19.《ネタバレ》 三隅研次監督が初登板となるシリーズ第2作。シリーズで初めて見たのがこの作品で、20年ぶりに見たのだが、この後のシリーズを何本か見ていると、(そんなに多く見たわけではないのだが。)雷蔵の狂四郎は確かに1作目ほどではないにしろ、まだ役をつかみ切れていない感じがするものの、話は1作目より面白く、また、今回のメインゲストとなる勘定奉行 朝比奈(加藤嘉)やおつや(高田美和)とのやりとりも楽しく、そこはそんなに気にならずに見れたし、三隅監督の映像美もシリーズで言えばこの後の「無頼剣」や「炎情剣」の方が今から見れば好みかなと思うものの、それでも三隅監督の映像美は今回ももちろん健在で、雪の降る中での五味龍太郎との対決シーンとか構図も美しく、思わず引き込まれてしまった。今回の狂四郎はお茶に薬を盛られたり、入浴中に刺客に襲われるなど、ピンチシーンも緊迫感というよりはどこか狂四郎の情けなさというのが出ていてそこにもどこか親近感のようなものが感じられる。さきほど書いた高田美和をはじめ、暗躍する女占い師を演じる藤村志保、悪役の久保菜穂子といった女優陣が充実しているのもこのシリーズらしいのだが、やはり、初めて見た時もそうだったのだが、朝比奈役の加藤嘉の飄々とした演技がとても印象的で、この役は今まで見た加藤嘉の演じた役の中では個人的には「砂の器」の千代吉に次いで好きかもしれない。(2022年5月23日更新) 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-09-10 10:22:04) |
18.その場限りの登場人物が多く、小さなエピソードの積み重ねで構成されているので下手をすれば物語が破綻しそうなところを、それなりにうまくまとめていて面白く見ることが出来ました。 眠狂四郎のヒーロー像や、映画としてのノリがマカロニウエスタンまんまでしたが、やや時代設定を無視した世界観でキザなアウトローが活躍するという雛形は、マカロニと日本の時代劇では実際どっちが先だったんでしょうか? 【J.J.フォーラム】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-05 20:47:46) |
17.《ネタバレ》 前作よりもニヒル度は増したように思えるが、女をノコノコ追いかけて毒盛られたり、風呂に入ったら裸で襲われて女に助けてもらうという間抜けな所があるし、加藤嘉とはコントをやるという結構お茶目な部分も。キャラとしてはこれぐらいが調度いいようにも思うが、これからさらにニヒル度が増していくんだろうか?それはそれで楽しみではあるが。 |
16.《ネタバレ》 柴田錬三郎に原作を改変しないと約束させられて撮った前作はどう観ても失敗作となり、思い切って不義理をして大胆に脚色して臨んだのがこの第二作。試写を観た柴田は無言で去ったそうですが、後に「俺の負けだ」と述懐したそうです。 前作に比べると雷蔵のキャラは明らかにニヒルさと無常観を漂わせるようになり、眠狂四郎のスタイルを確立する方向に進んでいるのは判ります。やっと普通のチャンバラ映画の水準に達した、というところでしょうか。でもまだ狂四郎がイイ人すぎるし、だいいちよく喋る。原作との違いはわき役キャラを明確にしたところらしいですけど、そのバイ・プレイヤーたちがいい味を出しています。勘定奉行の加藤嘉が飄々としたキャラで魅了してくれるし、雷蔵との絡みがまた味わい深いものがあります。狂四郎をとりまく三人の女たちもそれぞれの個性を出していて、とくに高姫役の久保菜穂子の怪しい色気が良かったですね。突っ込むとすれば、高姫サイドが藤村志保を通じて五人の剣客を集めて勘定奉行と狂四郎を狙うところで、なんでそんな回りくどいことするんだろうというのは当然の疑問で、またこの五人の個性が希薄で活躍もしないところでしょうか。でも三隈研次らしい映像美には注目です。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-12-02 23:20:15) |
15.《ネタバレ》 狂四郎のキャラは前作に引き続き今ひとつなのだが、この作品は脇役がとにかく楽しい。前半の不穏な雰囲気から後半の美しさへの変化が見事な藤村志保様(銭湯のくだりは名シーンだと思う)をはじめ、はじける若さが眩しい高田美和(後半出番がないのが残念)、悪役ながら最後はしおらしくなる久保菜穂子と、女優陣が特に充実。また、加藤嘉が全編にわたってこれだけ喋りまくるのも珍しいのではないか?というわけで、孤高の剣士の活躍譚というよりも、むしろ「狂四郎と愉快な仲間たち」と言った方がしっくりくる作品です。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-11-22 21:45:55) |
14.《ネタバレ》 この作品の狂四郎はニヒルでない。その点で、減点。加藤老人とのバディもの。ユーモアはある。藤村さんよし。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 6点(2019-01-29 22:00:31) |
13.ニヒルでダンディなヒーロー、なかなか魅力的なキャラクターだとは思いますが・・・ 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-01-27 22:58:46) |
12.《ネタバレ》 シリーズを見るのは2作目ですが、どうも面白さがわかりません。加藤嘉とか女優陣はいいと思うのですが……。根本的に、眠狂四郎という人物に魅力を感じません。そのあたりが元ではなかろうかと推察します。かといってつまらないというわけでもないですが。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-11-16 18:04:57) |
11.《ネタバレ》 ニヒリストでアウトローの無頼の徒と、理想肌で政治中枢の老人との親交を軸に仕込んでいるのが趣向。ニヒリストがそのせいで厄介ごとに巻き込まれ、嫌々のムッツリ顔で剣を振るうが、そう嫌でもなさそうなところ・老人への共感・正義への姿勢がほの見え、まだ無難な主人公なわけ。老人と狂四郎と互いに「余計な世話」を焼き合う。正月の町の風俗描写も味わいで、浮世絵なんかで見る大きなしゃもじをかついでいる人とか、物売りや占いの声など。藤村志保の役どころがちょっとふらふらしてて、しびれ薬を盛ったかと思うと、湯屋でそっと剣を渡したり、夫を救わんとする女心の惑いで片づけるには振幅が大きすぎたような気もする。謎の女占い師で辻々に現われているときのほうがドキドキした。円月殺法っての剣術としてどの程度合理的なのか不明だが、アクションとしては、緊張した静から動に至るのが味わい。だいたい時代劇で終盤の対決では、主人公と敵の大物とが向き合って、膠着した静からチャンバラの動に至るのが見せ場になる。そのとき主人公がゆっくり円を描き出してるってのが、なにやら禅的というか・所作として意表を衝いていてなかなかの発明(原作柴田錬三郎) 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-09-24 09:31:43) |
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10.おお、狂四郎のカッコ良さ、加藤よしのキャラ、おつや坊の可愛さやられてしまった。 時代劇での「話のわかる老年実力者は飄々としている」の定石通りの加藤よし。 このお爺ちゃんの愛おしさは群を抜いている笑 絶対死なせてはならない、頼むぞ狂四郎!って思っちゃうもんな。 そして随所に狂四郎のニヒル感が出ていて引きつけられるが、豚姫はいくらなんでも言い過ぎだろ笑。こういうの好きな人にはたまらんだろうな。 中盤、それぞれの事情で手錬たちが集まってくる過程も面白いが、それを狂四郎は一人で片づける! 円月殺法、その立ち姿が美しすぎる。 といいつつも、個人的に一番お気に入りのシーンはおつや坊と狂四郎のやりとり。 続編ではこの二人見られないのかな。 【kosuke】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-28 14:48:21) |
9.《ネタバレ》 三隅研次監督の美しい映像美、それに市川雷蔵の美しさ、かっこよさ、吐く台詞がいちいちかっこよく、時々見せる笑顔、加藤嘉の老人にお主の住まいは?と聞かれて、吉原と答える。なんて贅沢三昧な暮らしをしてやがるんだ!羨ましいぞ!女に毒を飲まされ、風呂では敵に命を狙われ、しかし、絶対に死なない。当たりまえだな!主役なんだから死ぬわけない。眠狂四郎というとニヒルで無口な狂四郎しか知らない私にはとても新鮮!見る順番が滅茶苦茶だからそう見えるだけかもしれない。いずれにせよ、作品全体の美しさとテンポの良さに女に対する狂四郎の態度の冷たさがある意味痛快で良かった。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-07-08 20:26:37) |
8.眠狂四郎という、正義感は強いけれどちょっと照れ屋さん、容姿端麗、剣を抜いたらピカイチの好青年の活躍を描いた、痛快時代劇。ははははは。でも本当だからしょうがない。これを観てから後のシリーズ作品を観て「なんじゃこりゃ~」と腰を抜かすのも良し、後のシリーズを観てから本作に立ち返って、「なんじゃこりゃ~」とのけぞるも良し。世直しに燃える勘定奉行のジイさん(←どっちかっつーと、「農民A」といった佇まいだけど。笑)の改革を、影に日向に支える狂四郎。極めてノーマルな映画、サワヤカ過ぎて張り合いがないぞ~(ノーマルだからとケチをつけられる狂四郎って一体・・・)。でも、謎の女占い師の暗躍、ポンコツ刺客の襲撃、アノ有名人との対決(?)など、物語は起伏に富み、見せ場も多く、これはこれでなかなかナイスな作品なのでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-09-14 23:51:41) |
7.《ネタバレ》 構図に優れた美しい映像が素晴らしい。狂四郎が唯一心を許す少女の存在や、適度なコミカルさ、殺陣の見せ方の工夫など、それぞれのポイントの抑え方が程よく、バランスのいい映画になっています。ただその反発で狂四郎が他の作品に比べてまともなこともあり、ニヒルで格好良い台詞が控え目なのは多少残念ではある。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-09 21:45:38) |
6.《ネタバレ》 真打三隅研次監督登場。もう何度か書いた(かな?)けど、私はこの人の映像美には、ひたすら敬服するのみなのですわ。とにかくタイトルバックからして魅せる。構図もいい。美術(の使い方)もいい。 一般にこの第二作が雷蔵シリーズの狂四郎の路線を決定したと評価されているけど、まだまだこの狂四郎は第一作を引きずってるね。饒舌で、表情豊かで、全体的に「いい人」だし。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-05-27 09:44:43) |
5.一作目を観てからだいぶ間を空けてこれを観たんですが、、んー、一作目の方が好きだったかも。何つーか、狂四郎、世の中に対してニヒってる割におせっかい焼きで、「ヒネくれてるけど実は良い奴」みたいな感じがしてしまったです。円月殺法の「解説」も何だか野球マンガの「魔球解説」みたいだったし、、ともあれ、最近このシリーズのDVDが全部揃ってるレンタル店を見つけたので(一作目のビデオを借りた店は潰れてしまった・・・)、全部観るぞ~! 【ぐるぐる】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-11-15 18:15:57) |
4.第2作。雪が降るなかでの雷蔵と五味龍太郎の対決のシーン。流石に大映はこういう構図が綺麗。「豚姫が雪より綺麗な俺の体に触れようなどとは無礼千万だぞ!!」と雷蔵様言ってたけどほんとにそうだなと(笑)。雷蔵の銭湯シーンもあってサービス満点。加藤嘉の飄々さ、高田美和の可愛さもいい感じです。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-26 22:11:04) |
3.このシリーズは初めて。整った顔立ちでナルシストな狂四郎はあんまし好きになれなかったが、円月殺法は強い。柳生のおっちゃんは何しにきたんだろう? 【紅蓮天国】さん 5点(2004-09-07 04:31:12) |
2.市川雷蔵主演「眠狂四郎シリーズ」の2作目。田中徳三監督の1作目が大失敗・大不評だったので、この2作目が実質的なシリーズのスタートと言える。三隅研二監督の相変わらずのスタイリッシュな映像、大映の底力を見せつける美しいセット、狂四郎に次々襲いかかる刺客との立ち回りと時代劇の醍醐味を存分に味わえる。本作の狂四郎はまだ随分と明るくて口数も多いが、回を重ねるごとに孤独は深まり、その存在は凄みを増してゆくのだ。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2003-11-10 11:13:05) |
1.市川雷蔵は僕の中での唯一の実写版眠狂四郎。大衆娯楽的な殺陣の豊富さはどれをとっても迫力十分で今の時代劇とは二味違います。ストーリーの構成は殺陣中心の映画とは思えないほど良くまとまっていて、人物も丁寧に描かれている。黄金時代の日本映画の力を感じた。 【ひよっこ】さん 8点(2003-05-24 22:36:46) |