5.《ネタバレ》 実力派の舞台俳優フィリップ・トレトンが炭鉱閉鎖後の不況にあえぐフランス北部の幼稚園長に。 「田舎の日曜日」のタヴェルニエ監督はソフィー・マルソーを三銃士にしたり、「ラウンド・ミッドナイト」はジャズ、これはドキュメンタリー風と多様な作風。 炭鉱町ものはフランス映画ではそう見かけない。 市の予算が足りず常に逼迫する状況の中で奮闘する若き園長とスタッフの女性たち、彼らを頼りにする住民と無心に遊ぶ子供たち。 幼稚園という狭い場所を舞台にしながら様々な人間の思惑が交錯する中を、ダニエルは情熱をもって駆け回り、外部と折衝し、子供の瞳の奥を見つめ、語りかける。 が、問題はひきもきらない。 家庭人である彼の生活も平行して描かれ、同居する恋人の息子と和解するシーンが目をひく。 なかなか謝るきっかけをつかめずにいた少年が、母親と彼との不和にするりと滑りこんで「女ってむつかしいよな」みたいな目配せをしあって、ちゃっかり男の同盟を結ぶのがおもしろくもあり。 家族との触れ合いに癒されても余裕のないスケジュールに悲劇も起こるべくして起こってしまうが、ダニエルの去就が気になる。 本当に責任をとって辞めるのだろうか? みんなの冷えきった心をあたためた、心づくしの祭りのあとに。 【レイン】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-08 00:00:02) |
4.社会問題を扱うならドキュメンタリーで十分。どれも断片的でまとまりが無く、説明不足でよくわからないし、中途半端。コレは映画なんだからもうちょっとストーリー性が欲しいところ。 |
3.この監督ならではの丁寧な作り。子供たちを取り巻く問題山積な環境だけでなく、ダニエルとその父親・恋人と彼女の息子、家族関係の描写もうまい。子供は周りと一丸になって育てなくちゃね。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-12-03 21:54:45) |
2.貧困からくる大人たちの心の荒れ、そしてその犠牲となる罪無き子供たちを救うために奮闘する教師の物語。教師と子供たちの関係よりも子供たちの親との関わり、福祉課の役員との関わり、さらにはその上の政府との戦いが描かれ、そのうえ教師の家庭における親としての問題を描いてゆくことで非常に多面的に教育の理想と現実を見せてゆきます。希望らしい希望というのは描かれず、ひたすらに答えの見出せない現実を目の当たりにします。しかし、祭りを彩った子供たちの作ったカラフルなペットボトルの飾りつけがモノトーンの町並みを元気づけ、陽の光や子供たちの笑顔が確かなる希望を演出していた。地元のアマチュア俳優や園児たちの自然な演技が、ドラえもんさんのおっしゃるようにドキュメンタリーさながらのリアリティを創造していました。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-09-09 11:59:25) |
1.舞台はフランス北部の、とある小さな町の幼稚園。園長であるダニエルは、同棲中の恋人の息子が、なかなか懐かない事に悩みを抱えている。この作品は、その彼の周囲で起こる様々な出来事、例えば園児たちの家庭環境の劣悪さ・貧困・治安の悪化・弱者を切り捨てる社会等々と言ったことを通して、フランスの教育・福祉の現状の有り様を問いかける。出演者全員が自然な演技で、とりわけ子供たちが素晴らしい演技を見せてくれ、一種のドキュメンタリー・フィルムと見紛うほどだが、それだけに胸に迫る思いは強く、この未来ある子供たちの幸せを祈らずにはいられない。 【ドラえもん】さん 8点(2002-02-03 15:16:22) |