」を丹念に追った見応えのある作品だということが解りました。ことさら被害者達や犯人達へ同情的視線を注ぐことなく、映画は終始冷徹な視線を貫いている。だからこそのラスト・シーン。1967年当時としてはかなり衝撃的だったと思いますが、この映画は現在でも普遍性を兼ね備えていると思います、7点献上。 【sayzin】さん [地上波(吹替)] 7点(2006-09-29 00:00:55) (良:1票) |
2.この映画の原作は実話を基にしたそうで。ラストはあまりにも衝撃的すぎる・・。こういう映画は昔だからこそできたものです。 |
1. この種の犯罪映画としては抜群の迫力だが、ベストセラーとなったトルーマン・カポーティの原作ドキュメンタリーに負う所が大きい。正に「事実は小説より奇なり」といった感じか。リチャード・ブルックス監督作としてもベストだと思う。スコット・ウィルスン、ロバート・ブレイクとも異様な凄味を出して好演。ただ、「面白い」といった類のモノではないので、誰にでもオススメとは…。 【へちょちょ】さん 8点(2002-12-31 02:36:34) |