7.《ネタバレ》 監督初作品の「泥棒野郎」のハイレベルの笑いから打って変わって、二作目ではやや滑り気味の笑いに終始している感がある。
冒頭での大統領暗殺での最後の一言「ファシスト、独裁者め」や、両親に外国へ行く説得をする際に手術を受けている人のセリフ「今日芝居に行くから」にはどのように笑えばよいのか多少苦しむ。
その他にもオペレッタ拷問や「CIA」を「UJA」といい間違えるのは大抵の日本人としては笑う余地がない冗談かもしれない。
とは言っても、法廷でのシーンは、フーバーのようになかなか冴えている部分も多かったと感じる。
しかし、この法廷でも一人二役のシーンは少しうざいなと思うし、飛び入りで入ってきたやつも昭和のギャグのようだった。(30年前に創られているので確かに昭和のギャグなのだろうが。)
やや面白いかなと感じた部分は無意味な通訳や主な輸出品が赤痢だったり、全員に麻酔かけたり、食料品オーダーくらいだろうか。
一方、ストーリーは、中途半端なラブストーリーと中途半端な政治風刺がミックスされ、中途半端なグダグダ感は否定できない。
ヒロインが主人公に対する思いと同様に、何か物足りないと思わせる結果となっている。
それがアレンの狙いだったら凄いけど。
しかしラブストーリー部分はその後の「アニーホール」等の映画に何か繋がっているようなものも感じられた。
まあ、見所は何と言ってもシルベスタースタローンとウディアレンとの共演に尽きるかもしれない映画ですね。